見出し画像

安全産業に身を置く立場で。

大筋は、先日より書き進めていた記事なのですが、日本で起きたフェミサイド事件(妥当かは微妙な所だが)とも騒がれSNSでも話題なっている小田急線の事件についても思う所があり、少し書き加えました。


値段は一応設定しておきますが最後まで読んで貰ってお金を出す価値があると思えば投げ銭、そこまででもないなと思ったらスキとシェア(Twitter含む)だけでも。


「選挙に落ちたり、元警察官である話は聞いたが、今はなにやってんの?」

とTwitterに限らず私の近況を気にしてくれる方も割といるので今回はその辺に触れながら記事を書いてみたいと思います。


コンプラに抵触しない程度に色々暈しはしますが簡単に言うと「何でも屋の現場管理含む営業」をやっています。

何かをしたい人や組織に人や物は勿論、企画や運営まで含めたサービスを提供し、お金を貰う、全国規模とまで行きませんが、コロナ不況にも関わらず事業展開中…そんな会社に務める33歳です。

勿論、人が足りなければ現場の実務にも向かいますし、慣れない仕事も色々な発見があって面白いです。


そんな中でそこそこ資格を持っている事もあり、私本人としても何かと縁が深いのが『警備』部門です。まずは「警察」や「他の一般的な職業」との違い等を中心に書いておきたいと思います。

仕事自体が多岐に渡るのもありますが『警備』『警備員』と言う言葉に対して持つイメージと言うのは良くも悪くも本当に人それぞれです。接する機会がある方はそのイメージに引っ張られ易いでしょう。

ただ、雇う側でも無い限り、車を運転する方ならヒヤリとする場面をサポートしてくれたと言うケース、施設内でなら大きなトラブルの解消をしてくれたと言うケース、そうした直接的なイメージアップ要因が無い限り「どうでも良い事で待たせやがって、鬱陶しいんだよ」位に思う方が多いのは仕方がない事だと思います。

それもその筈、一般の方からは「警察官と似たような役割を求められる事が多い」のに「警察官が持つ様な特別な権限は持たず、それどころか一般人よりもやってはいけない事が多い」立ち位置なのです。


教える側の資格として『指導教育責任者』と言う物がありますが、この資格を取る際、一番私の印象に残ったのは「警察と言うよりも国が『もし経営者と講師がグルで警備会社に偽装したテロ組織を作ったらどれだけの脅威となるか』を念頭に考え、それを防ぐ為に様々な法律を作りや監査を含めた運用をしているか」を肌で感じられた事でした。


現在、日本に警備員の人数は50万人前後…先日も、上階の女子大生を殺害した者や、勤務先の工場に放火した者など、正直何を考えているんだ…としか言い様の無い人間を出しはしましたが、流石に警備会社組織ぐるみでのテロ事件と言うのは今の所、耳にしておりません(警備業法制定前においてはそれに近い組織が沢山あったそうですが)。

簡単に言うと、警備員個人には勿論、警備会社(経営者)にも、講師(指導教育責任者)にも、それぞれの警備員が行った事に対する責任を負わせる事で成り立っている業界なのです。

勿論、故意の犯罪や重大過失などをし無ければどうという事も無いのですが『知らなかった』が通用しない様に『教えました』『教わりました』をそれぞれの責任や義務とする辺りに強い意志を感じますね。

よってバイトやパートでも構いませんが『社員教育は自社の責任において行う』と言う観点から警備員には『派遣社員』と言う扱いは認められていません。

色々と細かい制限があり他の職種以上に配員には気を使う必要があります。

もっとも、こうした社会的な責任と義務を取り交わす事が発行条件になる資格(防火管理等)と言うのは警備に限らず色々とある訳ですし、そもそも警備以外の組織や会社についても準じた監査などをするべきではないのだろうかとオウム事件などを見る限り思うわけですが。


武器…と呼ばず護身具、防具と呼ぶのが正しいですが、それらに関しても警備員の装備については厳しい規制が存在しますし、基本的には警備員だから取り扱う事が許可されると言った様な物は存在しません。

簡単に言うと『素手を含む銃刀法に違反していないレベルの相手』をフル装備であればギリギリ制圧出来るだけの装備が警備員には許可されており、逆に警察官の装備であれば、容易くフル装備の警備員を制圧出来る様な均衡を保つ事を意識して警備員を取り巻く各種法律は作られていると言っても良いでしょう。

具体的に挙げるなら『警察官の持つ警棒』を『警備員が持つ事の出来る規制内の警戒棒』で受けようとすると十中八九『叩き落とされる』もしくは『壊れます』そうしたサイズや重さの縛りがあるのです。


オリンピックの開催などに伴い『現行の厳しい基準に対し緩和し、警備員の装備を強化すべきではないか』と言う案も出ましたが、結局は見送られました。

今後もそうした議論が繰り返されるとは思いますが、私個人としては人員や訓練費用含めた予算や装備品が充実する事こそ好ましく思いつつも、制圧力を著しく引き上げる様な…いわゆる武器使用を容認し、警察とのバランスを無視した強化は良くないなとも思います。

その上で今回の事件についての考察をしますが、『狭い電車内で刃渡り20cmの牛刀を振り回す男を制圧しろ』なんて言ったら我々警備員でもフル装備でギリギリ、私服で乗り合わせただけなら全力で逃げたい様な状況です。

監視カメラは多くの車両に設置されるようになりましたが、コロナで車両内の密を避ける事も兼ねられますし「乗車率を座席の1.5倍程度に制限した上、各列車にはフル装備の警備員、もしくは警察官を2名配置」する位と治安への投資とその為の社会整備を行うべきだと考えます。

そして警察官ならまだしも、警備員であるなら体力など資質も一定以上の人間を配置する必要がありますし、それだけの人材を呼び集め訓練をするだけの予算を鉄道会社に限らず社会が許容できるかに関わってきます。

警備もサービス業、少子高齢化の影響をモロに受けているのです。

組織的な犯罪が多発するようになればそれでも足りなくなる訳ですが、守るべき物は何かが、今まさに問われているのではないでしょうか?


次の話はコチラ↓



ここから先は

0字

¥ 500

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?