【Mリーグ】レギュラーシーズンが半分(44/90)終わったので、各選手への個人的な感想を書いてみた【2021】

12月17日の試合終了をもって、全チームがレギュラーシーズンのほぼ半分の44試合を消化しました

終わってみると、あっという間で、もう折り返しかと驚いています

天国モードを引いた選手、地獄モードが終わらない選手、各選手10戦前後の結果に過ぎませんが、全32選手のレギュラーシーズン前半戦の感想を独断と偏見をもって、書いてみようと思います

敬称は略させていただきますが、大舞台でとんでもないプレッシャーの中で戦っている全てのMリーガーを尊敬しています


【第1位】伊達朱里紗+300.4p(5-2-3-1)

ニューヒロイン爆誕!Mリーグ2021は伊達朱里紗の為にあったのかーって感じの大活躍。彼女を指名したコナミの関係者は有能すぎる。最高得点を叩き出した勢いのままに、前半戦を個人1位で終えたのはお見事の一言につきる。勢いだけでは、とてもじゃないが魑魅魍魎がばっこするMリーグで個人1位は取れない。たんなるフロックではないのは長時間の自身のMリーグ振り返り配信を見てもわかる。麻雀に対して真摯な姿勢で向き合っているのがわかる。さらに闘牌中の凛とした美しい表情。そして決めポーズであるウイニング水飲み。これで人気が出ないわけがない。

最高得点を叩き出した試合があるとはいえ、半荘平均素点38218点は2位の松本と約7500点もの差をつけてのブッチギリの1位。半荘平均和了回数も3.09回で1位。半荘平均自模和了回数も1.73回で1位。朱きヴァルキュリアの名に相応しい攻撃力である。ただ、まったくの懸念材料がないかというとそうでもない。放銃回数が多いのである。そこだけが今後の課題ではないだろうか?とはいえ、後半戦でどんだけ失速したとしても、今ある300pを吐き出すのは難しいだろうから、参戦1年目からポイントプラスで終えれるのは間違いないだろう。

【第2位】松本吉弘+189.4p(4-5-1-2)

10月11月は、勝てないながらも好調をキープしていて、12月に入ってからは3連勝と大爆発!一気に個人順位2位までかけ上がった。松本の麻雀はクセのないマジョリティの選択の積み重ねである。基本的に真っ直ぐで無駄なくそつなくなので、ついてる時は普通に勝ちまくる。二年前の掴み芸の頃を知っているだけに、今の松本の麻雀は勝ってもつまらないと思うのは私だけであろうか?やっぱりどんな競技でも、図体のデカイ男が小さい人間に負けるのを見るのは痛快だと思うんでね。

昨年からの勢いそのままに、今期も結果を出している。平均素点は30783点で2位。安定感がある。そして、今期の松本の一番の特徴は、放銃が少ないことだ。半荘平均放銃回数が0.58回と、全選手中ブッチギリで1位である。とにかく堅い。今の松本の堅さが本物ならば、このまま大崩れしない でレギュラーシーズンを終えるだろう。

松本は間違いなく次代の麻雀界を引っ張っていく若手である。その若手が多井に傾倒して守備力がつくのは悪いことではない。しかし、多井の悪い面である、顔芸長考強打を真似するのはいかがなものかと思う。対局後の涙はいいと思うが、対局中は滝沢のように紳士的に振る舞い、下の世代の手本となるべきである。そもそも、セット売りの相方の白鳥と違って、松本は多井やたろう、寿人や堀といった超人級の打ち手にはなりえない。松本が目指すべきは、滝沢。滝沢こそが松本の10年後の理想。異論は認めない。

【第3位】沢崎誠+182.1p(5-2-2-2)

マムシ復活!参戦初年度の強いマムシが帰ってきた。去年は地獄を見たが、今期は初年度のような押し引きバッチリで、得たいの知れない強さがまた猛威を奮っている。沢崎の麻雀を見ているとデジタルの限界を感じて仕方ない。やっぱり麻雀は人対人なのだとつくづく思う。ちなみに沢崎の著書の「沢崎誠の強すぎる麻雀経験論」は面白いのでオススメする。

なんでそれが止まるの~って場面を今期は幾度となく見ています。半荘平均放銃回数が松本に次いで2位(タイ)で、半荘5回打って4回しか放銃しないという堅さ。かといって、下りてばかりいるわけでは決してない。沢崎の麻雀は極めて繊細。とぼけた顔、コミカルな体型、強引な押しで、大胆不敵な印象が先行するが、その実、かなり繊細な麻雀を打っている。多くの雀士が広いイーシャンテンを取ってテンパイを目指す中、沢崎は強いテンパイ形を目指して麻雀を打っている。効率を犠牲にしていても、テンパイした時のアガリやすさが断然違う。悪い言い方をすると昭和の麻雀だが、河を読みづらい沢崎の麻雀は、一周回って令和の時代には良いのかもしれない。特にみんなが比較的堅いMリーグという舞台においては。

【第4位】堀慎吾+164.2p(3.5-5.5-3-1)

小さな身長、ビッグなマウスでお馴染みの人。正直な話、あまり好きなMリーガーではないが、間違いなく巧いし強い。攻めてよし守ってよしで、隙がない。多井寿人黒沢の、レギュラーシーズン毎年プラスの系譜に、間違いなく名前を連ねていく人物。麻雀星人が攻めてきた時に、人類から三人代表を出すとしたら、個人的には多井と堀を間違いなく推薦する。それぐらい私は堀を買っている。いずれ必ずレギュラーシーズンMVPを獲る日が来ると思っている。

訴えられかねないのでこういうことは公の場では言いたく(書きたく)ないのだが、堀は多井同様に理牌読みをやってるね。あくまでたぶんですけど。たぶんですよ、たぶん。ちょっと露骨すぎた時があったんで、もう少し目立たないようにやったほうがよろしいかと。

まぁ、堀は麻雀採用だから、絶対に負けられから辛いところではあるよね。負けないけど。

【第5位】勝又健志+160.8p(6-1-3-2)

チーム30試合めぐらいまでは、今シーズンは勝又のシーズンになるかと思うぐらいの勝又無双だった。手組と読みは超一流の勝又に運が味方すれば(風が吹けば)、そりゃ~勝ちまくるでしょ。途中で伊達に話題(注目)を持っていかれ、個人トップも奪われ、直近の不調で気づくと個人5位まで下がっていた。一時期300p越えでブッチギリで個人トップだったはずなんだが…。早くもバカヅキの反動が出てきているのだろうか?

と、思わないこともないが、それにしても今期の勝又はツキが太い。12戦焼鳥(ノー和了)なし、かつ11戦は複数回の和了をきめていて、まったく出番(見せ場)がなかった半荘がない。勝てなかった試合でも、一度へこんでからの高打点での盛り返しが凄い。今期はとにかくドラがくる印象。昨シーズンファイナルからのツキは間違いなく継続中。実力に運(風)が伴うと成績は出ちゃうよね。今は本人も麻雀打ってて楽しいんじゃないかな。チームも首位だし。

【第6位】滝沢和典+130.7p(4-3-2-2)

私は滝沢は連闘で生きる打ち手だと思っていました。(実際昨シーズンはそうでした)。チームを移籍して、連闘できなくなって、成績を落とすと予想していました。ところがどっこい、この成績。チーム移籍は大成功でした。気分良く麻雀を打てるのとそうでないのとは、やっぱり成績が違ってくるんでしょう。

私は滝沢は麻雀打ちとしては、もう落ち目だと思っていました。実際、連盟のリーグ戦では低迷してるし。麻雀運が枯れかかっていると見てました。ところが今期蓋を開けてみたら、ずっと好調を維持。平均素点上位、平均和了回数上位、平均自模和了回数にいたっては堂々の3位(※ちなみに1位伊達2位亜樹)という絶好調ぶり。顔良し所作良しなんだから、あとは愛嬌。近藤ぐらいはっちゃけてくれれば、Mリーグの顔として、理想の雀士として他の業界に売り出せるのに、そこだけはモッタイナイ。

【第7位】朝倉康心+130.1p(4-4-2-3)

Mリーガーの皆さん。やっちゃいましたね。遂にのせちゃいけない男をのせてしまいました。朝倉はのせちゃいけない男です。負けてる時は勝手に自滅していく男ですが、勝ってる時は気が大きくなって、さらに勝ちを積み重ねる男ですよ。3連ラスからの3連勝ですからね。もうこれはお祭りですよ。彼には麻雀しかないですからね。麻雀が巧いことが彼のアイデンティティー。そんな男が麻雀でのっちゃったら、もうどうなるかわかりませんよ。

今期は序盤から好調をキープ。3連ラスをくらうまでは、今期は一味違うぞと思わせてくれてました。そしてくらった3連ラス。やっぱり朝倉は朝倉だよなと日本中が思ったことでしょう。今期の朝倉は終わったと。ところがどっこい、その後の望外の3連勝で奇跡の大復活。やっぱり今期の朝倉は一味違うようです。

何が違うかって、平均素点が30008点で第4位ですよ。昨シーズンの朝倉の平均素点は19263点ですからね。一万点も平均素点が違ったらもう別人ですよ。そして一番の驚きが、半荘平均和了回数が伊達を押さえて堂々のトップです。最下位の村上の2.5倍アガっています。昨シーズン2勝しかしてない人が、早くも倍の4勝。こんだけ好調なら、元々麻雀巧いんだからそりゃ勝つよ。でも、両手を上げて信頼できないんだよなぁ、昨年一昨年の成績が成績なだけに。

【第8位】瑞原明奈+119.7p(3-6-0-2)

普段は可愛いくて、対局中は美しい。あんた最高だよ。もうね、メロメロですよ。

いつもは普通に打って、全然アガれないでお馴染みの瑞原ですが、今期はツキ(風)がきています。連対率が81.8%で、亜樹(90%)に次いで2位。全32選手中唯一、出場した試合全てで2回以上の和了を取ってる好調さ。そして平均放銃回数も、松本に次いで2位タイという堅さ。これは3シーズンめにして、遂に覚醒か?後半戦も今の成績を維持して、大好きCM(ビジュアル)だけじゃないことを見せつけてほしいところである

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