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苦手な人と会話を進める7つのポイント


自分が、「わーこの人苦手だな……」という人と会話しなくてはいけない場合、非常に苦痛ですよね。
相手をコントロールできず会話がスムーズにいかないとなると、さらに苦痛を感じると思います。

コントロールできない状況で、会話をスムーズに進めることができるのか、ということについて、ポートランド州立大学のピーター・ボゴシアン博士が興味深い研究結果を出されています。

その研究は、オレゴン州の刑務所に収監されている人や、宗教の強硬派の人など、普通に会話をすることがなかなか難しい人たちと、いかに上手に会話を進めることができるか、という内容です。

これすごくないですか。そういう方々と会話を弾ませる。身の危険もありますからね。ただ、そういった方とでも、今からお伝えする『7つのポイント』に気をつけていればスムーズに会話ができますよ、と博士が発表しました。やわらかい交渉術とも言われている7つのポイントです。
 

やわらかい交渉術ー7つのポイントー

1、「会話の目的を決める」

ゴールを決めるということですね。ただ雑談をするだけではなく、「この会話のゴールはなんだ」というところ。お互いを理解するのか、どうしてその人がその意見を持ったのかの過程を聞くのか。あるいはお互いに何が正しくて何が間違っているのかをすり合わすのか、とかね。いろいろゴールがあると思うんですよ。ただ単に仲良くなればいいのか、もっと理解したいのかのゴールを決めましょうというのが1番目です。
 

2、「会話の相手をパートナーとみなしましょう」

ここでボゴシアン博士がおっしゃっているのは、朝鮮戦争のときの話です。朝鮮戦争がおきた際、アメリカ兵の何名かが北朝鮮に捕虜として連れて行かれました。その方々が寝返ったということがあり、この人たちを調査したところ、ほとんどが強制的に寝返ったのではなく、今話している7つのポイント、やわらかい交渉術によって結果的に自ら寝返ったということなんですよね。

収容所に入れられている、捕虜であるという特殊な状況の中で、人から親切な行為をされたり、優しい言葉をかけてもらえることによって、「自分はちゃんと大切にされているんだ」、「敬意をもってちゃんと人として扱われているんだ」と感じて、寝返ったというようなことがあった、と。そこから、会話の相手はどのような人でも、リスペクトをもってお話をしましょう、ということで2つめをあげていらっしゃいます。
 

3、「親しみやすさの構築」

いきなりドーンと話を始めるのではなくて、会話の最初の数分間を親しみやすさの構築に使ってくださいねということです。最初に雑談をしましょうということですね。いきなり本題に入るのではなく、相手が何を話したいのかを探ったり、興味を探っていきましょうというのが3つめです。


4、「傾聴」

口出しせずちゃんと聞きましょう。頷きや短い質問をしながら相手にちゃんと聞いていますよという印象を与えてくださいね、ということ。いわゆる傾聴ですね。ここに関しては、僕は少し疑問があって、傾聴と言いながら質問しちゃダメなんじゃないか、と思っています。でも、ボゴシアン博士は3〜5分に1回ぐらいのタイミングで、「ちゃんと聞いているよ」という意味で質問をしましょうねと伝えています。要約をしながら相手に確認をとりましょうね、ともおっしゃっています。

5、「メッセージを伝えない」

これは大事ですよね。傾聴しているとつい自分の話をしたくなるものです。人間みんなそうだと思います、僕もそうです。けれど、最後まで自分が言いたいこと、メッセージは伝えないことが重要なんだよ、とお話をされています。あくまでもしっかり相手にフォーカスを当てていくことが大切です。

6、「悪意を想定しない」

これはちょっとドキッとしましたね。特に今の世界では人の悪意を想定しているんじゃないかなと思います。「僕や親しい人間以外のすべてに悪意をもってこちらに話をしているんじゃないか」という気持ちはないでしょうか。

これは多くの研究でも言っています。人間は他人の悪意を想定しやすい生き物だ、と。だから会話の相手の意図や動機を考えたときにも、実際よりも悪いものだと想定する傾向があるという研究結果が出ています。

たとえばダイエットで苦労している人がいるとして、その人が体質的に何もしなくても太らない人に「どうしてそんなに太らないの?」と質問したとします。その体質的に太らない人が「いや、別に何もしていないんだけどね」と答えたとすると、その答えを聞いたときに「なんか嫌味だわ〜……」、「なんかマウントとられたわ〜……」と考えてしまう。そう捉えてしまう傾向があるということなんです。その答えた人はそのまま言っているだけなのに、これはすごくあるなと僕は思いました。
 

7、「会話のやめどきを知る」

会話が弾んでいたとしても、やめどきを間違えると会話が気持ちいいというレベルをこえてしまうということ。これも研究結果があります。会話の一定時間をこえると、相手との信頼関係はかえって損なわれるということ。どこでやめたらこの関係は1番うまくいくかをちゃんと考えておくと良いですね。ちょうどいいところ。あるいは腹八分目のところでやめるのがポイント。

以上がピーター・ボゴシアン博士の「やわらかな交渉術」7つのポイントでした。よかったら取り入れてみてくださいね。

いいねやフォローをありがとうございます。この記事はVoicy 『聴くだけで「使える」心理学』から抜粋し、読むだけで使っていただける記事として掲載しています。本編音声はこちらから↓↓


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