民主主義とは、夢や幻の思想だと今さら気付いた話しです。

今問題になっている熊の出没による駆除で、現地に何の【提案】も示さずに安全な場所から反対の抗議をする現状を知り、原発処理水放出で隣国国民から、感情的な口撃をしてくる者達、と同じ抗議をしていると感じた時、
「所詮、民主主義とは幻の思想なんだなぁ」
と気付いてしまったのです。

私が中学生の頃[公民]の授業で、先生が教科書の文書以外で、民主主義の実例を話してくれましたが、次の通りです。


【誰かが[案や行動]を示した時にそれに反対であれば、
「あなたは“その”ような考えかもしれないが、私は“この”ような考えだから反対です」
と必ず対案を出して意見を言うのが民主主義です。
ただ闇雲に解決策を示さずに、感情だけで反対するのはワガママか脅しです】

【賛成も同じで、
「あなたの考え方・行動に、私も“この”ような似た考え方だから賛成します」
と主張するのが民主主義です。
まったく同じ賛成はないだろうから、食い違う部分や、踏み込んだ意見も述べて協力するのが民主主義です。
無条件の賛成は無責任となります】

【[多数決の原則と少数派の権利]についての分かりやすい解説は、ぶっちゃけ多数決の意見が正しいとは限らないので、多数派で失策を重ねて手遅れになる場面を想定し、予め少数派の意見を破棄する事なく研究を重ね、今後の方針修正に役立てる備えを確保する事です。
したがって、こちらの意見を通す為に、相手の意見を攻撃してはならないのが民主主義です】

成る程、確かに独裁国・専制政治では、反対派を弾圧・粛正する事が当然ですね。
概ね、このような話しでしたが、今でも鮮明に覚えてます。

さて、民主主義国でも反日教育を受ければ「全て憎し」ですから支離滅裂な口撃を説得する事は困難です。
独裁国や専制政権は言論を抑圧しますので、その国民は思考停止せざるを得ないし、身を守るためには他人を押し除けなければ生きられません。
結果、処理水放出での迷惑電話の内容が、支配層から自分らに向けられている圧力と同じように抗議してくるのです。
国家運営での教育方針の結果ですから話し合いにはなりません。
そもそも一般国民に討議討論が許されてないでしょうから、安全な場所から大きく声を上げて威圧する事しか知らないでしょうね。

そこで今回、人を襲った熊の駆除での抗議ですが、何の対案も示してない口撃ですね。
これは人間関係を分断する強権主義の言動で、お互い敵視し合う結果に結び付きます。
苦情の電話に穏便に対応している自治体は民主主義で、対案無く一方的に非難する方は独裁・専制主義だと理解出来ます。

私は東北人で、登山で実際に熊と遭遇して身構えた経験があります。
自ら生息圏に入ったのですから自己責任でしょう。
また、人が林道を山奥深く作り、野生動物の生息地を脅かした事は事実ですが、私が知る限り通行止めの荒れるに任せ、自然の姿に戻ろうとしてます。

熊はとても賢い動物で、本来人よりも彼(熊)らの方から距離を保ってくれるのですが、現在の人里への暴走は、気候変動による高温障害で食料を確保出来ず、飢えに苦しんでいるからです。
困った事に、人肉の味を覚えたヒグマは何度でも人を襲います。
里に下りて人間と鉢合わせしたツキノワグマは、人が熊より弱い存在だと認識したら、もう怖がらず里を闊歩します。

「腹を空かせ、殺気立てて里に出没する熊による人的被害をどうしたら良いか」
と言う問題なのですが、解決策を提示せずに「殺めるな」との残念な抗議は無責任かと思います。
熊の生態について、私が知る限りの事は次回に書きますが、安全な場所から匿名で一方的な批判は、草木の陰に隠れ、通り掛かる人間を襲う野生動物の行いと同じ事です。

そんな事を思っていたら、ハッと気付いてしまったのですよね。
世界中の国家運営に於いて、表向きは民主主義を主張しても、実際は強権政策の国が多数派である事にです。

民主主義・社会主義・資本主義・共産主義、いずれにせよ一番簡単な政策は、政権運営側が権力を行使し、一方的に国民に押し付ける方が楽なのです。

一人一人の人権を尊重して運営する“生粋の民主主義”は、事前の根回しや妥協点を探る作業に根気が要るものです。
余程の人格者でなければ精神に異常をきたすものです。

民主主義の最もな長所は【最悪(独裁者)】を防ぐ事らしいのですが、日本は戦後長らく【一党独裁政治】に慣れてますのでどうですかね。
欠点は【小悪】が横行する事らしいのです。
どう言う事かですが、国民全員が政治に参加するため、教育方針(日本では義務教育)を誤れば、思慮に欠ける人々の発言が横行して【衆愚政治】と化すようです。
そこを修正するには、結局のところ強権政治に頼るのです。

小悪が増えるので有れば【警察による民事介入で取り締まれないか】とも思ったのですが、或る時、警察関係者からの又聞きでその答えを知る事が出来ました。

「日本の警察は決して民事に介入しません。そんな事をすれば戦前の特高警察(秘密警察)が復活します。権力とは恐ろしいものなのです」

この言葉に、私の思慮は浅はかで自身も強権主義を持つ事を知りました。
しかし、クレームを主張した方が一時的せよ有利に働く現代では、将来何らかの刑事介入に似せた民事介入が起こるでしょうね。

そして現在進行中の侵略戦争で、侵略側の支持を表明している国や、発言を控えている国の方が圧倒的に多いのは、表向きは民主主義でも強権を行使している国が多いからです。
侵略側を非難すれば、自国民を刺激し我が身が危ないため、武器供与側を牽制しているのです。

どうやらこの21世紀は、民主主義が滅ぶ時代なのでしょうね。

そうそう「熊を殺めるな」と主張する側に、奇特にも直接現地に赴き、
「私が熊を説得しますので殺さないでください」
と言う人は見当たらないですね。
それが本音でしょうかね。

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