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【本の紹介】超能力小説(ド派手編)

 みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
 人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。

 先日「青春時代×超能力」という記事をアップしましたが、超能力の醍醐味はやっぱりバトル!
 と言うことで、今回はド派手にいきます。

【超能力小説(ド派手編】

●まずはジャブ!

増山超能力師事務所
著者 誉田哲也
【内容紹介】
 日暮里駅から徒歩10分。ちょっとレトロな雑居ビルの2階にある増山超能力師事務所ー。所長の増山率いる、見た目も能力も凸凹な所員たちは、浮気調査や人探しなど、依頼人の悩み解決に今日も奔走。超能力が使えても、そこは人の子。異端の苦悩や葛藤を時にユーモラスに時にビターに描く人気シリーズ第1弾。
裏表紙より

【感想】
 本格超能力バトルの前に、「もし超能力が当たり前に日常に存在したら」という話から。
 一応設定は現代。超能力者たちは自ら団体を組織し、超能力者たちを管理、育成職場の開拓を行う事で、自分たちの居場所を確保しようとする。
 なんといっても面白いのは、超能力を公に使うためには試験があって、それに合格すると正式に〝超能力師〟として認められ、試験に合格できない超能力者が「無能力者」なんて言われているという。おまけになぜ「士」ではなくて「師」なのかなんてことまで書かれています。
 調べてみるとこの物語、2017年にココリコの田中直樹さん主演でドラマ化されてました。個人的にはアニメ・パトレイバーの後藤隊長で脳内再生されてました。

 この巻は世界設定とメインの登場人物たちの紹介的な感じで、この後続編の〝増山超能力師大戦争〟が刊行されていますので、そちらも是非。

◎心に残ったセリフ

「人の心ってもんは、読んだり覗いたりするもんじゃねぇ、察するもんだ」
本文より

●続いてフック!

七瀬ふたたび
著者 筒井康隆
【内容紹介】
 生れながらに人の心を読むことができる超能力者、美しきテレパス火田七瀬は、人に超能力者だと悟られるのを恐れて、お手伝いの仕事をやめ、旅に出る。その夜汽車の中で、生れてはじめて、同じテレパシーの能力を持った子供ノリオと出会う。その後、次々と異なる超能力の持主とめぐり会った七瀬は、彼らと共に、超能力者を抹殺しようとたくらむ暗黒組織と、血みどろの死闘を展開する。
裏表紙より

【感想】
 なぜ「ふたたび」なのかというと、この物語は相手の心を読む能力者・火田七瀬が主人公の〝家族八景〟の続編だから。ちなみに3作目もあって、こちらはさすがに「七瀬みたび」ではなくて〝エディプスの恋人〟と言うタイトルです。

 前作〝家族八景〟では、七瀬以外に超能力者は登場しませんでしたが、今回は七瀬と同じテレパスのノリオ、未来予知の能力を持つ岩淵、時間移動する藤子、念力を使うヘンリー、透視能力の西尾などが登場します。
 能力者同士の出会いやいざこざがあって、最終的には能力者を抹殺しようとする謎の組織とたたかうことになります。
 1970年代の物語なので、登場する小道具はさすがに古めかしいですが、それ以外は全く古さを感じない物語です。
 未来予知能力者の岩淵がとにかく切ない。

●そしてアッパー!!

魔法使いの弟子たち 上・下
著者 井上夢人

【内容紹介】(上)
 山梨県内で発生した致死率百パーセント近い新興感染症。週刊誌記者の仲屋京介は取材中に感染してしまう。感染者は400名近くに膨れ上がり、死者も続出。結果、“竜脳炎”感染者で、意識が戻ったのは京介を含めた三名だけだった。隔離生活を続けるうち、三人は不思議な「後遺症」を身につけていることに気づく。
裏表紙より

【感想】
 いわゆるパンデミック小説かと思いきや、その伝染病から生還した三人(実は四人)がそれぞれ信じられない超能力を手に入れるというSF小説。上巻では三人それぞれが能力に目覚め、徐々にその能力を使いこなせるようになっていく(一人はまだ能力がはっきりしないが)過程が細かく描かれています。
 自分たちの能力に危うさを感じる3人でしたが、世の中は彼らを放っておいてくれず、最終的にはテレビに出演し…。
 その後、ある事件がキッカケで警察から追われることになった3人。能力はどんどん覚醒し誰も手を出せない状況に…。とにかく後半はアクションシーンてんこ盛りです。

 この物語、こういう話にはありがちなマスコミの暴走とか、マッドサイエンティストみたいな医者は登場せず、その代わりと言ってはなんですが、警察権力がひどい。
…でも自分が当たり前だと思って疑わなかった常識が覆された時、人は恐怖を覚え思わぬ方向に暴走するのだと恐ろしくもな離ました。それが絶大なる権力を有する組織なら尚更。
 ぜひアニメ化してほしい作品ですが、超能力発現のキッカケが「謎の感染症」なので、今すぐは無理かも。

●キメはストレート!!!

ストレイヤーズ・.クロニクル ACT.1〜3
著者 本多孝好
【内容紹介】(ACT.1)
 瞬時に移動できる超人的運動能力、普通の人には聞こえない小さな音まで聞き分ける鋭敏な聴覚、決して忘却しない驚異的な視覚記憶力ー常人とはかけ離れた特殊能力を持つ4人は仲間の亘を人質に取られ、老獪な政治家・渡瀬浩一郎のために裏の仕事をしている。そんな彼らに、世間を賑わしている残虐な殺人集団“アゲハ”の追跡が命じられる。“アゲハ”とは何者なのか。今、壮絶な戦いが幕を開けるー。
裏表紙より

【感想】
 まず、見出し画像に貼ってある写真、かっこよくないですか!?
 これだけで私のハートは鷲掴みでした。

 他作品とこの物語の決定的な違いは、能力が自然に獲得されたものではなくて、人員的に生み出されたと言う点にあります。そしてその愚かな行為による代償は大きく…。

 超神速、超聴覚、超記憶などの特殊能力を持つ4人の若者は、ある政治家の影の仕事を請け負っています。
 ACT.1は、ある政治家の家出娘を探す依頼を受けた4人は、同じく超能力を操り悪事に手を染めた権力者の罪を暴き粛清する集団「アゲハ」と遭遇。いわゆるガチのサイキックバトルの開幕です。
 ACT.2では、チームスバルvsチームアゲハの異能力者同士の直接対決が一番の読みどころです。
 次々と明かされるアゲハメンバーの能力に大興奮。まさか超聴覚に対抗する最適な能力がアゲハメンバー中一番非力な碧の能力とは。
 何はともあれこの巻は異能力者グループ二つに加え、トラブルコンサルタントや自衛隊上がりのセキュリティ会社まで登場し、人物が多いうえに途中裏切りというか、陰謀が絡んで敵と味方が交錯します。
 ACT.3(最終巻)の最終決戦では能力者たちが次々と傷つき倒れていきますが、特にモモとシズカの最後が切なすぎて、読むのが辛くなりました。
 できればチームスバルとチームアゲハが共闘して、真の黒幕をぶっ飛ばして、天寿を全うしてほしかったです。

 この物語は、監督:瀬々敬久さん、出演:岡田将生さん・染谷将太さんで2015年に映画化されています。
映画:ストレイヤーズ・クロニクル ホームページ

【まとまらないまとめ】

 いかがでしたか?
 2回に分けて「超能力」がテーマの物語を9作品紹介しました。

 どの物語も、特別で強烈な個性を持ってしまったがために、いわゆる普通の社会に馴染むことができずに苦悩する主人公たち、この登場人物たちを障害者やLGBTQの人たちに置き換えてみると、より身近で奥深い物語に感じられるかもしれません。

 もしかしたらもっと素敵な、面白い超能力小説がたくさんあるかもしれませんが、今回は今まで読んだ超能力小説の中で、SFやファンタジー色が控えめで、現代が舞台、もしかしたら本当にあるかもしれない物語を集めてみました。
 そういえばこの記事を書いていて思い出しました。
 〝幻魔大戦〟読んでないや。

 このほかにも、おすすめがあったら、是非教えてください。

最期に
読書っていいよね。


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