M&Aや事業提携の罠_M&A法務百科>企業法務大百科
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本ケーススタディ、治療院経営者のためのケーススタディでは、企業法務というにはやや趣がことなりますが、治療院向けの雑誌(「ひーりんぐマガジン」、特定非営利活動法人日本手技療法協会刊)の依頼で執筆しました、法務啓発記事である、「“池井毛(いけいけ)治療院”のトラブル始末記」と題する連載記事を、加筆修正して、ご紹介するものです。
このシリーズですが、実際事件になった事例を題材に、「法律やリスクを考えず、猪突猛進して、さまざまなトラブルを巻き起こしてくれる、アグレッシブで、怖いものを知らずの、架空の治療院」として「“池井毛治療院”」に登場してもらい、そこで、「深く考えず、あやうく大事件になりそうになった問題事例」を顧問弁護士の筆者(畑中鐵丸)に相談し、これを筆者が日常行っている語り口調で対応指南する、という体裁で述べてまいります。
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相談者プロフィール:
「池井毛(いけいけ)治療院」院長、池井毛(いけいけ)剛(ごう)(48歳)
相談内容:
いえね、治療院の経営者仲間の集まりで、最近、関西からやってきて、ここ東京で一旗揚げようって、野心に満ちた若者に出会ったんです。
彼、浦(うら)桐太郎(きりたろう)という奴なんですが、まあ、ウチみたいな貧乏治療院とちがって、カネはかなりあるそうなんですよ。
彼が、こんな提案をしてきたんです。
浦が、
「駅前にあって、シャレオツなお店がわんさか入っている、ピッカピッカのビル」
の店舗を借り内装工事代金も負担する。
こっちは、その豪華な一等地の店舗にまるっと引っ越し、店舗の運営とかはウチが中心になってやる。
「日々の売上はこっちに管理が任されているが、きっちり報告はしないとダメ」、
って取り決めで、売上は預かって、経費やら差っ引いて利益は半々ってことにするとか、細かいことが書いてある契約書を持ってきやがった。
でね、ウソ、インチキがあったら、騙された方は、店の権利全部丸取りってことは、書いてあるらしい。
あとね、万が一、うまくいかなくなって、
「円満に協議離婚」
みたいな話になったら、1億円で店の権利まるごと引き取るんだって。
ま、こっちは、店は新しくなる、スポンサーがバックにつく、仕事は今までどおり、利益は半分、最悪関係がこじれても1億円って、いいことづくめだよ!
でね、浦の奴、共同経営契約書ってのを持ってきやがったが、まあ、チンプンカンプンなわけよ。
だから、先生、この契約書、さくっと読んで、ちゃちゃっと教えてくれね?
モデル助言:
合併や株式譲渡や事業譲渡といったM&Aが流行っているようです。
今回問題になっている
「共同経営」
も、まあ、広く捉えればM&Aの一種といえるかもしれません。・・・(以下、略)
以下、ご興味のある方は、
をご高覧ください。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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