企業法務部員として知っておくべきM&Aプロジェクト(13)_M&Aプロジェクトを成功させるためのポイントその8_(C)M&Aプロジェクトの全体的な戦略の合理性(ⅳ)_(c)正しい目的の設定_M&A法務百科>企業法務大百科
おそらく、皆さんは、学校の先生や、お父さんお母さんから、
「努力は尊い。結果が全てではない。努力はいつか報われる。失敗をおそれるな」
といった類の話を聞いて育ったかもしれません。
しかし、これらは、ビジネスやプロジェクトマネジメントの世界(M&Aは、ビジネスの世界における、非常に高度で知的で失敗の多発するリスキーなプロジェクトマネジメントの話です)では、圧倒的間違いといっても過言ではないほど、愚劣で有害な妄想です。
ビジネスやプロジェクトマネジメントの世界においては、無駄な努力、無意味なガンバリ、というのは山程あることはすでにお伝えしているとおりです。
大事なことは努力することではありません。
ガンバルことではありません。
むしろ、目的から逆算した最小限の犠牲で十分なのであり、牛丼のキャッチフレーズではありませんが、早く、安く、それなりに、うまいことやった方がいいに決まっています。
方向性を誤って空回りしていても、努力は無意味です。
努力は無意味どころか、時間を失います。
時間があればカネは作れますが、カネがあっても時間は買えません。
もうすぐ受験の季節がやってきますが、受験も同様ですね。
たとえば、ここに東大を強く志望する高校生がいたとします。
この高校生が、一生懸命、走り込みや、筋トレをやっています。
曰く、
「ボクは、小学校の先生からも、中学の先生からも、公務員をやっているお父さんからも、専業主婦としてパートで頑張っているお母さんからも、ボクが大好きで尊敬する、善良を絵に書いたようなみんなから、こういわれて育った。
『努力は尊い。努力はいつか報われる。失敗をおそれるな』と。だからこうやって、走り込みや筋トレをして、体を鍛え、誰にも負けない運動性能と体力を身に着け、東大に合格するんだ。こんなに、体力を鍛え、努力しているんだから、神様はきっと見放さない。いつか、ボクは東大に合格するはずだ」
と。
しかし、残念ながら、この高校生は、10年浪人しようが、50年浪人しようが、東大に合格することはないでしょう。
理由はかんたんです。
東大の受験科目には、体育がないからです。
だから、どんなに走り込みをしたり、筋トレをしたりして、体育の点数を向上改善させても、それが、どんなに苦労を伴い、負荷がかかり、尊い、立派な努力であっても、その努力は、東大合格、という点に限っては、全く意味がありません。
なぜか。
努力が、目的に結びついていないからです。
努力が、目的から逆算された、合理的で有益なものではないからです。
もっといえば、そもそも、自分の適性や能力に見合った目的の設定がなされていなかったのかもしれません。
こんな話をすると、
「当ったりめえじゃねえか! 何をバカなことをいってやがるんだ! そんなアホなことをするわけねえだろ!」
という声が聞こえてきそうですが、M&Aもさることながら、国家規模のプロジェクトにおいても、狂った目的が設定されたり、目的と無関係で、むしろ目的達成に有害無益な壮大な努力が展開された挙句、自分の首を締めてエライ目にあった、ということは、かなりの数、存在します。・・・(以下、略)
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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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