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「あなたの話し方に感動しました」と言われたトークの中身を公開します!

以前、タロットの勉強会に行ったお話をしましたが、その時に参加されていた女性の方から「今日私がここに来て本当に良かったのは、岸さんのしゃべり方。トークを生で聞けたというのがとても衝撃的だったし、大きかったです。ありがとうございました」とお褒めの言葉をいただきました。こうして彼女の心を動かしたとき、僕が何をしゃべっていたかについて、今日はお話していきます。

想像力で会話しよう

実はですね、僕としては特殊なことをお話したということはまったくないんですよ。常に僕が電話占いでやっている、あるいは主宰の占い師養成講座で伝えていることは、「相手の頭の中を想像しましょうね」ということです。「相手はきっとこういう心情でいるだろうな」、「だからこの話し方をすると、傷をつくというか心を閉ざしてしまうだろうな。だから、こういう話し方をしていこう」ということで話をしてきました。

僕が「こういう話をしました」というリアルな話をしないと、すごく抽象的な内容ですよね。なので、ちょっとここで無理矢理お題をつくって、「こんなカードがでました」ということで、僕はこれをどう読むだろうか、というお話をしていきたいと思います。

「『転職を考えている』と妹から相談されました。どうしたらいいでしょうか?」という相談がきたとしましょう。それに対してわかりやすいように2枚引きでやります。2枚引きの場合、1枚目が質問に対する結果。2枚目が障害やアドバイス、それに対する対策と見ていくことが一般的です。

タロットが分からなくて、僕が何を言っているかわからない方も、さらっと読んでみてください。さて、1枚目。大アルカナの「SUN(太陽)」ですね。いいカードです。2枚目をめくると、「カップの3」。小アルカナですね。どちらも正位置で出たとします。

「SUN(太陽)」はめちゃくちゃいいカードです。絵柄は手を広げている子供です。生命力があふれていて、裸なので隠すものがないとかね。すごくいい感じ。意味としては成功・成長・昇進や楽しい、未来に向かっての夢があるなどです。

出典:ACイラスト

もう1つのカップの3。「カップ」は愛情や感情に関わってくるもの。「3」は3人が手を組み合って踊っているみたいな感じなんですよね。「みんなで行動したら絆が深まったよ」とか「共感が生まれたよ」とか「みんなで協力してやろうよ」とか、「感情をわかちあおうよ」という意味だと思ってください。

出典:ACイラスト

さて、カードの解釈はこんな感じです。ご相談内容が「妹から『転職したい』って相談されました。私はどうしたらいいでしょうか?」という相談内容です。みなさんだったらこのカードからどういう風に何を読み取って、どうお返しをしますか?

稼げない占い師さんがやりがちなこと

最初に稼げない占い師さんがやりがちなことをお話したいと思います。カード、めちゃくちゃいいじゃないですか。妹が「転職したい」と言っている。カードめくったら、成功や伸び伸びとした未来が出た。これをまずボンとぶつけたくなってしまう。占いをしていていいカードが出ると「あー!これを伝えたい!」という気持ちはあたりまえだと思うんですけれども。

まず結果から答えると、

「いいですね。妹さんのその転職はとてもいいとでていますよ。転職されることによって大きな成功、あるいは今からのステップアップもあるでしょう。もっというのであれば自由になる。今きっと妹さん、今の職場でちょっと感情的だと思うんですけれど、つらい思いをされているところがあるんじゃないかなとでているんですよ。それから解き放たれて、自由な心で楽しい職場に移れるというのが見えていますね。そうしていくためには、新しい会社に移ったら、その人たちと手を組む。1人で孤立しない。みんなで楽しくやっていくことが大事です。これ今『カップの3』を読んでいるんですけれどね。これからの対策です。ひょっとすると妹さんは人間関係で苦しんでいるんじゃないでしょうか。ちょっと苦しい思いを抱えているとしたら、次の会社に移ったときは少し心を開いてもらって。みんなとご飯会や飲み会、ランチ会、そんなようなことを同僚や先輩とやっていただけると、とってもいいと思います。その会社の仲間たちと感情・気持ちをわかちあえばわかちあうほど、妹さんの転職はうまくいくと見えていますよ」

と言うと思うんですよ。これがカードをそのまま読んでしまって渡していく話し方です。このやり方は稼げません。なぜかわかりますよね。そんなことわからないから。本当に妹さんは孤立していたのか。本当に転職したらうまくいくのか。わからないです。もっというのであれば、ここ1番の問題なんですけれど、相談の趣旨をもう1回ここで考えていただきたいんですよ。

「妹から『転職したい』と相談されました。私はどうしたらいいでしょう?」という質問ですよ。「妹の転職はうまくいきますか?」という質問ではないです。「私はどうしたらいいですか?」という質問に対して「太陽」が出ているんですよ。

感動を生むコミュニケーション

ですから僕であれば、まず

「妹さんから転職の相談をされるっていうのは、ちょっと気持ち的に重かったりするところもあると思うんですけれども、その中で『何か役に立ちたい』と思っていらっしゃる気持ちはとても伝わってきますよ。もっと言うのであれば、今のこの『転職』のご相談を手伝いながら、妹さんの人生を花開かせていきたい。あるいはご相談者さんのあなたの気持ちというものを花開かせていきたいという風に見えるんですけれど、何かそのへんのところで考えていることってありますよね?」

と言って質問をします。この「SUN(太陽)」のカードは、妹の転職がうまくいくかどうかに対して出てきたカードではないですよね。「私はどうしたらいいでしょうか?」という質問に対して「太陽」のカードが出てきているんです。ということは、この質問をうまく活用していけば、もっと自由に伸び伸びに考えていけば、必ずそれはいい道につながっていくということを示しているわけです。

プラスして対策的なことをいうと、そこからやり取りがあると思うんですけれど、「なるほど。では妹さんとちょっとご飯を食べたり、あるいはお酒飲みに行ったり、そんな機会をつくることはできないですかね?そうして直に会って楽しい時間を過ごすこと、感情的なやり取りの時間を過ごすことが、今あなたから聞いたそういうもっと大きな目的にいくにはとっても有用だと出ているんですけれど、どうですか?」と対策部分を使っていきます。

この違いがわかっていただけたらうれしいです。僕はこういう風に話していきました。まずは相手の質問をしっかり聴く。答えを押し付けるのではなく、展開していく。わかりにくいな、という方はVoicyのチャプター3でも追加でお話しております。

この記事はVoicy 『聴くだけで「使える」心理学』から抜粋し、読むだけで使っていただける記事として掲載しています。本編音声はこちらから↓↓


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