🅿︎88。アニメーション「ＷakeＵp,Ｇirls！」2018年回の設定page39

🅿️16。🅿︎17〜🅿︎34。🅿︎47参照。
裏プロフィールを主軸に、公式プロフィールを補助として創作してます。

ミーティングを終えたＷＵＧの七人が寮に帰宅するため松田耕平が［ＷＵＧワゴン車“ゴンちゃん”］の準備をすると、ＲＧＲの三人も付いて行きたいと言うのでタクシーを手配してもらい、島田真夢が一緒に同乗するため残る事になりました。

その待ち時間の間に“阿津木いつか”が、
「“まゆしぃ”さんは、もう一度 I-１のステージに立ちたいとは思わないのですか？」
と、気後れせず無表情に訊ねます。
速志歩と守島音芽が…失礼だ！…と諌めますが、悪気のない“いつか”には何故責められているのか理解出来ません。

思いもよらぬ不意な質問に戸惑ったものの、真夢は嫌な顔をせずに、
「私はもう20歳だよ、アイドルの主役はティーンエイジャー（13歳〜19歳）だから、今の I-１clubに私の居場所はないよ」
と、笑みを浮かべながら答えます。

否定しなかった真夢に、
…その気はあるのですね…
素っ気なく呟きました。
…ちょっと“あっちゃん”何が言いたいの？…（はやまる・速志歩）

そんな“いつか”の顔をまじまじと見つめた真夢は、何かを思いだしたのか、
「私が I-１clubに立つステージを見たいの？」
と質問すると、無愛想な“いつか”は無言で首を縦に振りました。

「それならね、私が I-１に在籍して居た当時のピクチャーディスクを持っているから観てみる？」
と様子を伺うように伝えると、驚いた表情はしましたが、やはり無言で縦に首を振りました。

言ってはみたものの、
…どうしようかな…（ライオン）
脈が有るのか無いのか、表情を読み取り難い“いつか”を前に、前言を撤回しようかと思い直していると、その言葉に興味を持ったのは速志歩でした。

「ええっ！“まゆしぃ”さん、自分の映像を持ってるんですか⁈是非見せてください！」
それまで“いつか”を諌めていたのが、彼女を押し退けて真夢にすり寄って行きます。
“いつか”とは対照的な積極性に押され、
「寮には無いから、次に実家に帰ったら持って来るね」
と約束するも、
「えー、今日じやダメですか？今日なら全員揃っているから皆んなで観ましょうよ」

粘る“歩”を前に困った真夢は、
「メンバーにも見せるなんて恥ずかしいよ。しかもこれから全員になんて、私し晒し者だよね。だから三人だけで観てね」

尚も“歩”が懇願するので、
…どうしたものか…（ライオン）
と思案していると、
今度は守島音芽が携帯端末の画面を真夢に突き付けて、
「七瀬さんと繋がりました！メンバーの皆さんも『是非観たい』と楽しみに待つそうです」
と大袈裟になって行くのに戸惑う真夢でした。

「それから松田さんからですが『そのディスクって俺が渡した物かい？』との質問ですが、そうなんですか？」
との問いに、
「うん、私がＷＵＧに参加する前に松田さんから頂いたものだよ」

【第1作・劇場版七人のアイドル、でのエピソード［ I-１club全部見せちゃうぞ！！］と言うタイトル作品です】

音芽が真夢の言葉を送信すると、
「松田さんから『アレは良い物だから皆んな絶対に見て参考にしろよ』との言葉です。それで七瀬さんからは『それならこれから寮で視聴を兼ねたアイドルの講習会を開こうよ』との事ですので『待ってますからディスクを持って来てね』との伝言です。決まりですね」

「えっ？決定したの」
自分から言い出したとは言え、あっという間の視聴会開催に苦笑いの真夢。
改めて“いつか”の顔を見て困惑するも、
…うんうん…（あっちゃん）
と無表情に、しかし期待を込めて相槌を打つ仕草を見ると、
…まぁいいかな…（ライオン）
と自分に言い聞かせるのでした。

丁度タクシーが到着したところで、
「それじゃあ遠回りしてから寮に向かうね」
と三人に伝えると、それぞれ期待一杯の反応を示します。

真夢達がタクシーに乗り込む様子を二階の窓から見つめていた丹下順子は、火を付けない煙草とライターを手に持ち、何処かボンヤリとした表情を浮かべていました。

その胸の内を察した佐藤麗公は、
「島田さんは不思議な人（こ）よね、だからアイドルなんでしょうけど」
世間話のように声を掛けます。

その言葉を聞き流していた丹下は、タクシーが走り去った後に、
…真夢を取られる…
と、ボソッと呟きました。
驚いた佐藤ですが、しかし何も掛けるる言葉が見つからなかったのです。

真夢の自宅を経由したので結構な移動時間となったタクシーの車内ですが、ＲＧＲの三人はそこで彼女の以外な一面を知る事となりました。

普段の真夢の印象は［口数の少ない清楚なお姉さん］のイメージが有ったのですが、乗り込んで行き先を告げた彼女は、
…私、以前タクシーに乗った時に…（ライオン）
との言葉から運転手との和やかな会話が途切れる事なく続くのに驚きます。
自宅に到着してディスクを取りに離れた直後、運転手から三人に、
…あのお姉さんは君達の先輩かい…
…はぁ、そうですが…（三人）
…実に感じの良いお姉さんだね、モテるでしょう…
アイドルの島田真夢を知らない様子に苦笑いをしながら、
…はい凄くモテます…（はやまる）
…女性からも人気ですよ…（もっちー）
…うんうん（ひたすら頷く、あっちゃん）…
…だろうね。でも言葉遣いが上品で仙台、イヤ東北の人じゃないよね。君達は仙台人だと判るけど…

そんな会話をしている間に戻って来た真夢に運転手は、
…忘れ物かい？…
との問いに、
「ここは親戚の家なのですけど、お使いを頼まれまして」

【芸能人であるため防犯上言葉を選び“はぐらかし”ます。が、全く嘘は言いません】

「ところで忘れ物と言えば、タクシーには忘れ物が多いのですか？」（ライオン）

【透かさず話題を変えて興味を逸らします】

ここから更に軽妙な会話が終始続き、しかもその話題に全く入り込めない三人は、真夢の対話力に感心し呆気に取られるのでした。

寮に到着すると、
…また利用してな…
との運転手の掛け声に、
…楽しかったので是非ご利用させてください…（ライオン）
と答えると、タクシーが見えなくなるまで手を振って見送る真夢です。

その後ろ姿を見る三人は、
…アイドルだ、ステージの外でもアイドルなんだ…
改めて島田真夢の魅力を認識したのでした。

page40に続く。