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【読書記録】2023年7月30日〜8月5日

 みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
 人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。

 いやぁ、それにしても暑い。
 もう、いい飽きたけど暑い。
 言っても涼しくならないことはわかっているけど、とにかく暑い。
 さすがにこれだけ暑いと、夏大好きの私も冷房のスイッチを入れます。
…で今度は、寒い!
 電車の中もファミレスもとにかく寒い。
 挙げ句の果てにこの温度差に身体がついていかず頭痛はするし、おかげで読書にも集中できず…。
 ♬はーやく来い来い、読書の秋♬

 さぁ、今週出会った本たちを、夏の暑さにも、エアコンの冷風にも負けずご紹介します。

【2023年7月30日〜8月5日に出会った本たち】

⚪️金木犀とメテオラ

著者 安壇美緒

【内容紹介】
 12歳の春。東京出身の宮田佳乃は、家庭の事情で北海道にある中高一貫の女子校に入学する。しかし、秀才でプライドが高い彼女には、受け入れ難い進路だった。一方、地元出身の奥沢叶も、新入生総代に選ばれるほどの優等生。パッと目を引く美少女で誰もが羨む存在だが、周囲には知られたくない“秘密”があり…。思春期の焦燥や嫉妬、葛藤をふたりの視点で描く、青春長編。スピンオフ短編も収録。

裏表紙より

【感想】
 北海道の南斗市に新設された中高一貫の女子校が舞台の青春小説。
 主人公は東京出身で頭脳明晰、ピアノの腕も抜群の宮田。そして地元出身で容姿端麗、成績では宮田とトップを争う奥沢。
 この二人を中心に、12歳、そして17歳の彼女たちのイライラ、モヤモヤ、そして心の成長を描いた物語です。
 私も学生時代はずっと寮生活だったので、そういう意味からも懐かしさを感じました。夢と希望と友達そして失敗と挫折。青春って多分こんな成分でできている。
 主人公二人だけではなく、ごく普通の子として登場する文庫書き下ろし短編の主人公・森の存在に心惹かれます。

⚪️100万回生きたきみ

著者 七月隆文

【内容紹介】
 美桜は100万回生きている。さまざまな人生を繰り返し、今は日本の女子高生。終わらぬ命に心が枯れ、何もかもがどうでもよくなっていた。あの日、学校の屋上から身を投げ、同級生の光太に救われた瞬間までは…。「きみに生きててほしいんだ」そう笑った光太に美桜はなぜか強烈に惹かれ、ふたりは恋人に。だがそれは偶然ではない。遥かな時を超え、再び出逢えた運命だったー。100万の命で貫いた一途な恋の物語。

裏表紙より

【感想】
 主人公は「もう100万回生きたから」と生きる気力をなくした美桜と、「自分は勇者だ」と語る公太。
 こんなちょっと変わった高校生の、もどかしい純愛ラブコメストーリーかと思いきや、読み始めて40ページくらいで、あっという間にクライマックス的な展開に?!
 気がつけばケルト神話の時代から女神の呪いによって輪廻転生を繰り返すというSFファンタジー。
 現代パートで登場する幼馴染のハルカの存在が切ない。
 個人的にはもっと様々な時代や国の歴史的な転換点に絡んでほしかった気もするけど、最後がハッピーエンドでホッとしました。
 そういえば、〝100万回生きた猫〟って読んだことないかも。

⚪️白夜行

著者 東野圭吾

【内容紹介】
 1973年、大阪の廃墟ビルで一人の質屋が殺された。容疑者は次々に浮かぶが、結局、事件は迷宮入りする。被害者の息子・桐原亮司と、「容疑者」の娘・西本雪穂ー暗い眼をした少年と、並外れて美しい少女は、その後、全く別々の道を歩んで行く。二人の周囲に見え隠れする、幾つもの恐るべき犯罪。だが、何も「証拠」はない。そして十九年…。息詰まる精緻な構成と、叙事詩的スケール。心を失った人間の悲劇を描く、傑作ミステリー長篇。

裏表紙より

【感想】
 夏の文庫フェアのひと区切りとして手に取ってみました。
 ざっくり言ってしまうと「悪女小説」かな?
 読了後の第一印象は「淡々とした物語」でした。なぜそんな感想を持ったのか考えてみれば、多分主人公の桐原亮司と、西本雪穂の気持ちがほとんど描かれないからかもしれません。ただまったく描かれないかといえばそうではなくて、その描かれない部分はそれぞれの事件やそれに関わった人々の言動から察することはできるようになっています。そこがこの小説が他のミステリー小説と異なる点でしょうか。
 物語の中に登場するデータレコーダーやインベーダーゲーム、PC88などのアイテムが懐かしい。

⚪️復讐の血

著者 相場英雄

【内容紹介】
 新宿歌舞伎町の外れで、金融ヤクザが金髪男にメッタ刺しにされた。被害者の財布に残された、手書きで綴られた数字のメモ。総理事務秘書官と警視庁捜査一課刑事が事件を追う。ゴールデン街の名物ママの死、金融庁審議官の沖縄宮古島での失踪、日本を地獄に落とす株価瞬間暴落、幾重にも張られた罠…。凍りついた目をもつ男の真の目的とは。戦慄と衝撃のラスト!

裏表紙より

【感想】
 金融ヤクザの刺殺事件、有名クラブのママの自殺、そして金融庁官僚の失踪から始まる物語は日本、いや世界を揺るがす大事件へ!
 タイトルにある「復讐」とは誰が誰に対して行うのか。キーワードは「棄民」。
 金融関係には明るくないので詳しく説明・描写されてもイマイチピンと来ないのだけれど、一滴の血も流さず、ボタンひとつで一瞬にして世界がひっくり返る金融テロ。もしも明日こんなことが起きたらいったい我々の生活はどうなっちゃうんだろう。
 犯人の動機、そして思いと願いはとても切なく、最後の行動にはグッときました。
 本当に悪いのはやっぱり…。

⚪️「こうあるべき」をやめなさい

著者 和田秀樹

【内容紹介】
 自分を不幸にする「思考パターン」を断ち切る、新しい9つの考え方。がんばりすぎて疲れてしまう人、いつも強いストレスを抱えている人はたいてい「こうあるべき」という思考にとらわれています。人は性格を変えられなくても、考え方を変えたら幸せになれます。上手な「負け方」を知っている人がいちばん強い!

honto「商品説明」より

【感想】
 生き難さの原因となる思考パターンを
 ①こうあるべき思考、
 ②真実は一つ思考、
 ③前例踏襲思考、
 ④みんなにどう思われるか思考、
 ⑤今やらなきゃ思考、
 ⑥完全主義思考、
 ⑦そうだったのか思考、
 ⑧そうだそうだ思考、
 ⑨過去がどうか思考
の九つに分類し、それぞれどうベクトルを変えていけば幸せになれるかについて解説している本。
 自分は九つのうち半分くらい心当たりがあって、それだけでなんだか鬱になりそう。
 要は「ゆったり、余裕を持とう」ということなのだろうけど、これまでの積み重ねがあるので急に思考パターンを変えることは難しい。だから時々読み返してその時の自分を確認してみるのもいいかも。

⚪️サルが食いかけでエサを捨てる理由(わけ)

著者 野村潤一郎

【内容紹介】
 なぜこの世に犬と猫がいるの?クモはカニの味がする?人間とモグラは祖先が同じ?生命には意味があり、すべてはつながっている。驚きながら読むうちに、生き物と人間が見えてくる。

裏表紙より

【感想】
 獣医師の著者が動物の進化や多様性について、ご本人の知見も含め(多少乱暴な表現はあるものの)わかりやすく解説している本。
 のっけから「地球にはなぜこんなにたくさんの生き物がいるのか?…それは必要だから」。確かにこれ以上シンプルで的を射た答えもない。とにかく自然界には何一つ無駄なものはない。もしかして自然界にとって一番ムダな存在なのは人間なのかも。
 猫と犬の特徴について、猫は狩猟のための究極の肉体構造を持ち単独で狩りをするのに対して、犬は猫に比べて脳が発達していて、全体を把握する能力や相手の気持を思いやる心があるので集団での狩りが得意とのこと。なるほど。猫と犬の構造的・機能的な違いを乗用車とレーシングカーに例えているところが斬新。
 読んだ人はわかると思うけど、p.62の「人間と雑種ができる動物はいるのか」の項目で出てくる、病院やペットショップの話はちょっと青少年向けではない気がします。確かにそうかもしれないけれども。

【まとまらないまとめ】

 いかがでしたか?
 今週は、やっとというか、とうとうというか、いよいよというか、名作と名高い東野圭吾さんの〝白夜行〟を手に取りました。
 いやぁ、それにしてもとにかく分厚い。なにせ864ページ!
 私の本棚にある文庫本の中で、たぶん一番分厚い本です。
 この厚さだけで二の足を踏む人もいるのではないかと…。
 調べてみたら単行本でも512ページ。文庫化したとき、なんで上下二分冊にしなかったんだろう。そもそも単行本一冊を二分冊にする基準ってなんだろう。それを考えると夜も眠れませんね。
 そうだ!
 今度「私の本棚の分厚い本ベスト5」とか調べてみようかな。

最後に、
 読書っていいよね。


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