共通の話題がなくて、困ってしまったときに
困ってしまうとき、相手と自分が2人でいるようなシチュエーションに、ポツンとおかれたときですよね。
たとえば、会議室で2人になってしまったとか、車の中や電車で何かしゃべらなければいけない。けれど、話が盛りあがらないとか。そういう密閉された空間や閉塞された空間。その中で相手と自分しかいないけれど、話が盛りあがらない。しかも、こちらが接待というかホストである場合、あなただったらどうしますか。
タイプ論をお伝えしている僕の答えは、無理してしゃべらなくてもいいかもしれない、ということですね。相手のタイプ次第の対応になります。
実際、僕がタイプ論を知らないときは、相手に一生懸命しゃべっていました。そういうシチュエーションになってシーンとなると僕がプレッシャーを感じて、ああでもないこうでもないと、いろんな話題を提供していました。
Aという話題を投げてダメだったら、Bを投げてみる。ダメだったらCを投げてみる、という形で必死に盛りあげようとしました。
そのときに「盛りあげてくれるのはわかるんだけれど、大丈夫。僕、静かな時間が好きなんだよね」といわれた経験あるんですよ。「マジかよ! だったら最初からいってくれよ!」と。「だったら俺こんなに頑張らなかったのに」と思ったことあります。
いろんなタイプがある中で、静かにしているのがプレッシャーになるタイプがあります。相手と話をしている状態が楽しいくて、静かになると「何かしゃべらなきゃ」「いやだな、この空気重いな」と感じてしまうタイプ。逆に、まったくしゃべらずに静かにしている時間がとてもいい。隣に人がいても静かな時間が心地いいので、無理に話をするほうが心が重くなるタイプもいます。
まずはここをおさえることが重要です。これだけといってもいいんですけれど。ですから、相手が盛りあがらないときの対処法は、相手のタイプを見ましょうというのが僕の一番の答えになります。
タイプがわからない人はどうしたらいいかですが、そのときは1つ、2つ話題を振ってみましょう。「最近どうですか?」「こういうことあったんですけれど、どうですか?」とか。あるいは「今日のランチ。食べたいものとか、リクエストはありますか?」みたいに振ってみる。そのときに相手が話したそうな雰囲気があったり、ポンポン話が返ってくるのであれば、話をすればいいと思うんですよ。
「まあ、うん。寒いですね、最近はね……」とか、「おいしい土地のものがあれば、なんでもオススメで……」みたいに、いかにも話をするのは得意じゃない、とか面倒くさいですよというのが肌感覚で伝わるなら、「この人はあまり話をしてほしくない人だな」とか「話さない方がいいタイプの人だな」と自分の中で折り合いをつけて「なるほど、わかりました」と、静かにしているのが正解です。
僕もこれ、本当に経験あるんですけれど、こっちが耐えられないんですよ。僕は話をしていた方がいいタイプなので、向こうの方がすごい静かにスンとして座っている。その空間にいると「大丈夫なのかな、これ。なんかしゃべんなきゃいけないよな。何もしゃべらないから、向こうの人機嫌悪くなっているんじゃないかな?」と、自分の中にグルグルまわるんですよ。
なので、居心地が悪かったり不安になっているのは、相手ではなく自分です。相手はその静かな空間、何も話さない空間が落ち着いているんですよね。なので、自分の中の違和感や不快感、心配感、不安と戦わなきゃいけない。戦うのが嫌になるからしゃべっちゃう、みたいなことがおこります。
ですから、「これはしゃべらない方がいいな」と思ったら黙っている。あとは自分の心配みたいなものをおさえこみながら、その時間を過ごしていく。具体的には今おこっていることに興味・関心をもっていくっていうことですよね。
まわりに見えるもので「ここ、こんなものがあるんだ」とか聞こえる音を聞いてみるとか、においがあるんだったら嗅いでみるとか。考えちゃうと自分の頭の中にグッと入っていってしまいよくないです。見る・聞く・嗅ぐ・感じることに感覚を開いていくと、自分の不安や心配はとけていくので、この方法でまずはやってみることが大事です。
そのうえで、たとえば相手が静かにしていることが心地よくないタイプだったとしましょう。それでも話題がなかったときにどうするかというと、最初は何か聞かないとダメです。相手に質問をすることですよね。
「今日のランチは何がいいですか?」
「ここの土地に来られたのは今回初めてですか?」
「今日はここまでどうやっていらっしゃったんですか?」
「最近どうですか?」とか、なんでもいいです。
とにかく質問をしてみる。
けれど、話がはずまないとき。質問に対して返ってくる答えは単発ですからね。たとえば「今日のランチは何がいいですか?」だと「オススメのもので」と終わっちゃう。「ここの土地は初めてですか?」「そうですね……いや、2回目ですね」で終わっちゃう。それで終わってしまったときにどうするかですが、僕がこのときにオススメしたいのは、ボソボソと独り言をいうことです。
話題に関連した独り言をボソボソいうのは、その次に発する言葉のためです。
「今日のお昼ですけれど、何か食べたいものとか、あるいはリクエストありますか?」「いや、なんでも。オススメでいいですよ」と、プツッと会話が切れてしまったとき、ワーッとオススメのごはんや店をしゃべるのではなく、自分語りです。
たとえばこんな感じです。「オススメのところでいいですよ」と返ってきたら、「いやぁ、ちょっとどうしようかな、これ。お話しちゃってもいいのかな……うーん……」とかいっていると、大体相手が「え? なんですか?」と聞いてくれることが多いです。
「これオススメしちゃっていいのかなぁ……」「え? なんですか?」と聞かれたら「実はですね、僕が個人的にすごくおいしいと思っているランチ、定食があるんですよね。けれど、それまあまあ辛いんですよ。辛いものとかって大丈夫です?」とか聞いていけるんです。
ワンクッション「これいっちゃっていいのかなぁ……」とか「これオススメできるかなぁ……」と自分語りをする。こうすると話盛りあがっていくのでオススメです。
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