人生は多重構造なのでプレイルームで遊びます
舞台見るために有給取ってマチネ終わりには美容院行こうと思ってたけど、美容院の予約はロトで6億を当てるより難しいので気づいたらお腹すいてもいないのにタイ料理を食べ、フラフラしてました。かなり暇でした。買いたいものも(ないといったら嘘になるけど貯金を逼迫して欲しいものは)ないし、やりたいことも(ないといったら嘘になるけど今から漫喫行くのも映画に行くのも体力をゼロにしてまでやりたいことは)ないし、わたし、人生、無、と、ピカチュウの生き血を啜りました。ピカチュウの生き血を啜るといえば、略すとピウスですね。そうそう、人生は無ですがピウス企画のすごい舞台観ちゃったから人間でよかった意味が少しありました。犬や猿には出来ないので。プレイルームに関してはどう感想を連ねてもネタバレを孕むという危険性があるんだけど、もはやネタバレになる!って感想も既にネタバレなのでは?と思うふしがあります。ざっくりというと殺人ゲームの話なのでどうしても漫画とかドラマとか映画とかそれこそ小説とかでしかない話(現実にもあるんだろうけど…)がその場で演じることによって徐々に現実としてその場に降りてくるという降霊術のような超常現象として体験しました。というか、単純にそういう設定の物語(舞台)なんだけど、観てるこっちも没入させてくれるくらい逼迫で切迫なお芝居だったのでこれは超常体験だなって思ったらいろんな意味で怖かったから面白かった。盛り込みすぎじゃない?というどんでんどんどん返しもスピード感がすごくてあっという間にどういうことと処理する前にめまぐるしく展開していくから異様にラリれるし、体験ですよ、これは。虚構と現実がわからなくなるには、リアルな部分はリアルに表現をしなければならないというところにあると思うんですけど、各々のキャラクターがかなりリアルで現実味があった。人間だった。嘘がバレない1番の方法は本当のことを織り交ぜるって詐欺師とかがよく言うじゃないですか。それです。大好きな作家のファンの集いからなる話なんだけど、そのファンたちひとりひとり、みんな現実にいる!こういうファンの種類ある!ってタイプ分類できるし、でもデフォルトされたオタクみたいのじゃなくて、社会にいる人間だったから…。大好きな作者に会えると知ってほくそ笑む姿とか、作者の椅子を真っ先に用意するとか、細かいところでわかる!!!ってなるような作り込みがすごい。虚構と現実がわからなくなりたい㌠より。
以下、ネタバレ含む
原野くんすっごかったねえ!!!!ウチクリさんすっごかったねえ!!!!!正体明かしてからのニヤニヤっぷりからもうひと段階あらぬ方向に落ちることへの驚きよ。途中で、あっファンタジーなサスペンスなのか〜って腑に落としたところが敗北の原因だったから、脳内ポイズンベリー!ずるい!と思わなくもなかったけど、そういうとこよね、醍醐味よね、くやしい。そういうオチにしてるのに理由に説得力があって凄い。驚き騙しが先行してなんも考えられてない話とかでなく筋が通っている。女王の戦略のときも思ったけど、風呂敷のたたみ方がめちゃくちゃきれい。全員、細部までちゃんとしたひとりの人間だったから見事だったし、劇場特有の近さからも惹き込まれちゃったな。説得力がある。座席的に、樋口さんはぎのさん澤田さんがよく見える席で、表情のちょっとした動きとか、すごい、自然で、素人が役者の演技を褒めることってめちゃくちゃダサいと思うんだけど、本当に殺されたみたいで、本当に殺されたみたいにみえる仕掛けとしてこの場ではないところで殺されているというレイヤーの重なりが上手くて、それこそ小説みたいで、想像力ひとつで良くも悪くもって感じなんだけど、客にその想像をさせるだけのお芝居と物語の構成とパワーだったのがすごいしやら面白いやら、なんかもう怖いわ。パソコンの画面もリアルに動いていてWikipediaあって面白かった。
アフトであまり話が広がらなかった(面白かったです)ために林Pが「思ったより役者が消耗してて…ウチクリくんも最後あんなに1人で喋って大変じゃない?」って、舞台にでてない客ですら(大変だよ!!!!)と脳内で一斉にツッコミを入れつつ和やかな空気で幕を閉じました。(大変とはハッキリ言わずに、えっうん。まぁ…いや、ってなってたウチクリさん良い人だなと思った。包帯してないとめちゃくちゃイケメンだな。)