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わたしの耳のおできちゃん ICU編

当然のことながら、
あ、
という間に手術は終わり、
「〜さん、終わりましたよーいま15時ですよー」と起こされる。

8時半に手術室に行ってたぶん9時すぎからの手術だったはずだから
おそらく6時間弱。たぶん予定どおりっぽい。

「成功です!」とかそういうのは言われず、
「旦那さんに連絡しましたからねー」とか「がんばりましたねー」とか
言われて目を開けると、世界がぐるぐるまわってて吐きそう。すぐ目を閉じた。

「あの眩暈がして気持ち悪いんですけど」と言ってみたけど、
紙のカップ(ガーグルなんとか)を渡されたのと、吐き気止めを点滴に入れてくれるだけで、ぐるぐるはどうしようもないみたい。吐き気止めなんて効かないし。

そしてそこはもうICU。地獄という噂の。
でもICUが地獄と言うより、自分の状態が地獄。

「頭を上げたらダメだけど、向きは変えていいですよ」
と言われたけど、ちょっと頭を動かすと、動きに酔って吐きそうになる。
ナースコールで「吐きそうです」と伝えてカップに吐くと、
「教えてくれてありがとうございます。いつでも鳴らしていいからね」
と優しく言われたのを覚えている。
ICUは常に看護師さんが近くにいるから、すぐに来てくれて全然地獄じゃなかったよ。

途中で歯磨きしてもいいと言われて歯磨きをしたんだけど、
起きられないまま、ぐるぐる眩暈のまま、自分で歯磨きをする。
なかなかハード。両腕の点滴が、手を動かすとめちゃくちゃ痛いし。

体勢を変えることがとにかく難しくて、ほぼ同じ体勢で過ごした気がする。
切った頭を下にしたらまずいのでは、と思って左向きか、正面かくらい。
顔がかゆくても、手の痛さを考えると我慢しちゃうし。

あと、3時間おきにバイタルチェックと、「名前を教えてください、今ここはどこにいるかわかりますか」の質問、「手を動かしてー」「足を動かしてー」「口をいーってしてみてー」のチェック。

ICUって、目の前で看護師さん達が引き継ぎしたり、医師に報告したりするんだけど、「〜さん、右側が動いてなかったから」みたいな話が聞こえて、え!わたし?まさか顔面麻痺?と一気に恐怖。
でもその後、2回目のチェックの時には動くようになったみたいで、「ちゃんと動いてますよ」と言われて安心。

確かに、周りのベッドの人の声や、機械音、看護師さんの連絡や報告の声がずっとしてて、うるさくはあったけど、それは私は意外と平気だった。
「痛いよー」とか「お母さんー」とかずっと叫んでた人いたな。
うとうとする時もあったけど、3時間おきのチェックで起こされ。
あと何回チェックが来たら朝だ、とそれを目安に、早く時間過ぎてー、と思いながら朝まで過ごした。
朝までずっと眩暈と吐き気は続いてた。

うとうとすると、夢というか、断片的な映像が次々に頭に浮かんでて、悪夢ってこれのことかなーと思ったり。
イヤホンを持ち込むことはできなかった(それどころじゃなかった)けど、気づいたらずっと頭の中でBTSの曲が鳴ってた。それはとても安心できて、良かった。

こんな状態になるなんて想像してなかったけど、眩暈も吐き気もつらかったけど、わたしのICUはそんなに地獄ではなかった。

どんなところにいたのか、全くわからなかったから後で調べたら写真のようなところだったっぽい。思ってたより広そう。

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