【Mリーグ】全32選手のレギュラーシーズンの感想【2021】

2022年3月11日第2試合終了をもって、Mリーグ2021のレギュラーシーズンが終了しました

数多の好プレー凡プレーがありましたが、全選手、とりあえずお疲れ様でした

幸運が続いた選手、不運の連続だった選手、爪跡を残せた選手、評価を地の底まで落とした選手等々、レギュラーシーズンを終えて各選手それぞれ思うところはあるでしょうが、半年間楽しませていただいた1視聴者としての各選手への感想を、長々と書かせていただきたいと思います

辛辣な表現等も多々ありますが、ひとえにMリーグ愛からの言葉であり、けっして選手の皆様を尊敬していないわけではないことを先に記しておきたいと思います

あと、長文になってしまいますので、○○プロという書き方ではなく呼び捨てにしていますが、尊敬していないわけではなく、所謂「敬称は略させていただきます」というやつです

※数字に関しては、全て半荘ベースで個人的に集計したものとなっています。1半荘が10局でも20局でも同じように1半荘として計算してますので、公式の数字等と多少違っている部分があると思いますが、個人の手作業による集計なのでご容赦いただきたいです。


【MVP】瑞原明奈+440.6p(7-11-1-2)

『トップ率』33.3%(5位)

『半荘平均収支』+20.98p(1位)

『半荘平均素点』32410点(1位)

『半荘平均和了回数』3.05回(1位)

『半荘平均放銃回数』0.62回(1位)

『半荘平均自摸和了回数』1.38回(7位)

『獲得順位点』+390p(2位)

『獲得素点』+155600点(1位)

『半荘平均立直回数』3.29回(3位)

『半荘平均被自摸和了回数』3.24回(9位)

『その他』9試合連続連帯、連対率85.7%!、全選手中唯一全試合複数回和了達成!

対局中はは美しく、対局後は可愛らしい、そして結果はシーズンMVP。最高すぎるだろ。特に最終戦の沢崎との直接対決は痺れました。個人的にMVPを取れる人かどうかのポイントは「①牌効率や押し引きといった基礎麻雀力が高い事②押すべき時に恐れず押せる胆力がある事③タイトルを取れる星の下に生まれた事」の3つだと思っていて、瑞原はそういうタイプじゃないんじゃないかと思っていたのですが、実はそれを持っていたんだと見せつけられました。はっきり言って、ファンの私から見ても、今期の瑞原はバカヅキです。去年一昨年のツキの無さを見てなかったら許せないレベルですが、確率が収束したということだと許しましょう。最終戦後のインタビューでも言っていた「強気の選択が良い方に転んだ事が多くて~」が全てなのだが、その強気な選択ができない選手が多い中、肝が座った選択をできた事がMVPになれた要因だと思います。おそらく、いや間違いなく、今期の瑞原と同じレベルのバカヅキを享受したとしても、二階堂姉妹はMVPになれないでしょう。今期の瑞原のように毎試合二回以上和了して、3試合で2回しか放銃しないんじゃ、そりゃ勝ちまくるよ。4人目のMVP、そしてレギュラーシーズン通算ポイントプラス域への浮上、おめでとうございます。

【第2位】沢崎誠+399.7p(9-9-5-3)

『トップ率』34.6%(4位)

『半荘平均収支』+15.37p(2位)

『半荘平均素点』29988点(3位)

『半荘平均和了回数』2.65回(8位)

『半荘平均放銃回数』0.69回(2位)

『半荘平均自摸和了回数』1.19回(13位)

『獲得順位点』+400点(1位)

『獲得素点』+129700点(2位)

『半荘平均立直回数』2.23回(25位)

『半荘平均被自摸和了回数』3.12回(3位)

『その他』

沢崎はズルいわ。最終戦後の瑞原への「おめでとう」の声かけと握手はいかんよ。あんなの見せられたら、ファンになっちゃうよ。ねちっこいツモり方や少牌、テンパイ効率を下げる先切りなど、沢崎は好きではない打ち手だが、あのシーンだけでファンになるし、あんなん見せられたら涙腺崩壊するわ。とはいえ、私は沢崎はMVPを取れないだろうなと思っていました。瑞原の欄で書いた「タイトルを取れる星の下に生まれた」ってやつに沢崎は該当しないと思っていたからです。はっきり言って沢崎は強いし、上手いと思います。沢崎の麻雀を見て「昭和だな」と判断しちゃう人は、沢崎の著書である「沢崎誠の強すぎる麻雀経験論」をぜひ読んでほしいです。そんな麻雀が強くて上手い沢崎が連盟の鳳凰位を1度も取っていない事からして、沢崎がそういう星の下に生まれてないかがわかります。Mリーグを見て、沢崎が瀬戸熊より下手だと思う人がいるだろうか?瀬戸熊が何回も鳳凰位になってるのに、沢崎は1度もなっていないんだぞ。持ってない男、それが沢崎誠。とはいえ、66歳でこの成績は素晴らしい。麻雀は生涯プレイできるゲームだという証左に他ならない。加齢による計算能力の衰えや判断力の低下は人間誰しも抗えないのに、沢崎は化け物か!こんな化け物が席を譲らないんじゃ、次代を担うべき若手麻雀プロたちも大変だな。

【第3位】滝沢和典+294.2p(9-7-2-6)

『トップ率』37.5%(3位)

『半荘平均収支』+12.26p(4位)

『半荘平均素点』28925点(4位)

『半荘平均和了回数』2.54回(13位)

『半荘平均放銃回数』1.21回(13位)

『半荘平均自摸和了回数』1.46回(4位)

『獲得順位点』+320p(3位)

『獲得素点』+94200点(5位)

『半荘平均立直回数』2.29回(24位)

『半荘平均被自摸和了回数』3.42回(19位)

『その他』個人3連勝、二回めのレギュラーシーズンベスト3入り

チームを移籍して、気分も一新して、二回めのレギュラーシーズンベスト3入り。鳳凰位戦でもB2で優勝して来期はB1だし、これは長きに渡る不運時代が終わって、滝沢時代到来の予感である。RTDでのボロ負けや、去年一昨年の成績で、滝沢の事はMリーグでも二軍クラスだと思っていたが、初年度と今期の成績を加味してレギュラーシーズンの通算の成績を見たら、滝沢は十分一軍レベルのMリーガーだということがわかった。とはいえ、今期の滝沢がツキ過ぎていたのも事実。他者の立直に回していたら、ひょっこりツモっちゃったっていう場面を何度も見た。見ていて「滝沢またひょっこりツモだよ」と何度叫んだことやら。とはいえ、ひょっこりツモれる状態でテンパイをキープし続けてるのも滝沢の技量だと思えば、それもまた滝沢の実力か。今期は誰がどう見たってコナミとの密約ありきの移籍(指名)で、間違っても辞めた前原より悪い成績は引けないというプレッシャーの中で戦った中で、しっかり成績を残せたのは、素直に素晴らしいと思う。

【第4位】伊達朱里紗+269.5p(8-4-4-5)

『トップ率』38.1%(2位)

『半荘平均収支』+12.83p(3位)

『半荘平均素点』30929点(2位)

『半荘平均和了回数』2.81回(4位)

『半荘平均放銃回数』1.29回(19位)

『半荘平均自摸和了回数』1.57回(1位)

『獲得順位点』+250p(9位)

『獲得素点』+124500点(3位)

『半荘平均立直回数』2.95回(9位)

『半荘平均被自摸和了回数』3.14回(7位)

『その他』シーズン【歴代】最高スコア(105500点)、1半荘最多和了(9回)、1半荘最多自摸和了(6回)、個人3連勝

今期の台風の目の一人。間違いなく、いや、深すぎるほどの爪跡を残した。誰がここまでの成績を残せると想像できたであろうか?対局中の姿も凛々しくて画になってるし、伊達を指名したコナミ関係者の見る目は素晴らしいの一言。伊達の麻雀は、絶妙な押し引きはさておき、基本に忠実。優秀なターツを選んで残す5ブロック打法で、初心者のお手本と言えるのではないだろうか。今の若手は良質の麻雀本や、各種の放送対局等、麻雀の勉強をしようと思えば教材には事欠かない。無駄な(過剰な)手役狙いやバカなオカルトで回り道をしなくてすんで、最短である程度まで上手くなれる。今後も伊達のようなちゃんと麻雀ができる若手女流プロが出てくると思われるので、古い人たちは大変だ。

【第5位】茅森早香+251.6p(8-9-4-5)

『トップ率』30.8%(11位)

『半荘平均収支』+9.68p(6位)

『半荘平均素点』28138点(8位)

『半荘平均和了回数』2.62回(9位)

『半荘平均放銃回数』1.65回(30位)

『半荘平均自摸和了回数』1.46回(3位)

『獲得順位点』+300p(5位)

『獲得素点』+81600点(7位)

『半荘平均立直回数』3.46回(1位)

『半荘平均被自摸和了回数』3.54回(21位)

『その他』

今期の茅森は女寿人。口元には出てるが、基本的に放銃痛覚がいかれとる。自身のチャンネルで今期は打ち方を変えていると言っていたが、より攻撃的にシフトチェンジしたということなのであろう。Mリーグの順位ポイントの配分的にトップラスを目指して打つのはある意味正しい。今期はツキも味方してこの順位になった。とにかくたくさん立直して、ツイていたからたくさんツモれて、結果として成績がついてきた。一方、個人5位とは思えないほど大量に放銃していて、とてもじゃないけど、ここ一番には使いづらい選手だ。セミファイナル以降ツキが止まったら、おそらくチームの足を引っ張る気がしてならない。瑞原伊達が今期こんなに活躍してなければ、「天才、天才」と騒がれていたかと思うと危ないところである。

【第6位】多井隆晴+242.2p(6-10-8-1)

『トップ率』24%(19位)

『半荘平均収支』+9.69p(5位)

『半荘平均素点』28088点(9位)

『半荘平均和了回数』2.52回(14位)

『半荘平均放銃回数』0.8回(3位)

『半荘平均自摸和了回数』1.12回(16位)

『獲得順位点』+290p(6位)

『獲得素点』+77200点(9位)

『半荘平均立直回数』2.4回(20位)

『半荘平均被自摸和了回数』3.36回(14位)

『その他』ラス回避率1位、Mリーガー唯一の4年連続ポイントプラスかつ毎年+200pオーバー

もうね、寿人と黒沢がこけて、多井は笑いが止まらないと思うんですよ。4年やって、唯一毎年プラスしてる選手になって、しかも全てプラス200pオーバー。天狗が止まらない止まらない。個人的な好き嫌いは抜きにして、正直な話、多井は別格だと思う。Mリーグと同じルールにおいては、間違いなく日本式麻雀プロ史上最強。悔しいけど間違いない。麻雀星人が攻めきた時に地球代表筆頭。麻雀については、もう何も言うことはない。顔芸や強打についてはエンタメということで、誰が何を言っても聞かないだろうし。一つだけ言いたいのは、自身は将棋で言ったら羽生善治や藤井聡太なんだから、発言には気をつけなさいよと。もっと大人になれよと。ただそれだけ。

【第7位】松ヶ瀬隆弥+213.7p(9-6-6-7)

『トップ率』32.1%(7位)

『半荘平均収支』+7.63p(8位)

『半荘平均素点』28257点(6位)

『半荘平均和了回数』2.5回(16位)

『半荘平均放銃回数』1.21回(14位)

『半荘平均自摸和了回数』1.14回(14位)

『獲得順位点』+240p(10位)

『獲得素点』+91100点(6位)

『半荘平均立直回数』2.71回(11位)

『半荘平均被自摸和了回数』3.11回(2位)

『その他』5試合連続出場、個人3連勝

伊達と並んで今期の台風の目。麻雀ガチ採用なので死んでも負けられない中、良くやった方だと思う。もう少し上にもいけたと思うが、シーズン終盤に失速してしまい残念である。それでも、容姿や発信力に優れない麻雀ガチ勢のMリーガーへの道筋をつけることには成功したのではないかと思うがどうだろう。容姿のいかつさのせいか、勝ってる時のバシバシ自摸和了しているイメージが強かったが、各種数値を見る限りそうでもなかった。ただ、最終戦に他家から9回も自摸和了されてボコボコにされた割には、シーズン通して他家の自摸和了をくらう回数が少なかったので、ツイてたのはツイてたのだろう。個人的には、松ヶ瀬の麻雀はイマイチわからなかった。なんとなく売りが見えなかった。とりあえず押しが強いとは思ったが、強すぎるとまでは思わなかった。繊細なる巨砲と言う割には、そこそこ放銃もしてるしね。とりあえず、地獄モードを引いた時の本人の打ち方と周りの評価が楽しみではある。

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