𝑷𝒓𝒊𝒏𝒄𝒆𝒔𝒔旅行記

2024年4月6日
天気：くもり
いちばん大切な人が生まれた日。

まず夜行バスを逃すところから始まる（前代未聞log）。
楽観的でなんとかなる思考の強さゆえのこの失態であったが、同じく楽観的でなんとかなる思考の強さゆえに無駄にしたかと思われた夜行バス代はすぐに自分のエンターテイメント性に昇華される。大笑いしてくれる家族に感謝である。健やかに眠りにつき、少し出遅れたこの旅行（以下 𝑷𝒓𝒊𝒏𝒄𝒆𝒔𝒔プロジェクト）のはじまりの音楽はSEVENTEENの「Lucky」だ。シャッフル再生は私のことをよく知っている。

그때에 그냥 즐겨버리면 돼
その時にただ楽しんじゃえばいいんだ

𝑷𝒓𝒊𝒏𝒄𝒆𝒔𝒔プロジェクトの発端は私がなんとなく"ゴスロリ着てみたいな"と呟いたことにある。
𝑷𝒓𝒊𝒏𝒄𝒆𝒔𝒔チングがこんなのもこんなのも似合いそうだねって気分の高揚する「かわいい」を羅列してくれた。ふと浮かんだ考えに現実味が帯びた瞬間である。生憎ゴスロリを一緒に着てくれるような、誘うことに抵抗のない友達は地元にはおらず、そのまま流れて消えて行くはずだったものが根を生やす。

一緒に着ませんかとお誘いをしたら快諾してくれて、少し勇気のいる「かわいい」をする日は、私たちの太陽が生まれた日がぴったりだ。

姫を姫たらしめるものとはなんなのか。
ロリィタをロリィタたらしめるものとはなんなのか。

結論、マインドである。難しいことはない。

川野芽生さんの『かわいいピンクの竜になる』という著書がある。一部抜粋する。

自己の理想を追求するロリィタ服は、現実への反旗だと言っていい。世界に自分を合わせるために服を着るのではなく、服を着ることによって自分の周りに物語の世界を立ち上げ、現実を歪ませる。

そこから、"そういう美学や思想を、私も目に見えるところに掲げたかった。好きな服を好きなように着ることを諦めないまま、「自分は今、自分の意思に反するメッセージを発してしまっているのではないか」と悩まないで済むようになりたかった。"と続く。

読み切るどころか2〜30ページ程度で私の全てだ、と声を上げて泣いた。「世界に投げキス」でも書いたように自分の選択が自分の意思から離れていくことにものすごく敏感だったのだ。

強くありたい気持ちに反して実際ロリィタ服のサイトを見ながら「私にはやっぱり似合わないんじゃないか」「（どちらかといえば"かっこいい"に分類されることが多いので）こんなやつが着たら笑われるんじゃないか」というような考えが浮かんだりもした。ほんとちょっとだけ泣いたりもしたし。やはりかわいいには少しの勇気がいるのだ。でも私たちは、強さを自分の手でしっかりと持つことで周りに伝播させる人を眼差している。無敵というわけである。

それとはまた別の理由から「レンタル」のゴスロリを着るのではなくヘッドドレスというドレスコードのもと自分たちのかわいいを追求しよう大作戦に。

多かったコンプレックスは形を変えてこだわりになったわけだが、多分、若干、人よりそれが多いために市販のものでは気に入らず成人式振りにミシンを踏み、ヘッドドレスはハンドメイドのものを買わせてもらった。
もう使わないかも…と思っていた、祖母に買ってもらったミシンをまた使えて、嬉しい（デカ笑顔）。

そんなこんなで𝑷𝒓𝒊𝒏𝒄𝒆𝒔𝒔チングこと真顔ちゃんと、私たちの写真撮りたいと言ってくれたりちゃんと決戦の日（?）である。

その前に少しだけ。
5-6日で行ったので、5日は私たちの太陽さんことキムミンギュがアンバサダーを務め、オープンイベントで来てくれていたイニスフリー表参道へ。
聖地巡礼などをしたことがほとんどなかったため、彼がここにいたんだなと思うのが新鮮でドキドキした。
もともと美しいものや空間に身を委ねるために出掛けることと、商品に付随する体験にお金を払うのが好きだったのでその感覚が久しぶりで楽しかった。接客をされることが怖くなってしばらく避けていたことだったから尚更。
彼がアンバサダーをしていなければ来なかった可能性の方が高いので、簡単な言葉にはなるけれど、素敵なところに連れ出してくれてありがとうと思った。なんてことない写真をとびきり嬉しいものに変えてくれたのはきみだよ。

それと、東京に住んでいたころ一番好きでよく行っていた商業施設で桜をテーマにした展示がなされていた。季節的にそれはそうなんだけれど、ミンギュさんの誕生日を想って桜の盆栽を育てたのもあり、彼自身が自分の誕生日が近づいて来たんだと気づく花でもあり、なんだかとても嬉しかった。

さて本題に入ろう（長かったなあ）。

まずは真顔ちゃんとふたりでおしゃれなカフェに行きささやかなバースデーケーキを頂く。𝑷𝒓𝒊𝒏𝒄𝒆𝒔𝒔なので朝ごはんはケーキです。
ラムネみたいな丸い塊に水がかけられておしぼりになるし、ちょっと声が小さくなっちゃうような落ち着いた雰囲気のお店で、うちらは人差し指を立てて半回転させて「ﾌﾟﾘﾝｾｽｯ ✩」。

どこに行こうかと予定を立てる段階からわんぱくさが目立ったが、うちらマジで飯に本気。またしてもおしゃれなご飯屋さんでのランチも黙々と食らう𝑷𝒓𝒊𝒏𝒄𝒆𝒔𝒔たち。ちなみにケーキからランチまでのインターバル、なし。

クロックムッシュって素手で食べるんだけど、ナイフとフォークを使うとクロックマダムって名前に変わるんだって。名前の付け方、かわいいね。

どちらもりちゃんが探してくれたお店だが不在。朝起きるのって大変だからね（労働お疲れ様だよ）。

そしてバーノンペンのLEONちゃんが会いにきてくれて一緒にセンイルカフェへ。
土曜日の原宿は人がごった返して、カフェも座るようなところではなかったからほとんど会話という会話もできなかったけれども、なんてことない日であれ特別な日であれ、知っていてくれる人がいる、ということのありがたさを想った。
集団に属すことがずっと苦手だった私にCARATという肩書きができて、人との共通点ができて、残り方や切り取られ方や大切な部分は人それぞれ違えど、いい意味で自分ひとりのものじゃなくなるんだな、自分一人だけで大切にしなくてもいいんだな、と思えたこと。
"未来で今日の話をしよう"  🤍

そろそろ読むのに疲れてきたのではないだろうか。私が書くのに疲れてきている。ぴかぴかの1日を記すのって超大変で超愛しい。

せっかく来てくれたのが申し訳なくなるくらいの速さでLEONちゃんとは解散し、ピューロランドに向かう。
やっとのことでりちゃんとも会えて嬉しい𝑷𝒓𝒊𝒏𝒄𝒆𝒔𝒔。

"わんぱく線"

多分うちらハート作るのが癖。
カタカナが平仮名に変わるとどうしてこんな愛らしくなるんでしょう。「みんぎゅ」って奇跡の字面かも。みんぎゅの"ぎゅ"は、無限大。
そしてお気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが真顔ちゃんはブループリンセス、私はピンクプリンセス。ほぼふしぎ星のふたご姫です。今回のためにそうしたのではなく生粋。（真剣）

午前中に動き回っていたのもあり、おなまえプレート作って写真撮ってパレードをチラ見しただけでヘトヘトになってしまい、本物のわんぱくたちが駆け回っているのを眺めることに。マインドと胃はわんぱくです。

地元の最寄駅から迎えに来てもらう予定だったので早めの新幹線に乗るべく帰路に着く。3人で横に並んで電車に揺られてたあの時間、かけがえないな。キラキラも大好きだけどありふれた時間の彩度って計り知れない。SEVENTEENに出逢わなければ集まらなかった3人であり住んでいる場所も遠く、この3人で見ればありふれているわけではないのだけれど。

少し時間があったから、通りがかりにあった、りちゃんおすすめのパン屋さんで買い物をしてるときに「タクシーで帰ってきて」との連絡。なんてタイミングだろうか。それならばとそのままご飯に行くことにした。

大手町駅から東京駅までの道って本当に長すぎる。もういい加減にしてくれ。ロッカーは別の駅のを使え。8cmヒールからスニーカーに履き替えてようやく正気を取り戻した私。

美味しいご飯を食べてお酒を飲んでたくさん話して、バイバイしたくなくて"またね"のあの時間が思ったより長引いてしまい、危機である。（ここでBGMが変わる）
3分しか、ない…？東京駅、デカい。今までの人生で一番早く走れたんじゃないかと思うし確かにあのとき私は風を切っていたと思う。スニーカーと書いたが踵がなくサンダルの形状のため、嘘みたいだけど乗る直前で靴吹っ飛ばした。靴吹っ飛ばしながら「すみませんこれって◯◯止まりますよね⁉️」なんて普段は聞かないこと聞いてた。てか声でか。恥ずい。もう発車しますよのベルがなってたし、てか急ぎすぎて切符改札から取るの忘れて駅員さん走ってきてくれたし。最初から最後までドタバタだった。おてんば𝑷𝒓𝒊𝒏𝒄𝒆𝒔𝒔。
あ〜〜〜〜楽しかった❗️
ミンギュちゃん、私、幸せ❗️
（豪速球end）

最後にちょっと付け加えるときってどうするんだっけ。

私がコンプレックスをこだわりという強さに変える、今の私のはじまりになった女の子に貰ったお洋服はパニエだった。着たことはなかったけど、クローゼットを開いたときにそれがあるの、心強かったんだよな。今回パニエを着たわけじゃないけどロリィタしたいと思ったのもロリィタで泣いたのも、原点に立ち戻ったような、ちょっと離れても大丈夫だって思えるみたいな。