🅿︎95。アニメーション「ＷakeＵp,Ｇirls！」2018年回の設定page46

🅿️16。🅿︎17〜🅿︎34。🅿︎47参照。
裏プロフィールを主軸に、公式プロフィールを補助として創作してます。

尾邑井神社境内にある梅園の魅力を熱く語り出す島田真夢です。

このまま話しを続けさせると、境内全品種の説明を始めて長くなると判断した久海菜々美は、無言のまま再生ボタンに触れました。

何せ真夢は［興味を持てば異常なまでの集中力を発揮する性格］とメンバー内で共有されているので、会話のどこかで強制終了しないと止められないのです。

さて、再視聴が始まりました。
梅が咲き誇る中、アイドル達が特別に早朝から神社へ参拝します。
先程まで梅林に心奪われて大喜びしていた時と違い、礼儀正しく整列する姿は、さすが礼節を重んじる I-１アイドルの姿でしょうか。

参拝が滞りなく進み、最後に全員でニ拝ニ拍手一拝で締め括ると、不意に一人の影が列から離れ、梅園の枝垂れ梅に向かって駆けて行きました。
他のメンバーやマネージャーは特に驚いた様子を見せなかったのですが、少し遅れて吉川愛が後を追いかけます。

影の主は真夢で、枝垂れ梅の前で止まると撮影を開始し、満足すると今度は自撮りを試みました。
愛が追い付くと二人仲良く自撮りで盛り上がります。
まるで抜け駆けのような行動の二人ですが、他のメンバーが騒ぎ立てる事もなく、それぞれの歩調で合流して行きました。

アイドル達が枝垂れ梅の前に集合すると、その中でも仲の良いグループに分かれ、それぞれ撮影や談笑が始まりました。
真夢と愛は撮影スタッフに声を掛けると、その集まりの一つ一つに足を運び、取材を展開します。
全員との交流を終えると、自ら先頭に立ち集合するように促します。
近藤麻依も整列を働き掛けました。

集合写真を撮り終え、待機しているバスに向かうために一ノ鳥居をくぐると、その場で全員社殿に向き直り一礼。その後、列をなしてバスに乗り込みますが、ここでも真夢は一人一人に話し掛けたり、撮影をしたりと忙しなく動き回っています。

かと言って、特に真夢一人が目立っているのではなく、撮影スタッフを呼んではメンバーにインタビューやヒアリングを試みて、個々の魅力を引き出して視聴者に届けているのです。

皆が乗り終え、最後に真夢と麻依（近藤）が残りましたが、ここでもカメラマンを呼び寄せると、二人が向き合い今日訪れた香梅園の魅力を語り合いました。
さらに真夢が麻依の耳元で何やら囁くとカメラに向かい、

「私達の素顔は伝わったかな？」（近藤麻依）

「 I-１clubが拠点として活動している、東京ウォーターランドエリア（東京海抜0メートル地帯）の魅力を、まだまだ御紹介します」（島田真夢）

そう宣伝すると、麻依より先にバスのステップに足を掛けた真夢です。

続いて麻依が、真夢の後ろ姿を覆い隠すようにカメラの横から姿を見せると、両手を小刻みに振って挨拶し、バスに乗り込みました。

「ちょっと待って！止めて！！」（シロクマ）

ここで大きく声を張り上げたのは七瀬佳乃でした。
思わず反応して映像を一時停止した菜々美ですが、同時に不可解な面持ちで真夢を見つめます。

「この“まゆしぃ”は誰？」（シロクマ）

その意味の通じない言葉は他のメンバーも感じた事で、何かに化かされた気持ちで真夢を見つめるのでした。

何を言われたのか理解出来ない真夢は、

「えっ？私は私だけど…何か変？」（ライオン）

考えながら慎重に口にすると、佳乃が疑いの目をもって訊ねます。

「ねぇ、このロケにはシナリオがあったの？」（シロクマ）

その質問に困惑する真夢は、

「シナリオ？何の事？何もないよ…。あぁ、この場所から地元の魅力を発信するから『気の利いたアド（広告）を入れてね』と、事前にスタッフから求めらていたので…、今最後に紹介した言葉がそうだけどね…。シナリオと言うかPRはそれだけだよ…。その他は映像の通り、私の反応も含めて、一人一人マイペースだよ…」（ライオン）

そのように答えながら、皆の反応を確かめる真夢です。

メンバーはそれぞれ顔を見合わせながら、

…それにしても、全く別人よね…（ワニ）

…何か、ぶっ飛んでない？…（トラ）

…これ素なの？イメージが違い過ぎるじゃない…（オオカミ）

…無邪気なイケメンさんですね…（ワシ）

…人懐っこ過ぎます…（はやまる）

…同じ中学生とは思えない、お姉さん振りです…（もっちー）

…うんうん…（あっちゃん）

どうやら撮影されている島田真夢の印象を語っているようでした。

「確かにステージに立った“まゆしぃ”は開放的で自由奔放だからドキッとする事があるけど、流石にコレはキャラを立てているでしょう」（シロクマ）

失笑しながら感想を述べる佳乃と、

「それなら、この時すでにアイドルの才覚と、女優としての才能が全開よね」（ワニ）

感心する事頻（しき）りな菊間夏夜に皆が追従するのですが、

…そんなに褒められても…と恥ずかしがる真夢は、
「特別キャラ立てはしていないよ。見たまま感じたままに動いて言葉にしているだけだし『今メンバーは何を考えているのかな』と興味があるから声を掛けているだけ…。確かにお仕事だからファンに私達の会話を届けてはいるけど…、皆んなにはパフォーマンスに見えるのかなぁ」（ライオン）

と、苦笑しながら答えます。

直後、皆が揃って感嘆の声をあげるので、照れ隠しなのか、周囲の様子を窺いながらコップを口に寄せるのでした。

page 47に続く。