ぬこぬこネットワーク妄想
ああ、俺は十分生きたよ。
だから、な。
泣くんじゃねえよ。
きたねえから。
分かってただろ?
俺の方が短命なことなんて。
だからな、泣くんじゃねえよ。
みっともねえ。
もう、本当に最期みたいだ。
光が音が遠ざかる。
温もりだけが感触だけが。
生きていることを感じさせる。
だけど、感覚すら曖昧になってきやがった。
多分このまま。
この体は。
抜け殻になる。
さよなら。
お別れだ。
ばいばい。
またな。
虹の橋ってのは人間が考えた。
三途の川とは違うらしい。
まあ、死後のことなんて誰も知らない。
生きていないんだから。
何にしたって体はない。
器は冷たく横たわるだけ。
涙と鼻水に汚れてきったねーの。
自慢の毛皮、ボロボロだなあ。
体から離れてから感覚はない。
苦しみもない。
だから泣くなよ。
泣くなってば。
それから、体は運ばれて。
自慢の毛皮は無に帰した。
まだ人間は泣いているが。
そろそろ、行かなきゃだ。
またな。
運が良けりゃ
直ぐに
会える
だから、
俺は
寂しく
ない
……はい。
こちらぬこぬこネットワーク。
その願い
承りました。
猫を亡くした後、何故か猫にまとわりつかれる。
その子はきっと、生まれる前からあなたを探していた。
そして、秘密組織の暗躍によって、新しい毛皮を纏って現れたのです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?