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賃貸がいいのか、持ち家が良いのかを、性格類型論から考えてみた

「持ち家がいいのか、賃貸がいいのか」、いろんなところで議論がなされている話ですよね。統計学的に家を扱っている人から見ると持ち家の方がいいと言っている人が多いですよね。これは金額的な面です。自分が払っていくお金の面からいうと「持ち家は自分を店子としている賃貸である」、「最高の賃貸である」と言う人もいて、お金だけの面で見るのであれば持ち家の方がいい、と言っている人が多いんじゃないでしょうか。


こっちがいいは確証バイアス?

僕は心理学の視点でみていきます。持ち家の人に聞くと「持ち家がいい」と言いますし、賃貸の人に聞くと「そんなの賃貸がいいに決まっているよ」と言います。これは、心理学でいうと「確証バイアス」です。自分にとって都合がいい情報だけを集めてきて、それで自分を納得させていく。誰かに話していくときにはその情報を話していくということです。

それはそうですよね。一貫性の法則と言いますか、自分が家を買ったのに「いや、家なんて買うものじゃないよ」、「それは賃貸の方がいいよ」というのはなんかザワザワしますよね。自分がやっておいて「どうするんだ、俺!こんな家買って。ここから頑張らなきゃいけないのに」となるとザワザワするじゃないですか。「認知的不協和」とも言われているものですよね。それを解消するために世の中にあるたくさんの情報の中から「やっぱり持ち家の方がいい」という情報を集めてくる。これ無意識的にそういう情報ばかり集めちゃうんですよね。それで「やっぱり持ち家の方がいいよ」と。そういう心理メカニズムを僕たちはもっているということです。

賃貸も同じです。同じように確証バイアスが働いて「賃貸の方がいいんだ」という情報ばかりを集めてくる。だから「どっちがいいですか?」と聞くときに、持ち家の人に聞けば「持ち家がいい」と言いますし、賃貸の人に聞けば「賃貸がいい」と言うことが王道というかふつうなんじゃないでしょうか。

3タイプで結果がかわる「持ち家」論争

これだけで終わったら「そんなこと知っているよ。心理学的と大袈裟に言って、大上段に構えてそれですか?」という話になるので、もう少し今日は心理学的な話をしていこうと思います。それは心理学的というか、性格分類論的なところになってきます。

人には本能の3タイプと言われているものがあります。人以外でも社会的な生活を営む動物、サルや渡り鳥、アリにもあると言われており、「自己保存タイプ」「性的タイプ」「社会タイプ」というこの3つにわかれているという学説があります。

これ、考えてみれば当たり前だと思うんですよ。人や動物が生きていくのに1番最初に守らなければいけないのは何かというと、個体の維持ですよね。死なない。死なずに明日も生きていくというのが生命として絶対に本能としてあります。それを守るためには自分を守る。自己保存本能というものがあります。

次に自分のDNAをつないでいく。種を保存していくというのも僕たちが生物である以上本能としてもっていますよね。それが「性的タイプ」。セクシャルと僕たちは呼んでいるんですけれど、それがあります。人間は社会的生活が営めないと、毎日を暮らしていくことがきびしい。社会的生活で1番小さい単位は家族です。種を保存していくということは、家族をもつということです。

そこで社会的な生活が営めないということになってくると、自分が守れない。自己保存の中には健康や命も入りますが、今の世界ではお金もあります。資産を守って、そして自分を守る。社会的生活が営めないと自分が守れず、家族がもてない。種を保存していくことができないところにもつながってくるので、社会的なそういう本能、僕らはソーシャルと呼んでいるんですが、それがあるよと言われている。そういった学説なんですね。

誤解のないようにお伝えすると、すべての人は自己保存もセクシャルもソーシャルもみんなもっています。その上でどの本能が1番優位にきているかということです。この割合も本当に人それぞれです。1番がドーンと70%ぐらいあって、2番が20%ぐらいで3番が10%みたいな人もいれば、大体平均的に40%と35%と25%みたいな感じで100%にグラデーションになっている。1・2・3位が決まっている人もいます。

出典:ACイラスト

僕は持ち家がいいか賃貸がいいかは、自分がどの本能が1番優位なのかということにものすごく関わっていると思います。結論からいうと自己保存本能優位の人は持ち家の方がいいです。これわかりますよね。自分を守るのに賃貸は、いろいろ不都合ですよね。自分の好きな間取りがいいでしょうし、自分の好きな空調を入れたい、もっというのであれば床や壁も自由自在に自分で決めたいところがあるでしょう。どこに家を建ててどんな間取りのどんな家にしたいかがすごく強いんですよ。

なぜかというと、自己保存が強い人たちは自分の巣がほしいんですね。自分の巣=やっぱり持ち家になってくるわけじゃないですか。なので、自己保存の人にとっては金額がどうとかはおいておくとして、自分を守る自分の城・巣ということで、持ち家の方が心理学的にはすごく安心・安定というものをしていくでしょうね。

これの対局にあるのがセクシャル。性的な人たちです。セクシャルな人たちはいつもドキドキしていたい。新しい出会いと新しいものに出会いたい。強烈な体験がほしいと思っている人たちが多いんですね。1回家をもってしまうと、多くの場合はそこに定住というところになるわけじゃないですか。もちろんその家を売って点々としていく人たちもいます。でもこれは持ち家という感覚とは違うんじゃないかな、と。転売とか投資とかそういうところになってくるので。

「もう飽きちゃった、次に行きたい」と言って、いろんな新しいところで新たな経験を積んでいくのが人生にとってとても楽しいんですよね。なので、自分がセクシャル、性的なところが強いかなと感じている人はマンションの方が人生は豊かになると僕は考えています。

残ったソーシャルの人は持ち家でも、あるいは賃貸でもどちらでも豊かな人生を歩むことができると思います。ただし、間取りはとても大事ですね。ソーシャルの人たちにとって一家が集まる場所はとても大事なわけですよ。なので、そこがキッチンなのか、あるいはリビングなのかわかりませんが、その空間がきちんとあることが大事でしょうね。さらにいうのであれば、ソーシャルの人たちはすごく人を呼ぶのが好きです。「パーティーをやりますよ」とたくさんの人が集まるのを好みます。実際友達が多い人たちも多いです。なので、そういうパーティーがやれる空間が自分の家にあると、人生が豊かになるでしょうね。

僕のまわりを見回してみても、やはり自己保存が強い人たちは持ち家です。ソーシャルの人たちは持ち家でも賃貸でもそこに関わらず、パーティーができるところをもっているんですよね。セクシャルの人たちは「家なんかいらないよ。賃貸でいろんなところに行きたいんだよ」と言う人たちが実際に多かったりします。

さて、この話を聞いてみなさんはどう思われたでしょうか。こういう角度からも持ち家や賃貸、どちらがいいか考えてみてください。


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