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企業法務部員として知っておくべきM&Aプロジェクト(16)_M&Aプロジェクトを成功させるためのポイントその10_(C)M&Aプロジェクトの全体的な戦略の合理性(ⅶ)_(f)命令を正しく実行させる_M&A法務百科>企業法務大百科

「SMART」基準を充足する適切なコミュニケーションメッセージとしての「正しい命令」が発令されたとしましょう。

「正しい命令」
すなわち、
「デタラメで適当で、具体的かつ現実的な観点で何を達成したいのか理解不能な命令」
ではありません。

また、
「たとえ、美辞麗句がまばゆいくらいに散りばめられた格調高い文章で表現されていたとしても、抽象的で、意味不明で、指示内容が一義的でない命令や、難解さや高尚さのため命令を受けた実行担当者において何を期待し、何を義務付けられているか、さっぱりわからないようなシロモノ」
ではなく、身勝手な解釈や、裁量や冗長性の欠片もない、しびれるくらい、明確で具体的な命令が、無事、命令遂行責任者の認識範囲に到達されたとしましょう。

では、あとは、放っておけば、勝手に命令が遂行され、命令で想定された結果が転がり込んでくるでしょうか?

そんなわけはありません。

大日本帝国海軍連合艦隊司令長官であった山本五十六は、
「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば人は動かじ」
と言ったそうです。

海軍のような、指揮命令系統が整備されていて最終目標が
「敵をより多く殺戮する」
という単純明快な組織ですら、このような状況です。

普通の企業組織において、
「しっかりした、具体的で、明瞭な命令さえ出しておけば、あとは結果が出るだろう」
などという期待を抱く方が、知的水準が疑われます。

ところで、総支配人という仕事があるのをご存知でしょうか?

ホテルなどで、
「支配人」
とは別に、
「『総』支配人」
という肩書をもつ方がいます。

この仕事って一体何なんでしょうか?

具体的に考えてみましょう。

都内の外資系の超高級ホテルをイメージしてください。

同じようなホテル、仮にAホテルとBホテルというものがあり、どちらも同じ星の数で、設備の新しさも同じ。

一休の口コミも同じく4.8ポイントとしましょう。

AホテルとBホテルも同じ料金でした。

唯一の違いは、Aホテルには、支配人のほかに、総支配人がおりますが、Bホテルは支配人しかいません。

皆さんは、同じランクの同じようなホテルに同じ値段で宿泊する場合、総支配人がいるAホテルを選びますか? それとも、Bホテルを選びますか?・・・(以下、略)

以下、ご興味のある方は、

をご高覧ください。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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