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関西フットサルリーグ守護神たちの肖像~インタビュー:フエルテ大阪・濱選手&バディ・二神選手~

こんにちは!今回は関西リーグで活躍するゴレイロ2人へのインタビュー記事です。

皆さんも「チームの勝敗の50%はゴレイロの出来で決まる」との言葉を聞いたことがあると思います。それだけフットサルのゴレイロは勝敗にかかわる重要なポジションであり、特殊な技術や役割を求められます。

関西リーグ1部、2部で活躍する2人に色々な質問をぶつけ、互いに質問もしてもらいました。

濱 海秀(はま・かいしゅう) ※関西1部・フエルテ大阪所属

1996年生まれ、京都府出身。シュライカー大阪サテライト(2013-14)、パスドゥーロ田辺(15-17)を経て、関西1部・フエルテ大阪(18〜)に所属。昨シーズンはフエルテ大阪にて全日本フットサル選手権関西大会優勝で全国決勝トーナメントに出場。18年4月-19年4月まで、デフフットサル男子日本代表のゴレイロコーチとして指導にあたる。Twitter

二神 聡史(ふたがみ・さとし) ※関西2部・バディフットサルクラブ所属(奈良)

1990年生まれ、福島県出身。小学生から奈良で育つ。高校の同級生と「glanz futsal 」を立ち上げ、奈良県リーグでベスト5に選出。2016年に「buddy futsal club」(現在関西2部)に移籍。17年度関西フットサル1部リーグ準優勝、地域チャンピオンズリーグ出場。18、19年度奈良県選抜。

写真協力はフエルテ大阪様、バディ様、aibon様です。それでは本文です。

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セレクションでシュライカー大阪サテ入り

ひで:シーズン終盤の忙しい中、取材への協力ありがとうございます。2人のフットサルとの出会いを教えて下さい。

:小学校から高校最後の年までずっとサッカーをしていました。途中、中学校は地域のクラブチームに加入し、また別で学校では部活に入らないといけないため、ハンドリング技術を上げる目的でバスケットボール部に入部し、中学校期間のみバスケとサッカー双方のスポーツに取り組んでいました。

高校でサッカーを本気で学ぶために、福知山成美高校という京都の寮のある高校に入学し、部活に明け暮れていました。ただその時、思うような結果は出せず、3年間Aチームには上がることはあってもスタメンとして出る機会はほぼ無く、サブのポジションを奪い合うような存在でした。

僕が1年生時、当時監督に言われたのは「シュートストップや飛び出しは俺が見た中で過去1番だが、お前はキックが飛ばんから使えん」と言われ、それから毎日自主トレでロングフィードの練習をしましたが、そのまま3年間終わりましたね。

部活引退の時に、監督が卒部する3年生一人一人に、過去話も踏まえてお話し頂くのですが、その時に言われたのは「お前はフットサルした方が花開くと思う」と言われました。その時に初めてフットサルという選択肢が自分の中に生まれましたが、「どこでやんの?」という問題と、家庭のお金の関係で大学ではサッカー部に入らず、「サークルどこがいいかなぁ」とフラフラしていました。

そんな時に同じ関西大学で同じ学部だった現広島F・DOの水田伸明(当初シュライカー大阪サテライト)に「ちょうどシュライカーのセレクションあるし、受けろよ!」と誘われて受けに行ったら、よくわからないうちに受かりました。今でもあいつにフットサルという競技に誘ってくれたことを本当に感謝しています。


二神:幼い頃からスポーツ大好きな父親の影響で、よく外でサッカーや野球をしていました。サッカーを習いたいなと思っていたのですが、住んでいた地域にはなかったので、小学生の頃は公式のドッジボールクラブに所属しており、中学は部活にサッカー部がなく、ハンドボール部に入りました。

しかし、どうしてもサッカーをすることを諦めきれず、離れた地域にあったサッカークラブに入部しました。もちろん素人なので、すごく肩身の狭い思いをしていましたが、それ以上にサッカーができる喜びは大きかったです。キーパーではなくFPでした。

高校でもサッカー部に入ってFPでしたが、2年生になって3年生が引退して自分たちが中心になる時期が来ました。しかし、そんな時に問題が起きました。2年生のキーパーが1人いたのですが、練習にほとんど来ずキーパーがいない状態でした。どうするかと話し合いになった時に、チームの1人が「二神、キーパーやっちゃえよ」と声を上げたのが私がキーパーになったきっかけでした。前述した球技の経験もあり、それなりにキーパーは出来ました(笑)。

フットサルとの出会いは、高校のサッカー部で出たフットサルのワンデー大会でした。バディの濵口とはよく試合をしました。そこからフットサルにはまり、高校の同級生たちと奈良県のフットサルリーグに挑戦したのが、競技フットサルを始めた経緯です。

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「もっと上手くなりたい」関西リーグのチームに移籍

ひで:関西リーグで戦う今のチームに入るまでの経緯を教えて下さい。

:先程の流れでシュライカー大阪サテライトに2年間所属させて頂き、3年目で契約の話はなく、退団という流れに。本格的にフットサルのことがわかってきてプロという目標が明確になってきた矢先だったので、その時はショックで「フットサル辞めようかな」と思い、何も手つかずの時期がありました。

そんな時に、フットサルのことしか考えてない自分がいて「やっぱりフットサル好きやし、やめられへんわ」と思い、当時関西2部リーグに所属していたパスドゥーロ田辺に入団させていただきました。

パスドゥーロ田辺では本当にメンバーの方々に良くしていただき、GM含めて今でも大好きなチームです。ただ、リーグ結果として1年目は大阪1部に降格し、2年目の府リーグで2位の結果により関西チャレンジリーグという昇格戦に回ることができましたが、勝ちきれず昇格出来ませんでした。

自分の無力さに脱帽し、「チームに対して何も返せなかった」と悔しさと共に「もっと上手くなりたい」という意思が生まれました。そんな中、その年ずっと現ヴォスクオーレ仙台の加藤翼さん(当時フエルテ代表)に「お前が必要や、フエルテ大阪に来てくれ、待っている!」というお話があり、田辺にはゴレイロが僕1人しかいなく、チームにとってどれだけ迷惑をかけるかわかった上で移籍しました。

そもそも翼さんとはシュライカー大阪サテライトで一緒にやっており、さらに中田領くん(元シュライカー大阪)や水田貴明さん(現府中アスレ)ら本当に僕がフットサル何もわかってない時期に一緒にシュラサテとしてやらせて頂いていた先輩方がいて、「その人たちと一緒にやったら絶対楽しいだろう」という上のレベルへの挑戦がありました。

二神:大学生のころに高校のサッカー部仲間で、チームを作って奈良県のフットサルリーグに挑戦しました。当初は遊びのフットサルから競技のフットサルに変わったことから、お金の管理をしたり、練習場所を考えたり、色々なことが初めてでしたが、同級生ばかりでしたのでそれも楽しかったです。ゴレイロは自分ともう1人いましたが、特別ゴレイロの練習をしたことはほとんどありませんでした。

県リーグに所属してから初年度はあまりいい結果は残せていませんでしたが、次第に全日奈良でベスト4になったり、県リーグではベスト5に選ばれたりするなどチームとして、充実はしていました。ただ、フットサルの世界を知っていくうちに「もっと上手くなりたい!」と思うようになりました。

そんな中で、当時奈良県で唯一関西リーグに所属するバディに加入させてもらいました。ずっと同級生とやってきたチームを辞めるのは本当に悩みました。でも今でも自分を応援してくれて、間違いなく心の支えになっています。

Fのゴレイロコーチから基礎を学ぶ

ひで:2人はどなたからゴレイロの基礎を学びましたか?

二神:最初の頃は「なんとなく」でプレーしていました。それではもちろん通用しなくなり、フットサルの動画などをよく見ていました。しかし、ある程度の知識は得られましたが、私は高いレベルで実際にプレーしないと実力がつかないなと思い、県内で実力のあるチームにお願いして、練習に無理やり参加させてもらいました。そこでの学びは大きく、ゴレイロのことだけではなく、フットサルのイロハも教えてもらえました。同時に選手との交流も増えました。今年度、奈良県1部リーグで優勝を決めたコンフィアンサのゴレイロ・大中さんや川端さん、関西1部リーグのペティロッソ香芝の高田さん、フエルテ大阪の元清水さんにはすごくお世話になりました。

そんな中でも大きな出会いだったのは、現在Fリーグのバルドラール浦安のゴレイロコーチをされている橋谷英志郎さんです。当時私が練習に行かせてもらっていたチームの監督だった元Fリーガー長本大将さんとの繋がりで、バルドラール浦安のセグンドが行った合宿に参加させてもらい、そこで初めてお会いしました。そこからのご縁で、奈良でゴレイロクリニックをされた時には参加させてもらい、現在所属しているバディのトップチームと女子チームのゴレイロ指導などもして頂きました。

橋谷さんは一つ一つのプレーの意味をきちんと説明して指導してくれるので、納得して指導を受けられました。短い交流ですが、私のゴレイロとしての基礎の部分は橋谷さんの学びが大きいです。ゴレイロは一つのプレーに対して様々な考え方があります。たくさんの方からの意見を聞くのも大事ですが、1人の信頼できる指導者に一貫して指導してもらうことも大切だと思います。

:当時シュライカー大阪のゴレイロコーチだった定永久男コーチに学ばせていただきました。一時期スペインのバルセロナに、2か月ほどフットサル留学を現地コーディネーターアシスタントのもとで経験させてもらい、現FCバルセロナBヘッドコーチのチャビクロサスにマンツーマンでしごかれまくりました。彼のトレーニングは本気できつく、よく足がつりそうになっていました(笑)。

そこでフットサルのゴレイロとは?というシンプルな定義づけを学ばせていただきました。そしてデフフットサル日本ゴレイロコーチとしてのコーチ指導。僕自身の問題で、今はその立場では無いのですが、人に「ゴレイロとはどういうもの」を言葉にして、「どうプレーしたらいい」を伝えていく作業は、僕自身のプレーの質の向上にもなりました。その時教えさせて頂いた折橋選手(現デフフットサル日本代表GK)には、教える立場なのに教えられることばかりで本当に僕は頼りなかったと思います。

今は僕にゴレイロを教えてくれた現デフフットサル日本代表ゴレイロコーチの定永コーチのもと、僕なんかより上手くなっているはずです。ちょっと話はそれましたが基本は日本と海外フットサルの試合ハイライト集をずっとみてますね。それで「僕だったらこう止める」「こう指示してコース限定する」とか自分なりにシミュレートしています。

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指導者のいない全国のゴレイロへ

ひで:アマチュアでは本格的なゴレイロの指導を受けにくいことがあると思いますが、そのような環境の選手はどう学べば良いですか?

:僕自身シュラサテの時はゴレイロコーチがいたのでしっかりとゴレイロトレーニングが出来ていたのですが、パスドゥーロに移籍して社会人チームなので人が集まらない時があり、基本1年目は1人でトレーニングすることが多く、2年目にはゴレイロがチームに1人しかいないという状況で1シーズン怪我もできない環境でトレーニングしていました。

僕が言えるのは1人で出来る上達法ですね。何をしていたかと言うとフィジカルトレーニングをチームトレーニングとは別の時に行い、自分の体づくりから始めました。それには怪我予防の目的もあったのですが、いかんせんフットサルのゴレイロは、凄く体を動かすんですよね。シュートの場所は質によっては体で面を作ったり、二の腕や内腿、膝でシュートを止めたり。

結局はサッカーと比べてフットサルのシュートって近くて速いので、ゴレイロもそのシュートに対して反応しようと思うと最終結論、ボールに対してアプローチの速い部位でシュートをストップするのが最適化の1つだと思いました。そこからアジリティや体の柔軟性の意識、筋肉のここに力を入れるとスムーズに体の動きが出来るかという部分を色々シミュレートしました。自分の体を動かすイメージトレーニングとデモンストレーションのトレーニングです。

あとはチームのトレーニングはもちろん、あらゆるゴレイロの失点シーンを振り返っていく、シュートの止め方をイメージしてみる。それをチームトレーニングのプレーにやってみて有効的なシュートストップの手法なのか「PDCA」を回す感じでした。

「とりあえず頭をひたすら動かす」ということです。過去にどなたかとお話しした記憶があるのですが、どれだけ「その失点について考えられたか」だと思います。

二神:ゴレイロの指導ができる人は本当に少ないと思います。指導者がいないのであれば、まずは基本的な動き(ステップからのセービングetc)を練習時に必ずすることです。ボールを蹴ってくれる人がいなければ1人でできるメニューもあります。基礎ができてないことには次のステップに進めません。そこは徹底的にやるべきですね。

他に、私の経験ですがゴレイロについてなんでも相談できる相手を見つけることです。これはもう割り切って自分のチームではなく、例えばよく練習試合をするチームや、同じカテゴリ(リーグ)のチームのゴレイロがいいですね。ゴレイロはやっている選手が少ない分、集まった時の結束力はすごいです(笑)。

関西2部リーグのドントハフトゥ代表のゴレイロ、南口くんと奈良県ゴレイロ会というものを立ち上げて、県内ゴレイロのレベルアップと交流を広げる活動をしました。実際に交流が広がったのはもちろん、県内のゴレイロだけで練習して、細かいプレーの意見交換もでき、自分もプレーの視野が広がりました。ゴレイロの指導者がいないチームのゴレイロは、どんどんチーム外に出て、広い視野を持つこともレベルアップに繋がると思います。

多様な能力が求められるゴレイロの魅力

ひで:ゴレイロのパフォーマンスは勝敗に直結するため、精神的にキツイポジションと思います。2人にとってゴレイロの魅力は何ですか?

二神:フットサルにおいて、ゴレイロは多彩なプレーを求められるポジションだと私は考えています。シュートに対するセービングやブロックはもちろん、ゴールに直結するスローイング、時には攻撃的なプレーとして擬似的なパワープレーを仕掛けるし、「ゴールを守る=ゴレイロ」ではないことが魅力の一つですね。

その分、スローイングの正確性や足元の技術など、シュートストップだけではない多岐に渡る能力が求められます。私にとってはそれがやりがいですね。未だに100点満点の練習や試合をしたことはないです。「このプレーはここがだめだった」「あの場面では何が正解だったんだろう」と悩んで終わる毎日です(笑)。まだまだ下手くそだと本当に思っています。でもそのような自分の伸びしろを感じ続けることが成長に繋がると信じています。

きついところは、たくさんありますね。特によく感じることとして、FPはチャレンジしたプレーで失敗をしても多くは単なるミスと捉えられます。ただゴレイロがするチャレンジの失敗はミスではなく、失点です。同じチャレンジしたプレーでもはっきりいって重みが違います。ゴレイロの大先輩である、ペティロッソ香芝の佐藤さんには「ゴレイロのミスの失点は士気が下がるぞ!」とよく言われます。

1プレーの重要性は最近よく感じるようになりました。それをきっかけに試合の流れを変えてしまうこともあるので…。そういった所はゴレイロのきつさでもあり、難しさでもあると思います。

:ゴレイロの魅力は、はっきりいって出番が多いこと。そこが自分がフットサルのゴレイロにハマったポイントですね。やはりサッカーのゴールキーパーだと1試合を通して中々ボールに触れないこともあり、ゲームに関与する時間帯が直接的に少ないと感じていました。実際は常に関与するのですが。

ただフットサルは狭いコートで、速い展開で動くスポーツです。その中で各プレーヤーが色んな意図でアクションを起こし、それを予測し、ポジションチェンジを繰り返し、コーチングを行なったりするのでゴレイロとしての仕事がめちゃくちゃ多いです。

そのタスクの多さにやりがいを感じており、無失点に抑えられた時は達成感に浸っています。少し泣き言というか、きつい部分でいうと体をめちゃくちゃ張るということ。面でブロックするというシュートストップがあるわけで、実際にリーグ戦とか終わった後は打撲で体がボロボロになりがちです。

もう一つは自由度が高い。サッカーのGKだといくつかのプレーの型がキーパーにあるように自分自身感じていました。でもフットサルのゴレイロはイタリアのゴレイロは特にですけど、ゴレイロがドリブルしていってシュートを打って決めてしまうシーンが結構あります。それをみた時に「えっ!それありなん!」という衝撃を受けたことから、フットサルのゴレイロはそういう攻撃関与もそうですし、もちろんシュートストップの方法の多様性に楽しさを感じていました。

ドリブルするゴレイロに憧れて、チャンスが有ればドリブルを仕掛けてカウンターとかを狙ってるんですが、でも自分自身、失敗することが多いのでチームメイトにはよくいじられます。そのため、最近はアンパイに早めにパスしています(笑)。

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注目する関西リーグのFP

ひで:関西リーグのゴールを守る2人が注目するFPは誰ですか?

SWHの佐々木淳選手ですね。試合を見ていても「そこからシュート、その体勢で打ってくる?」という非常に攻撃的なプレーヤーで、関西リーグの多くのゴレイロが苦しめられたと思います。残念ながら前回のリーグ戦で欠場されていて、僕は体感して無いですけど(笑)。

(佐々木選手)

あとはミキハウスの野口大輝選手ですね。個人的には、元々パスドゥーロで一緒にやらせていただいて、大輝さんの突破力は他の選手にはない独特な間があり、かき乱されたDF陣は多かったと思います。なんと言っても速いですね。

パスドゥーロを退団して以来、個人的にはミキハウスに所属する大輝さんと対戦するのは公式戦では初めてなので次節のミキハウス戦が楽しみです。でもやっぱり過去に味方としてはめちゃくちゃ頼りにさせていただいた分、怖いですね。

二神神戸大学の長谷大地選手バディの濵口は関西リーグを知っている人なら、きっと注目されやすい選手ですよね。でもせっかくなのでこれから注目してほしいFPに焦点を絞ります。1人がドントハフトゥの黒崎力来選手。今年の県選抜で初めて一緒にプレーしたのですが、とりあえずプレーのスピードが速かったです。これから練習を重ねて精度が上がっていくと怖い選手になりそうです。フットサル歴はまだ短いのかな?きっとこれからのドントハフトゥを支える選手の1人になってくれるはずです。

もう1人はすでに注目されている選手だと思いますが、神戸大学の河津翔太選手です。プレーを見てフットサルのセンス抜群だなと感じました。速いプレッシャーからのボール奪取能力やシュートセンスは恐ろしいですね。

(河津選手)

あとはすみませんが自チームから選ばせてもらいます(笑)。2人いまして、1人が小池竜雅選手です。彼のボールタッチの正確性は素晴らしいです。足元の技術がしっかりしているので、パスやシュート、ドリブルなど色々なプレーでの幅をこれから広げてほしいですね。

(小池選手)

もう1人が稲葉大典選手です。フィクソとして身体を張った守備や、どんどんピヴォに当てるパスセンスは期待できます。あとは体格を活かした強烈なシュートですね。得点力のあるフィクソは脅威ですからね。2人は今年加入の20歳です。フットサル歴は短く、まだまだ成長する選手なのでぜひ注目してください。

ゴレイロに求められるオフェンスでの貢献

ひで:これまででお互いに聞いてみたいことがあればお願いします。

二神:シュライカー大阪サテライトでの印象深い経験を聞いてみたいですね。

:Fリーグで戦うシュライカー大阪というトップチームがある環境は大きかったですね。サテライトは呼ばれない限り、トップチームで練習することはないですが「けが人が出たので来てみない?」などと声をかけてもらうこともあり、ブラジル人助っ人の「アルトゥール」を見たときは「こんな選手いるんだ」と思い、1vs1になっても、止められる気がしなくて・・・。ゴレイロコーチもいるし、目の前に素晴らしい見本がいるので恵まれていました。

二神:うらやましい環境ですよね。的確に、正確なことを教えてもらえるのでたくさん吸収できる。僕は探り探りでやっているというか、結局失点の原因が突き止められず、「フワフワ」として終わってしまうことがある。修正しようと思ったら、練習が止まってしまうし、難しい部分ですね。シュライカーサテはそもそも練習も多いでしょうし。

:サテとトップチームの練習も参加すると、毎日2部練習になります。大学1、2回生で練習場所と大学を行き来するフットサル漬けの日々で学業との両立が大変でした。僕からの質問では、奈良県にゴレイロ会があると聞いて興味をひかれたのですが、どのようにやっているのですか?

二神:奈良県のフットサル界は大阪と比べたら狭い世界で、全日奈良県予選も8、9チームという規模です。それぐらいの規模なので、ゴレイロ同士でつながりやすいという部分はあって、僕と先ほど名前を挙げた南口くんと一緒に始めたのがきっかけです。

メンバーは8~10人ぐらい。「2人の知識が充実しているので、みんなに教えます」という感じではなく、「参加者それぞれでどんな練習している?」「それやってみよう」などと情報共有というか、特定の指導者がいる訳ではなく、全員がプレーヤーとして意見を出していきましょうというスタンスです。最近活動できていないのですが(笑)。

:やってみて良かったところはどういうところですか?

二神:最初は僕も知らない選手もいて、コミュニティーは広がりましたね。参加メンバーも普段の練習でゴレイロ特別のメニューはほとんどなかったと思うので、1人でできる練習方法を共有しました。動画を共有して「この場合、どう対応したらいいですか?」という意見交換もできました。

:ゴレイロの練習の時間をチーム内で確保するのも難しいので、良い取り組みですね。

二神:練習メニューではFP中心になるし、ゴレイロだけのメニューは10分ぐらいで「そろそろシュートいくで」みたいな(笑)。たぶんどのチームもそうだと思いますが。最近はゴレイロもオフェンス面でも貢献を求められていて、「ハーフラインを超えたプレーもやってみて」と言われています。

:そのプレーをするための練習は難しいですね。試合で咄嗟に出せないでしょうし、思い切って練習でやってみるんですけど、失敗してチームメイトに怒られます(笑)。

二神:同じチームの濵口は、ゴレイロを使ったプレーを積極的に意識してくれています。キックインでゴレイロを使って数的優位をつくるなど、ゴレイロの活かし方を考えてくれているので助かっています。冷静な判断のパスとかは難しいですが。でも公式戦でもゴレイロのオフェンスが得点を呼ぶこともあります。昨年の奈良県選抜ではキックインからのパスを受けてドリブルし、パス&ゴーでゴール前に走り込み、ゴールを決めました。

:ところで対談する相手に僕を選んでくれたのはなぜですか?(注:記事の企画段階で、関西2部からは二神選手を決め、1部で誰に協力を呼びかけるかで二神選手から濱選手の名前が挙がった)

二神:濱選手の印象が基本に忠実で安定感があって、年下なのに凄いなぁと。これからもっと伸びると思ったので。関西のゴレイロもSWHの森田さんや、ミキハウスの村島さんらベテランが長く活躍されていて、2人と対等に渡り合えるゴレイロが出てきてほしいし、濱君のような若い選手が活躍すれば、関西のゴレイロも盛り上がりますしね。僕も頑張らないと。

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リーグ終盤にかける想い

ひで:最後の質問ですが、クライマックスを迎えるリーグ戦への意気込みや今後の目標をお願いします。

二神:チームとして、絶対達成しないといけない目標が関西1部リーグへの昇格と全日の奈良県予選優勝です。昨シーズンは関西1部リーグを最下位で自動降格し、8連覇してきた全日の奈良県予選も優勝できずとチームとしてかなりしんどいシーズンでした。

今シーズンは今までのバディを支えてくれていた主力が抜けてしまいましたが、その穴を埋めるために新加入や若手の選手が良く頑張ってくれています。特にキャプテンの森陽人が若干20歳で身を削ってチームを盛り上げてくれていますので(もちろんプレーでも)彼のためにもこの目標は絶対成し遂げないといけません。

今バディはチームとして大きく形を変えて、新しいバディを作っているところです。岡田監督も常にチームのことを考えて、スポンサーを見つけてくれたり、1年を見据えたチーム運営をしてくれたり。選手が試合でおもいっきりプレーできるように影で色々なことをして頂いていることに感謝です。

個人としては、奈良県のフットサルがもっと盛り上がって欲しいので、ゴレイロとして色々な活動ができればと思っています。一個人では、まだ何もできないのでたくさんの人と協力して奈良県のゴレイロやフットサルのレベルアップの役に立ちたいです。

:今後の目標というよりかは、本当に目の前の試合に集中ですね。昨年の全日本選手権では、フエルテ大阪で関西大会を優勝し、全国大会に出場しました。F2のボルクバレット北九州相手に非常に悔しい思いをしましたし、個人の目標として「最低全国」という高い志をもって戦っていきたいですね。

ただ今シーズンの関西リーグでは、チームとして中々厳しい結果が出ており、降格が目の前にある状況です。どんな結果になろうが残り全ての試合勝ち切ることがとりあえずの今シーズンの目標です。

関西リーグの残り2試合は、強豪ミキハウスですし、最終節はリーグ後半戦、勢いに乗ってきている同志社大学で、最高の相手ですね。無失点で勝ちます。いつでも気持ちはそうです。でも結果が伴いません(笑)。関西リーグ、みんな上手いです。

ひで:長時間ありがとうございました。2人の活躍を願っています。そして記事が関西リーグに興味を持つきっかけになればうれしく思います。

(了)

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関西リーグ終盤の状況をまとめた記事↓です。ぜひ会場でご観戦ください。

それではまた

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