キャットショート
暑さからくる喉の渇きに耐えられなくて飲み物を買い、コンビニを出た。足元に猫が居た。
猫は、必死に前脚を人の靴の上に乗せて鳴いている。
やめろ、可愛い。
その日は、なんとか振り払って帰った。
しかし、どうにも気になって次の日もコンビニに行ってしまった。
また、猫に待ち伏せされ、今度は靴と脚の隙間に小さな前足を入れてきた。
よせよ、可愛い。
そのまた次の日、ポイントで引き換え出来る商品に猫のおやつを見つけた。
駄目だ、野良に餌付けはしては駄目だ。
そうだ、野良に餌付けしてはいけない。
たとえどんなに可愛くても、責任を持てないなら野良に餌付けしてはいけない。
休みの日に、ホームセンターに行った。
嵩張る荷物は家に置き、小腹が空いたのでコンビニに向かう。
相変わらず出待ちをしている野良猫は、すり寄ってきたタイミングで脚の間に挟んで捕獲。
それから、キャリーに突っ込み獣医に向かった。
幸い、猫に目立った問題は無く、そのままうちに連れていく。
そして、コンビニのポイントと引き換えた猫おやつを与えて好感度を上げておいた。
フフフ、夢中で食べておる食べておる。
だが、次からはホムセンで買った安いカリカリだからな!
こうして、コンビニで待ち伏せしていた猫との生活が始まった。
良く、猫はそっけないなんて言われるけど、相変わらず脚に纏わりついてくる。
鍛えて転びにくい体を作り上げるから、幾らでも来い。
毛が付いてもコロコロをコロコロすれば良いだけだしな。
今日もコンビニで、溜まったポイントをおやつと交換する。
おやつはそんなにあげるものじゃないけど、だからこそ「溜まったポイント分で交換できるだけあげる」縛りを設ければあげ過ぎることはない。
健康的なカリカリとたまにウェット。
アピールしてうちに来たなら長生きしろよ?
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