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うつわ 人器と天器 その7



 怒りの感情で、全身は身構えて、立ち向かい、エネルギーを動員することとなります。
 この緊急事態がおさまると、こんどは副交感神経が作動して、身体はもとの平和状態に復元する仕組が出来ています。
 しかし、怒りが、しばしば発生すると、身体的疲労身体に障害が現れて来ます。
 怒りが繰り返される毎に、肝臓内のグリコーゲンは分泌され、ぶどう糖となり、血液内に流れ込みます。当然、血液内の糖(血糖)は高くなる事が想像できます。これが復元する暇もなく、怒りが連続しますと、糖尿病となる危険性が出て来ますし、血糖値が常に高いと、白血球やリンパ球の活動が鈍り、細菌に対する抵抗力は弱くなり感染しやすくなります。
 怒りにより、血管は収縮するから、血圧は高くなり、動脈硬化の人が怒ると、脳出血を起こし安くもなります。また、怒ると血液の粘稠度(ねんちゅうど) は増し、脳梗塞を招き、胆石などの結石をつくりやすくなる事も予想されます。怒りは、阻害物や外敵を排除しようとする緊急行動ですから外に向かっての対処に重点が置かれています。内部活動の消化や吸収は、一時的におろそかになるのは、やむを得ないことです。また怒りっぽい人は、消化性潰瘍を作りやすいとも言われます。
 怒ると、交感神経は興奮し、生体はムチをあてられた馬のように頑張り、これをもとに復元するには、副交感神経の緊張が強いられることになります。
 内蔵を支配している副交感神経は、迷走神経とゆばれています。迷走神経の緊張しやすい型の人は、消化性潰瘍や神経性下痢を起こし易くなりますし、胃が捩じれる程癪に障ったり、腸が煮えくりかえる程怒リマスト、胃腸に障害を与えてしまいます。
 激情の時は、見境がつかなくなり、日頃考えも及ばない破壊行動をします。怒りは、人間を狂気に追い込みます。
 いつも怒りで、頭にくる人は、頭痛もちになる確率も高まります。
 怒りは、身体を不調和にし、病をひき起こすことにも成りかねません。

                                つづく

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