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底辺と呼ばれる仕事だけど…

この仕事を初めてやったのは普通の有料老人ホームでした。
リーダーに「この人のオムツ交換やって」と言われたのは、そのフロアで最も気難しい方。
「この人ができれば誰でもできるようになるから」という理由でした。
先輩がやると早速「痛い!」と怒鳴る。
「本当にワガママだわ」と先輩もリーダーも文句を言ってました。
怖いなぁ…と思いつつもやらなきゃいけないので、その日からずっとその方のオムツ交換をやっていました。
ある日いつものように
「痛い思いさせてすみません」と言いながらやっていたら
「誰だって初めからできやしねぇよ。練習して上手くなればいいんだよ」と言われました。
ふと考えるとその方は私に対して一度も「痛い」と言わなかった。
そのことに気づいて、私は絶対この方のために上手くなる!と決意したのです。
気難しいと思ってた方が大好きになり、いろんな話しをするうちにとても礼儀正しい笑顔が素敵な方だとわかりました。

現在は病院で看護助手として働いています。
昨日まで元気にしてた方が急変したりするのを見て、より一層患者さんとの関わりを強くするようになりました。
今はコロナで面会もなくご家族も心配だと思うし、患者さん自身も不安だろうと思います。
だからなるべく話しを聞いたり笑わせたりして、不安に寄り添ってあげたいと思っています。

すべては最初の方のおかげだと思っています。
もう亡くなってしまったけど、私があっちの世界に行ったら一番にお礼を言いたいです。
そう思うくらい私のヘルパーとしての基礎を作っていただいた方です。

たくさんの方々と関わって、少しお手伝いさせていただいただけの私が、たくさんの方々に教えていただいたことが財産だと思っています。

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