🅿︎92。アニメーション「ＷakeＵp,Ｇirls！」2018年回の設定page43

🅿️16。🅿︎17〜🅿︎34。🅿︎47参照。
裏プロフィールを主軸に、公式プロフィールを補助として創作してます。

I-１club公式ディスク
「全部見せちゃうぞ‼︎（劇場版第１作を参照）」
を視聴中。

ＲＧＲの三人は I-１club初期の映像をファン目線で憧れを持って見ています。
対してＷＵＧのメンバーは、世代を重ねた分、落ち着いた態度で感想を述べ合って見ていました。
各自が余裕を持って眺めていたため、島田真夢と岩崎志保の二人だけが映像に映った瞬間の、真夢に向けた志保の強張った表情を、ＷＵＧのメンバーは見逃しませんでした。

…志保は真夢に嫉妬している…
片山実波からの指摘に不意を突かれた真夢は、驚きと共にメンバーを見回すと答えは同じで、

「私もそう思ったよ」（サメ）

「真夢・真夢とばかり連呼されて、拗（す）ねたんじゃない」（ワニ）

「センターの座を望む志保さんにとって、自分の存在が薄いのは屈辱よね。気持ちは分かる分かる」（シロクマ）

「志保さんは絶対“まゆしぃ”に念を送ってるよ」（オオカミ）

「え〜とね『私も居るんだから、真夢何とか言いなさいよ』て催促してる感じかなぁ」（トラ）

「嫌々、きっと『なんで真夢の名ばかり呼ぶのよ』って八つ当たりだよ」（オオカミ）

「二人ともアフレコ上手だね」（サメ）

「『真夢、喧嘩上等よ！』てな目付きですよね」（ワシ）

「未夕〜。“まゆしぃ”は喧嘩を売ってないでしょう。そこに基準点として立ってるだけだよ」（ワニ）

「え〜っ？この中の“まゆしぃ”は、立っているだけでも存在感がありますよ」（ワシ）

「それを言うなら『異彩を放っている』じゃないの？他のメンバーは素直に“まゆしぃ”を取り囲むけど、志保さんだけは抵抗してる感じね」（シロクマ）

「それなら『寝首を掻く』ために“まゆしぃ”の側を離れないって事ですか？」（ワシ）

「どうしてアンタは『切った張った』の世界から離れないのよ」（ワニ）

「て言うか“まゆしぃ”から実力で人気を奪うために、いつも側にいて自分の存在をアピールしてるんだと思うな」（サメ）

「あ〜それ分かる。“まゆしぃ”から何かを言われた直後、実にあざとく仲良しアピールで腕を組み、満面の笑みを浮かべているよね。私には出来ないなぁ」（シロクマ）

「“まゆしぃ”に向けた視線に気付かなかったら、好印象は間違いなしだけど、状況を知ると志保さんの臨機応変なタレント性には見習うものがあるね」（ワニ）

ここで漸くＲＧＲ達が話の輪の中に入ってきました。

「あのぅ、“しほっち（岩崎志保）”さんが随分と弄（いじ）られているようですが、皆さん真剣に見て勉強してたんですね。私、恥ずかしいな」（速志歩・はやまる）

自信なさそうに小声になりながら話す彼女に、菊間夏夜が諭すように声を掛けます。

「あぁぁ、ＲＧＲチャン達は楽しく観てていいんだよ。私達だって三人の年齢の頃は、物事が深く見えなかったからね。10代は考えるより感じて行動した方が伸びると思うよ」（ワニ）

漠然と聞く三人の中、守島音芽が質問をします。
「それにしても、どうして皆さんは“しほっち”の表情に気付いたのですか？凄いですね」（守島音芽・もっちー）

「うんうん」（阿津木いつか・あっちゃん）

その質問にＷＵＧ達は顔を見合わせるのですが、明確には答えられません。
すると林田藍里が、

「それはね、20代になって少し視野が広がったからだと思うのね。私だってこの映像が楽しみで、エンタメとして見ているよ。でも今までアイドルやって来て、他のアイドルさん達も一杯見て来て、少し世間慣れした結果だと思うの。まあ巷ではそれを『擦れてきた』って言うんだろうけど、アイドルが擦れてきたらドン引きされるかもね」

最後の言葉には照れ笑いを浮かべる彼女でしたが、皆息を呑みこみ藍里を凝視しました。

…どうかしたの？…（サメ）
静寂と共に皆の視線を集めた藍里は、不安になりました。

すると、
「あ⁈“あいちゃん”が『擦れてきた』って言ったよ！」（トラ）

信じれられないと言った表情の中で片山実波が口火を切ると、次々に言葉が飛び交います。

…いつの間に非行に走ったのよ！…（シロクマ）

…何処で毒されたの？人との交際には気を付けなよ…（ワニ）

…まさかの闇堕ちアイドルですか？…（ワシ）

…“あいちゃん”さん、戻って来てください！…（はやまる・もっちー）

…うんうん…（あっちゃん）

…生真面目な“あいちゃん”がそんな事を言うと、心臓に悪いじゃない…（オオカミ）

「えぇ〜、どうしてそうなるの？」（サメ）
気後れした藍里が、真夢に助けを求めようと視線を向けると、目を丸くして自分を見詰める彼女の姿が目に映ります。

藍里の言葉に固まってしまった真夢は、彼女と目が合うと我に帰り、

「あっ⁈擦れた藍里もアリかもね。えぇ〜と、堕天アイドルなんちゃってね・・・」（ライオン）

目を逸らしながら笑みを浮かべる真夢が、珍しく二人だけに通じる微妙な冗談を口にしたため、藍里は皆から弄られていると思いました。

【林田藍里は中学からの６年間、島田真夢は高校からの３年間、仙台市の同じキリスト教プロテスタント系ミッションスクールで学んでいました】

page44に続く。