中学受験のすすめ
中学受験にチャレンジするご家庭、興味のあるご家庭、様々あるでしょうが、実際に中学受験した&塾講師経験者の私の考えたことや体感して思ったことがなにか参考になればいいなと思い書こうと思いました。note不慣れですが、大目に見てやってください。
自己紹介
かなりぼかしながら経歴を紹介します。小三から塾に通い、本格的に勉強し始めたのは小四からです。結果としては受けたところは全部合格しました。(内、最難関と言われるところは二校合格)
受かった後は内部進学で高校、大学は理系で国立です。小学校は訳あって私立でした。(地元の治安が悪すぎたので)
①中学受験のメリット
中学受験のメリットデメリットは多々ありますが、メリットから触れていければなと思います。
まず私が思ったことは、小学校での履修内容+αを徹底的に勉強できるということがそもそもメリットだということです。小学校で習う公民の内容をきっちり抑えておけば、社会に出たってそう恥ずかしい思いをすることはないでしょう。
実際にクイズ番組で小学校で習う内容を答えられない大人の多さからしても、小学校で習うことって本当は多岐にわたる上に難しいです。それらをきっちり学び身につけることは、大人になる上で恥ずかしくない最低限以上の考え方や知識を身につけることが出来るということだと思って頂いて結構だと思います。そういう大事な勉強を受験というゴールを置いた上でみっちり勉強する時間は貴重ですし、私はこの点を持ってして中学受験をして良かったなと改めて思いました。
もう一つのメリットは、人生初の受験が高校受験にならないということです。
昨今の受験形態の多様化から、推薦ばかりで大学までというようなルートもありますが、なんやかんや言って資格のテストや英語能力のテスト等は受けないといけません。そんな自らを左右するテストへの度胸がつくのが経験してよかったと思えるポイントの内の一つです。
中学受験の良いところは落ちたとしても公立という受け皿があるところです。なので、失敗しても大丈夫なわけですが、高校受験はそうは行きません。となると、失敗しても大丈夫という時期に、自分の人生を決める大きなテストに努力した上でチャレンジするという経験を踏んでおくことができるのは中学受験の時だけとなります。
この二つは大きなメリットだなとやはり思います。
②中学受験のデメリット
デメリットとしては、まず金銭的な負担が大きいところです。関東御三家を目指すような塾は費用がかかります。夏期講習や冬期講習を含めると余計にその費用は増えていきます。なので「その費用を中学受験に注ぎ込んで得られるものはあるか?また、失ったものはないのか?」という観点は親御さんは常に持ってらっしゃった方がいいと思います。中学受験のために使ったお金で、家族で海外旅行に行っていた方が良かったということもあるでしょう。
実際、私は母を早くに亡くしましたが、母が行きたいと思っていた所に一緒に行っておけば良かった、あの時勉強を優先せず、母と一緒に居れば・・・と思うことは尽きません。そういう後悔は出来るだけ無い方が幸せだと思いますし、改めて中学受験をするかどうか家族でしっかり考えた方が良いと思います。
また、もう一つデメリットをあげるとすれば、シンプルに他の習い事等の両立が無理になるということです。
小六になると、基本的に週四で塾の授業をやって土日に公開テストみたいなスケジュールになります。そんなスケジュールで他の習い事もしていたら子供が疲弊します。本当に身体が持ちません。なので、勉強か他の習い事か、その子にとって何が最良か、と考えることが大事になるかなと思います。
③塾選びのススメ
中学受験における一番大切なことは、相性の良い塾選びになると思います。実際、相性が良ければ勉強の楽しさに気付く機会に恵まれるでしょうし、相性が悪ければ勉強が嫌になることもあるでしょう。もちろん、塾と相性はいいけど先生との相性が・・・ということもあるでしょうし、細かく言い始めたらキリがありません。
ですが、細かいことは抜きにして一旦塾を選ばないことには始まりません。そこで必要なことは受験の狙いを絞ることだと思います。
そもそもですが、偏差値70オーバーの学校なんか基本的に「勉強したって厳しい」です。だから難しいんです。そう簡単にいきません。その塾でいちばん賢い子だって落ちます。公開テスト100点とっても落ちる時は落ちます。そういうところが最難関です。
そして、別に最難関の学校だからいい学校かと言われるとそれは別問題です。学校との相性もあるでしょうし、学歴に箔は付くかもしれませんが、結局不登校になったりしたら元も子もありません。
だからこそ、「最難関の学校に〇〇名合格!」というような塾にとりあえず入れようというのはやめましょう。まずはその子にあった学校選びや人生設計を概ね考えてから塾選びをすることをオススメします。そして、ここで大事なのが子供の希望が親の希望になってないか、という疑問を持ち続けることです。
子供は親の顔色をみます。親の顔色を見て、親が言って欲しいことを言います。だって、親が好きだから。そして、子供の世界は狭いです。まだまだ世の中のことを何も知りません。だから、子供の言う将来の夢はコロコロ変わるでしょうし、将来そのものが曖昧です。
父親が開業医で息子を医者にしたいお母さんを目の前にすると「医者になりたい」と言うけれど、塾講師である私と二人きりになった時に「実は医者には興味無いんだ」と言うような子も過去にいました。子供が親に見せる面と先生に見せる面は違います。
なので、子供に関係する色んな人から話を聞いたりですとか、子供の本音に向き合いながら、「何故、中学受験をするのか」という目的を明確化した後に塾を選ぶべきだと思います。
④中学受験での親のサポート
まず、基本的に勉強したところで一朝一夕に成績が上がるなんてことは無いです。コツコツ積み重ねた上で初めて成績が上がります。だからこそ、中学受験の子を持つ親のサポートとして1番必要なのは、根気強く長い目で静かに見守るということだと思います。
具体的に言うなら、まず成績が多少落ちたくらいでビクともしないことです。本番で受かればいいんだから、間違い直しをきっちりやって、なんでこの点になったか一緒に考えようと言ってくれる親がおそらく子供目線だとありがたいと思います。現に私の親はそうでした。
何が出来ていないか、何がわかってないかを、明確にするためにテストをやるんです。そのテストの成績で親が右往左往してたら元も子もありません。テストの結果が出たら、やるべきことは間違い直しだけです。間違い直しでも分からなかったら、塾の先生に投げればいいんです。親が教えないといけないなんてことはありません。親がやるべきは、勉強のモチベーションを上げてあげること、そして子供が楽しく過ごせるようにしてあげること、大きくこの二点だけだとやはり思います。
やっぱり、勉強そのものを教えると言ったサポートをして得られる結果よりも、塾での勉強が楽しくなるようにサポートしてあげるのが一番だと思います。
⑤私の中学受験戦記
ここからは、私が中学受験した際に思っていたことを当事者目線で書きたいなと思います。私と似たような思いをしている子も居るんじゃないでしょうか?また、私とは全然違う子もいると思います。なにかの参考になれば有難いです。
そもそも、私は理系がいいなと大雑把に思ってました。なんとなくカッコイイし、白衣カッコイイし、とまぁそんな調子です。幸いなことに理科は得意でしたが、算数は苦手でした。また、通ってた塾は最難関にバンバカ子供を送り出すような塾でした。そして、私の通ってた小学校はそんな塾に通ってる子が大半でした。
そんな状況で私は基本的に塾に遊びに行くくらいの気持ちで通ってました。塾には友達いるし、授業中の先生面白いし、と言った具合です。その上、遊びのテンションの延長線で勉強してました。
というのも、テストの点数で競い合うのが遊びの勝った負けたと同じようなものだったからです。要は、私は「うぇーいお前に3点勝ったー!」とか言っていたクソガキでした。
そんなこんなで、小学校でも塾でも、負けず嫌いで根が真面目なところが結果的に勉強に出てたのが私だったんだろうな、と思います。根が真面目なので、宿題は全部やるし、テスト直しも全部やるし、と言った具合に課題だけは絶対にきっちりやっていました。そして、親に「宿題しなさい」と言われたこともありませんでした。なぜなら、親に言われるよりも先にやっていたからです。
この時点でおそらく勉強に向いてる子供だったんだろうな、と思います。そして、当時の私にとって宿題をやるのは、ジャンケンの前に気合い入れるのと同じで、「次はあいつよりも良い点とってやる!」というようなテンションで取りくむものだったので、そもそも苦じゃなかったというのもあります。
ただ、周囲にはめちゃくちゃ勉強のできる子達が多く、「このテストでこんな点数だなんてダメだ」と思うことも多かったです。そして、それが「こんな自分は恥ずかしい」という気持ちにも繋がっていました。おかげで十円ハゲを拵えたこともあります。それくらい、気付かぬ間にストレスフルだったんだろうと思います。
振り返ると、順位と点数という明確な数字で競走の結果が示されるのが月一、下手すれば週一で訪れるわけで、それに勝ちたいと毎度真剣に思っていれば、それは当然ストレスフルな状況になります。だからこそ、親の優しい言葉が何よりも支えになったと思います。
塾の後は「今日は楽しかった?」「今日の授業は何を習ってきたの?」「〇〇先生、今日も面白かった?」などと、明るい話題を提供してくれていたのは、親の気遣いだったんだなと振り返って思います。また、食事時や朝には子供の私にとって嫌な話題は振らず、お風呂の後や寝る直前にテストの成績とか志望校選びとか怒られて当然のこととかを振ってくれてたのは有難かったと切に思います。
そんなこんなで小六受験本格期に無事妙な反抗期を迎えた私は、嫌いな女の子の同級生と絶対に同じ学校に通いたくない(嫌がらせされてたので)から受験する!絶対あいつが受からん学校受けてやるぜ!と第一志望校を決めました。そして、相変わらず放課後の遊びの延長線で塾に行き、授業で先生にイジられつつ、あの女ほんとムカつくぜ!!絶対に見返して、私に嫌がらせするしょーもないお前が着れねぇ白衣着るぜ!カッコイイ白衣きてカッコイイデキる奴になってやるもんな!とムカムカを勉強で昇華させつつすごしました。
そして気づいたら、算数が寧ろ得意になってました。そして受かってました。やったね!!!
とまぁこんな具合でした。
長々と書きましたが、やっぱり中学受験で大事だと思うのは、塾や学校での勉強が楽しいと思えるか、そして頑張る理由があるかどうかだと思います。
勉強が楽しいと思えれば、勉強への抵抗はなくなりますし、頑張る理由ができて頑張ることが出来たら、別の何かを頑張ることが出来ます。この経験が今思えば本当に貴重だったなと思いますし、こんな経験をさせてくれた両親に頭が上がりません。
⑥最後に
中学受験の結果がなんであれ、中学受験という経験を良い糧にするために必要なのは親の子供への適切な関わり方だと思います。そしてそれは、親と子のコミュニケーションの濃度が土台となって生まれるものだと思います。
親と子で将来や社会や勉強といった色んなことを話すと言った時間は、きっとそんなに長く持てません。だからこそ、中学受験を良い機会とし、親と子のコミュニケーションをしっかりと取ることをオススメします。
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