M&A法務_特殊な課題・新たな課題_全部取得条項付株式の利用によるスクイーズアウト_M&A法務百科>企業法務大百科
買収者が全議決権を確保するために、少数派株主を追い出す手法を
「スクイーズアウト」
といいます。
スクイーズアウト実現のための手法がいくつか考えられますが、実務上最も多く使われている手法が
「全部取得条項付株式」
という種類株式を利用した手法です。
「全部取得条項付株式」
という種類株式制度についてですが、法案作成段階においては、その制度趣旨について、
「この種類株は、破綻に瀕した株式会社が、新たなスポンサーによる支援を受けて企業が再生できるようにするため、その支援環境を整えるため、支配交替を前提とした100%減資を円滑に行うようにするために導入する」
等と説明されていたようです。
しかしながら、債務超過要件や利用目的を限定するような要件を規定することが立法技術上困難であったこと等の理由で、財務上困難な状況にない会社であっても、また、
「多数派株主が自らの利益のために少数派株主を合法的に追い出す」
という株主平等原則に違背するような目的による利用が可能となってしまいました。
このような経緯もあって、前記のようなスクイーズアウトのための
「全部取得条項付株式」
の利用が行われるようになり、裁判所も、株主平等原則に違背しかねないスクイーズアウト目的での当該種類株式利用を容認するに至りました(東京地裁平成22年9月6日判決)。
具体的なプロセスですが、・・・(以下、略)
以下、ご興味のある方は、
をご高覧ください。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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