🅿︎94。アニメーション「ＷakeＵp,Ｇirls！」2018年回の設定page45

🅿️16。🅿︎17〜34。🅿︎47参照。
裏プロフィールを主軸に、公式プロフィールを補助として創作してます。

「アイドル活動ってサバイバルなんですね」（あっちゃん）

無愛想な“阿津木いつか”の言葉に共感し、改めてアイドルの立場を思い知る面々は、考え込んでしまいました。

映像ディスク一枚の視聴が、イヤそれと共に、自分の発言がこれほど問題提起になるとは思いもしなかった島田真夢は、

「難しく考えないでね。でもＲＧＲちゃん達には刺激が強かったかな…。でも綺麗事ではなくて、グループアイドルであろうとも、その中で自分個人へのファンを獲得し増やして行く事が、結果ユニットの人気に繋がるのだから、発信力と言う名の闘争心と、企画力と言う名の存在感は必要だと思う」（ライオン）

穏やかな口調ではありますが、自分が立つ舞台で闘い存在感を示す、と実績のある真夢が語れば重みを感じます。
話しが終わる頃に、久海菜々美が真夢を見据えます。

その視線に気付いた真夢が菜々美に微笑み返すと、

「“まゆしぃ”の心臓と脳味噌は、何で出来てるのかしら。めちゃくちゃメンタルが強いじゃない。普通の人なら、その環境に放り込まれたら発狂しているからね」（オオカミ）

菜々美の言葉に皆が頷くと、微笑んだままの真夢は淡々と答えます。

「芸能活動に身を投じている時点で、既に普通の人じゃないと思うよ…。それに私は…人の感情に鈍いのだと思う『心臓と脳が何で出来ているのか』だけど、きっとゴムね」（ライオン）

…た、耐震ゴム…（サメ）

透かさず小声でツッコミを入れた林田藍里ですが、皆の興味を引いたのか、場の空気が固まるのを感じると、顔を赤くして下を向いてしまいました。

「“あいちゃん”上手い事言うね」（シロクマ）

感心した七瀬佳乃が反応すると、温かな雰囲気が広がりました。

続けて片山実波が、
「それじゃぁ“まゆしぃ”の耐震性能は６強ですか？」

と訊ねますが守島音芽が、

「えっ、震度は７まで有るんじゃないのですか？」（もっちー）

疑問に思いながら問い掛けると、菊間夏夜が答えます。

「震度７は上限がないと言う意味だから、それ以上の耐震性能を語っても意味がないんだよ。“みにゃみ”はそれを分かってて言ってるのよ」（ワニ）

「それじゃあ“まゆしぃ”さんは最高震度でも瓦解しないメンタルを持っているんですね」（はやまる）

速志歩が興味本位で訊ねると、真夢がヤンワリと否定します。

「私ね、耐えているわけじゃなくて、本当に鈍いだけなのよ。だから正確に言えば耐震ではなくて、免震か制震構造なのだと思うの」（ライオン）

納得した音芽と歩を確認した真夢は、思い出したように菜々美に話し掛けました。

「“ななみん”答えるの遅くてゴメンね」（ライオン）

［真夢が志保に何を言ったのか］を答える話しですが、

「急いでないわよ、話しが脱線するのはいつもの事だから」（オオカミ）

全く気にしてない、と言う表情で返します。
改めて真夢は、

「さっきも言ったけど、活動の一環だから全く覚えていないの。私を見る志保に気付いた私が映っているから、何かを言ったのでしょうけど、特別な出来事ではないので記憶にないのよね」（ライオン）

思い出そうとする表情は見せるのですが、他人事のように語るのでした。

興味がない事柄には情熱や努力を傾けない無関心な性格が、メンタルの強い少女を作ったのでしょう。その代わり興味を持てば、人の何倍も努力して頂点を極める天才肌なのです（🅿︎17を参照）

【さて、当時の島田真夢は岩崎志保にどんな言葉を掛けたのでしょうか。
次のようになります。
「真夢のところへ戻って」
とばかり連呼され、自分の存在を忘れられている不安に駆られた志保は、真夢がどんな顔をしているのか見たくなりました。
その横顔を覗くと一人一人に視線を送り、目が合うと柔らかな表情を見せて誘っている雰囲気が理解出来ました。
自分は…早く戻ってらっしゃい…と漠然と立って眺めているだけなのに対して…真夢は芸が細かい…と感じると、言葉に出来ない憤りを覚えます。
加えてその胸元では、ファンに送るように軽く右手を振り、視線の先に送っていたのです。
…あなたはメンバーさえもファンの一人として扱っているのか…と呆れると同時に…基本的なアイドルの振る舞いを自然と繰り出せるのか…と気付くと、この年下の女子を…怖い…と感じるも、同じ振る舞いが出来ない自分に腹が立ち、自然と真夢を見る目が険しくなったのです。
ＷＵＧのメンバーが感じたような、真夢に嫉妬心を向けていたのではありません。
そんな誤解を与えるくらい、岩崎志保の感情は複雑なのです。
視線を感じた真夢が…どうしたのかな？…と言う表情を志保に向けると、睨むような目付きを自分に向けている事に気付きます。
その時、無意識に発した言葉が、

「どうしたの？そんな怖い表情を見せたら、折角の可愛い顔が勿体ないよ」

なのです。
その言葉と彼女の穏やかな笑顔を認識すると、自分を取り戻した志保が、咄嗟に真夢の左腕と自身の右腕を組み、更に左手を大きく挙げると、
「はぁ〜い！真夢はここよ。この前に整れ〜つ！並んでね」
即興で手段を講じたのでした】

「それにしてもこのロケですけど、梅林とはマニアックですね。アイドルさんなら、こう、パァーと桜が満開、みたいな場所からのスタートだと思うんですけど」（ワシ）

岡本未夕が明るい声で疑問を提示すると、真夢が即答します。

「あぁ、このロケは地元の名所案内も兼ねているから、早春の梅の花からスタートしているんだよ。それでここは、墨田区の尾邑井神社の境内で皇梅園と言うのね。東京に住んでいても、梅の花に感動したのはこの場所が初めてだったの。とにかく品種が豊富で、桜よりも華やかなのよ」

珍しく熱く語る真夢でした。

page46に続く。