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匙ひとつで濡れる袖など(ふるあめりかに袖はぬらさじ)、パフェとラーメンは若いうちに食べておけ(鈴懸屋の鈴のパフェ)

良かったので…。本当に…。
噛み締めたいこの気持ちを伝えたいとnoteに綴ろうとするけど、気合いを入れて書こうとすると一生書けない星のもとに産まれているので涙で袖を濡らしています。
ていうかさ、話が「物語の上に現実がある」(出典:アンクルトム)であり、「現実の上に物語がある」だったし、現実と舞台上の現実と舞台上の物語とわけがわからなくなりたい㌠ミステリー大賞みたいな感じだった。思ってたのと違う……すき!!!!!!!!
いやまあ、そもそもわたしが「遊女が異人さんに惚れられて恋人と離れ離れになって心中して悲しい歌うたう」みたいなけったいなメロドラマだと思ってたから、そもそも…そもそも………ごめん。


時は幕末。開港間もない横浜・港崎遊郭。
岩亀楼の三味線芸者・お園は、旧知の花魁・亀遊を看病していた。
お園のあたたかい励ましと、留学して医学を学ぶという夢を抱く通訳・藤吉の薬のおかげで、
亀遊はどうにか生色を取り戻す。
ところがある日のこと。久しぶりにつとめたお座敷に居合わせたアメリカ人・イルウスに、
亀遊は見初められてしまう。
岩亀楼の主人によって、法外な値段で身請けを決められた亀遊。
藤吉への恋が叶わぬことを儚んだ彼女は、自らの手でその命を絶った。
数日後、亀遊の死の真相を偽って伝える出所不明の瓦版が現れた。
そこには、紅毛碧眼に身を汚されることを潔しとせず、
懐剣で喉を突いた本那婦女列伝に記されるべき烈婦と書かれており、
「露をだに いとふ倭やまとの女郎花おみなえし ふるあめりかに 袖はぬらさじ」
という辞世の句までが添えられていた。
こんな嘘――と笑うお園に、商売上手な岩亀楼の主人は、客が喜ぶ話をするよう命じる。
やむなくお園は、亀遊の悲劇的な話を客たちに語り聞かせ始めた。
結果、「攘夷女郎」としてまつりあげられることとなった亀遊。
岩亀楼は攘夷派の志士たちの聖地となり、お園のお座敷には客が連日押し寄せることに。
亀遊の死を最初に見つけた生き証人として、
一躍花形芸者になるお園だったが……。

(公式ホームページより)

ちゃんと読め。
中島ありさ様可憐だったな。

結局最後まで、瓦版を書いたのが誰かわからないまま終わっていくのですが、もうね、ちょーーー痺れるんですよ。大地真央さまの演技という名の暴力で。犯人は先生かなって思ったんだけど、お園さんの複雑な心境を見ていると、あれ?あれ?となってくる。人の気持ちって絶対わからないじゃないですか。自分の気持ちも「悲しい」からといってそれに怒りが孕んでたり喜びに憂いてたり一言ひとつでなくて、伝えられないし、わからないじゃないですか。人情って物語としては勧善懲悪とかで終わりがちだけど、人間って割り切れなくて複雑じゃないですか。そういうとこ全部出し切ってるの、わからないことが'わかる'し伝わるの。感情移入するんじゃなくて、させられるみたいな…………。大地真央さまがもちろん圧倒的ではあったけど、登場人物全員に感じたので、良かった。良かったね…。お話にモノローグや情報が少ないけど役者からちゃんとそう言う'感情'が読み取れるのでテレパス…となるのだ。そういう侘び寂びみたいなやつがめちゃくちゃ美しかった。美しかったね…。

矢崎さんの通訳で言いたくないけどどうにもならなくて結局自分の思いと重ねて伝えてばくはつさせちゃう感じとかとても好きだったし、ドラッグクイーンのような唐人口の遊女たちのしなやかさも好きだし、攘夷浪士みんな可愛かったな(急に語彙が可愛かったになるひと)。林田さんががっつり歌うのほぼ初めてみた(ごっごりーくらいかな〜)んだけど、ミュージカルじゃん!ってとてもテンション爆アゲました。ていうか当たり前のように曲が全部いいよね…映像化しないならCD欲しいなー。後ろの小さい動きとか仲間同士でコミュニケーションとってるお芝居とかスっと感情がばくはつして憤怒になったりする抜刀姿とか、好きなとこ詰め合わせでしあわせでした。

そういえば、福岡で1番美味しかったのは鈴懸屋さんの鈴のパフェでした。超美味しい。ちっちゃいグラスにアイスとちょこっとくらいかな?って思ってたのにゴロゴロフルーツが入ってて底に水ようかんが引いてあってするするのふわふわのつるつるで、アイスも濃厚でさぁ!でも、さすがは和菓子屋さんなので甘さが甘すぎない上品なので全然くどくないどころか、ひとくち食べる事に全く違った味がするからあっという間に全部食べれちゃう。パフェのメインのカリカリしたものが入ってないんだけど、上についてる鈴のモナカがまあ美味しいよね。ひとつだけなのにあとを引く香ばしさでじゅうぶんで、食べてるあいだずーっと楽しい。すごい。'パフェとラーメンは若いうちに食べておけ'が座右の銘のわたしですが(胃の問題)、このパフェは老いても食べれる。繊細さと豪胆さと歴史と新しさの挑戦で出来ている、好きなとこ詰め合わせでしあわせでした。

あと、博多べいさんのさつま揚げがめちゃくちゃ美味しかった(お料理全部美味しかった。酒も…………………)。明治座のモナカアイスも美味しいよねめちゃくちゃびっくりしちゃう。いかたまらんはイカと卵が大好きなので美味しかったです。

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