透明な刃の話
水面に煌めく涙
全部捧げられると信じて疑わなかった
なんにも要らないと思っていた
今なら、全部全部欲しいから
だからわたしは遠くに行くことにした。
走ってでも、飛んででも
綺麗でいたかった
緩やかに流れる水の中を
揺蕩う海月でいたかった
是がどんなにどこまで非でも
わたしは決めた
でもそれでも最後まで
願わずにはいられないのは
やっぱり共犯になって欲しかった。
まだ間に合うかな。
泣き喚くことも
黒く塗りつぶすことも
深い緑色
堕ちれば黒だね
終
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