Mリーグ2020レギュラーシーズン全30選手の感想

いつもながら独断と偏見に満ちています

比較的辛めです

運不運に関してはそこそこオカルト入ってます

ちなみに麻雀プロは勝ってなんぼだと思っているので、上手く打っているけど勝てない人は擁護しません

人名が何度も大量に出てくるので、敬称は略させていただきますが、尊敬していないわけではないので悪しからず

【MVP】佐々木寿人+494.1p(13-6-6-5)

西暦2020年は21世紀を生きる人類にとっては最悪とも言える年であったが、佐々木寿人にとっては史上最高の年であったと言えるだろう。皮肉なことである。何はともあれ鳳凰位とMリーグMVPの2冠おめでとうございます。鳳凰位のことは置いといて、Mリーグに限って言えば、寿人のプレイスタイルとMリーグのポイント配分からいって、10シーズンあったら1回か2回は個人首位になるシーズンはあると思ってたので、個人的にはそれが3シーズンめできただけのことだと思っています。やっぱりMリーグはトップラス麻雀が正解なんですよ。まぁ、それでも今期はバカヅキで勝ち過ぎだとは思いますが…。それにしても、寿人の麻雀はまぁ良い意味で無茶苦茶ですよね。普段は三人麻雀で練習しているそうですが、打ってる麻雀はまるで一人麻雀。他の選手が同卓してる三人と戦っているのと違い、寿人はもらった配牌で山と戦っていると言っても過言じゃないぐらい、他の人と違う麻雀を打っている。強さのみを求める麻雀。オンリーワン。強いけど上手いとは言いたくないプロ。手組の上手さは上手いと思うが、麻雀が上手いと万人が認める麻雀ではない。麻雀を上手くなりたいと日々勉強している麻雀ガチ勢の不倶戴天の敵。勝つにせよ負けるにせよ、一番同卓したくないプロ。個人的な感想なんですけど、ルールだからしょうがないんですけど、世間一般的には箱ラス終了なんで、箱下から巻き返しての二着とか認めたくないんですよ。箱ラス終了ありのルールだったなら、内川のが成績がいいんですよね、実は。

とりあえず、今期は名実ともに麻雀界のトップに立ったわけだし、ノーギャンブル宣言してるMリーグのMVPなんだから、嫁のオンレート店のゲストは止めさせるべき。そういうところが脇が甘いと言わざるをえないし、麻雀プロになるような人は常識が無いと言われてしまう原因。それにしても、人生は何があるかわからんですよね。寿人の親が、ちゃんと大学の学費を期日までに納入するのを忘れてなければ、今の麻雀界トッププロとしての寿人はいないわけで、良くも悪くも親のウッカリに足を向けて寝れないですよね。

【第2位】内川幸太郎+468.7p(12-4-4.5-4.5)

「赤川運太郎、大爆発!」のシーズンでした。開幕からの5戦で3ラスとった時はどうなることかと思いましたが、道中立て直して、レギュラーシーズン最後の5戦で4トップは見事の一言につきます。危うく、こんな魅力のない麻雀(手なりマエストロ)でMVPを取られちゃうんじゃないかとドキドキでした。今期は昨年ほどは赤ドラが目立ちませんでしたが、そこからテンパイするかねっていうぐらいツモが良くて、ついてたのは間違いない。今期の内川の何が凄かったかというと、圧倒的な素点の安定感です。ラス1回の小林を抑えて、平均素点が1位(31488.4点)でした。信じられないですね。

麻雀プロは運が強くてナンボ。寿人や黒沢、魚谷亜樹白鳥といった、綺羅星のごとくいる連盟の有名どころに先んじてA1に上がってたことから見ても、やっぱり持ってる運は半端ないのでしょう。頼みの沢崎が低迷するも、新加入の堀のおかげで気負わず打てたのも今期の好成績につながったのは間違いない。もし、堀の加入が無ければ、この成績にはなってない気がします。

【第3位】小林剛+337.5p(6-14-10-1)

玉石混淆とはいえ、まがりなりにも、トッププロ相手に31戦打って1ラスって化け物かよ。しかも素点を1度も15000点を下回ってないんだから、勝ちきれないながらも安定感抜群で、見ていて安心感がある。打ち方はみんなが目指すべきスーパーデジタルで、寿人とは違うベクトルでオンリーワン。おそらく同タイプで同レベルの打ち手は元プロで現在YouTuberの堀内正人ぐらいだろうから、堀内を追放してくれた森山会長には感謝しなきゃいかんよな。本来ならば、チームの二番手でチームポイントを守って試合数を消化するタイプの打ち手なのだが、今期はゲーム数消化とポイントゲッターと二つの役割をこなして小林に対する負荷が大きすぎた。ポイントゲッターになりうる、爆発力のある選手を補強しないと、パイレーツは来期もじり貧間違いなし。

おそらく、麻雀ガチ勢の支持率ナンバー1。鳴くべき牌は鉄鳴き、オリるべき時はベタオリと、今の麻雀戦術本の完成形の麻雀。ついてない時はキツいけど、普通なら先制テンパイでアガリ抽選をいち早くうける麻雀は間違いなく正解だし、相手がアガリ抽選を受け続けてる中をアガリ抽選を受けれない状態から放銃抽選を受けない(ベタオリ)のも正解。それを高い精度で粛々と行う小林はまさにロボ。ちなみに私は小林はロボで、寿人はマシーンだと思っています。

【第4位】堀慎吾+275.6p(9-9-5-5)

有言実行。大口を叩いただけのことはある成績。やはり見ていて麻雀は上手い。とてつもなく上手いのがわかる。ただ、配牌はあんまり良くないんで、実は麻雀運は太くないのかもしれない。悪い配牌を丁寧に打って追いついてアガるのを見て、これはモノが違う(強い)と思わされたのは1度や2度じゃなかった。惜しむらくは、時折見せられるキモい表情と声で、全然応援しようという気にならない点だ。堀ガールズを増やす為にも、さらに勝ちを積み上げてほしいところである。

運不運に左右される内川と違って、実力で勝ちをもぎ取るスタイルの堀の方が、サクラナイツ優勝の為のキーマンであることは間違いない。けつをまくって逃げたたろうに代わって協会を代表して麻雀を打っているので、堀が勝てば勝つほど、協会のネクストMリーガー達の株が上がるわけだから、元雀王としては死んでも負けられないですよね。

【第5位】松本吉弘+272.5p(7-10-6-4)

去年は地獄、今年は天国を見た人。打ち方自体は目に見えて変化を感じられなかったので、おそらく特に打ち方は変えていないと思われる。よって、今期は上振れ、昨年は下振れを引かされたわけで、この二年間で松本本人が麻雀の恐ろしさを骨の髄まで感じたことだろう。ちなみに三年間の成績を平均で出すと平均+16.1pなので、まさにベストバランスな男である。今年に関してはバカヅキの一言につきる。今期のトップは7回だが、60000点超えが1回、55000点超えが2回、50000点超えが2回、45000点超えが2回となっており、全てのトップがバカヅキトップで、競り勝ったトップは1度もない。あまりのバカヅキに、不相応にもトータルトップ(MVP)を狙いにいって連闘するも、結局、格の違いを見せつけられて終わった。終盤にバカヅキが止まってポイントを減らしてしまったが、減らしたポイント以上に落ちだした調子が心配である。アベマズが優勝を逃した時の戦犯になりそうな気がしてならない。

なんだかんだ言って、たまに馬鹿押ししちゃうけど、基本的に松本はちゃんと打ててるんですよね。なんというか、大多数が選ぶであろう正着打を選ぶ技量はしっかりある。人間の麻雀打ちとしては上位クラス。ただ、多井や小林の技量や寿人や黒沢の運といった、人外クラスの打ち手には慣れないだけ。常識人なだけに、麻雀界のトップに立つ姿は想像できない。いい人だとは思うけど。

【第6位】多井隆晴+234.4p(7-10-2-6)

今さら多井について語ることなど特にないんですよね。誰がなんと言おうが、現役最強の麻雀打ちであることは間違いないもの。一時期はマイナスポイントの時もあったが、なんだかんだいって、最終的にはこの位置まで戻してきた。麻雀運もあるし、麻雀の技量は当代一。最強位も取ったし、まだまだ多井の時代は続くのは疑いようもない。滝沢のように麻雀運が枯れない限りは死ぬまで安定でしょう。とりあえず、藤田社長の手前、そろそろMリーグのチーム優勝をしておきたいというのはあると思うが。

麻雀のことは置いといて、多井の承認欲求の強さはとどまるところを知らんね。そこそこ小銭を稼いでるだろうに、身近に藤田社長のような億万長者がいると、もっともっとと思っちゃうのかねぇ。所詮はこの世界に無くても誰も困らない麻雀打ちという職業だというのに。それにしてもよく働く。そこだけは感心するが、そんだけ色んな人と関わる機会があって、それでもなお厨二病みたいな発言があるのは何でなんでしょうねぇ。

【第7位】黒沢咲+193.3p(10-6-9-6)

豪運。そうとしか言い様がない。多井寿人と並んで、3人しかいない3年連続レギュラーシーズン成績プラスのプロ。この打ち方で、だぜ。寿人とは違う意味で、これまた麻雀ガチ勢の不倶戴天の敵。打ち方は三流、成績一流、そしてプロデュース力は超一流と言ったところ。黒沢が1鳴きしただけで他3人がオリ出すとか、マジでコントかよ。それだけこの3年間でのセルフプロデュースの賜物なのだろう。黒沢がついてる時の麻雀はマジで面白い。ついてない時の麻雀は存在感ゼロ。とはいえ、実況解説席を一番わかせるプロかもしれない。

Mリーグで一番魅せる麻雀を打っていると思います。よく考えてみたら、本名と年齢を隠して一番胡散臭い人のはずが、一番堂々とした麻雀を打つんですから、そのギャップたるや凄まじいものがあります。あと、個人的にですが、テレビ映りが悪いですね。実物を見たら綺麗で誰しも絶対ファンになっちゃいますよ。黒沢チャンネルも見てます、はい。

【第8位】村上淳+122.9p(8-4-10-4)

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