🅿︎85。アニメーション「ＷakeＵp,Ｇirls！」2018年回の設定page36

︎︎🅿️16。🅿︎17〜🅿︎34。🅿︎47参照。
裏プロフィールを主軸に、公式プロフィールを補助として創作してます。

【“まゆしぃ”は一度卒業（引退）しているから、何年生になるのかな？】

素直な気持ちで尋ねた七瀬佳乃でしたが、一瞬にして場が凍りつき、彼女に向ける冷ややかな視線と、心配そうに島田真夢に向けた不安げな視線が交錯します。

「ご、ごめん。私って…なんか、デリカシーが無くて・・・」

気まずい雰囲気に自分を恥じた佳乃が辿々しく謝りますが、真夢は顔色を変えずに返答します。

「私は素行不良で退学（追放）させられ、その後は入院（一般学生）生活だったけど、再入試に合格（グリーンリーブズ）して復学（ＷＵＧ）したから、学年で言えば・・・藍里の一つ下だね」

何事もなかったように語る真夢に不気味さを感じた一同は、却って気を遣います。

…そっか“まゆしぃ”は病気だったのか、知らなかったなぁ・・・ねえ、みんな…（トラ）

…あっ確かに！ＷＵＧにも遅れて参加したから・・・転入生だね。“まゆしぃ”うまい！…（オオカミ）

…原因はアレだよね、教師（白木徹）からのDV・・・ん⁈あっ！ゴメン…（サメ）
思わず口を噤む林田藍里。

…世間からのモラハラこそ許せませんよね・・・アレ？…（ワシ）
藍里の言葉に助け舟を出したつもりが、却って煽ってしまった岡本未夕。

…ほら！そこから離れなさいよ…（オオカミ）

…ま、ま、“まゆしぃ”さんはブランクが有るのに、復学しても主席（センター）だなんて凄いですよね…（はやまる・速志歩）

…仙台に転校して来てくれて感謝です…（もっちー・守島音芽）

…イヤ、もう一度 I-１で活躍…（あっちゃん・阿津木いつか）

…ほらそこ、振り出しに戻らない戻らない…（ワニ）

…あ〜ん、御免なさい！私が悪いの。本当に本当にゴメン…
騒ぎが大きくなり、居場所を無くした佳乃が真夢に手を合わせて謝りました。

その様子を楽しそうに見ている真夢に、丹下順子が言葉を掛けます。

「“まぁ〜ゆ”面白がってないで許してあげたら」

丹下を見上げた真夢が笑みを見せ、戯けた表情をすると、

…ヤッパリ怒ってたんだ…

息を呑む皆は、不気味に穏やかな表情の真夢と、手を合わせたまま彼女の機嫌をうかがう佳乃を見守っていると、

「大丈夫、怒ってないよ。確かに10代の頃は意地になっていて思うところもあったけど、今は周囲との立ち位置を理解出来てるからね」

そう和やかに語る真夢の姿に、皆安堵の表情を浮かべますが、真夢の心の中では、
…でも、私の両親への屈辱は決して許せない…
との強い思いは残るのでした。

【20歳を迎えるこの頃、漸く島田真夢は捏造写真、 I-１club解雇、マスコミ報道、ファンやネットからの中傷、両親の離婚による精神的なストレス障害（PTSD）の痛手から回復しつつありました。
七人が寮生活を始めると、真夢が睡眠中に苦しんでいたり、家事当番中で物思いに耽る姿を見ていた六人は、感覚的に真夢の精神を察していたのです】

場の空気が穏やかになったところで、
「さあ今日はここまで、出演予定を確認してバリバリ稼いで頂戴」
丹下順子から気合いが入りました。

解散となったところで皆が立ち上がり、それぞれマネージャーとの打ち合わせに入りましたが、真夢一人だけが座ったまま左手に携帯端末を持ち眺めていました。
…どうしたのか？…
と皆の目が真夢に向くと、携帯端末のバイブレーションが続いていて、その着信に無反応だったのです。

「誰か大事な連絡じゃないの？遠慮せずに電話に出ていいのよ」

丹下順子が声を掛けると、顔を上げた真夢が不思議そうに、

「いえ、志保（岩崎）からなのですけど、何故この時間に、しかも通話なのかな、と考えていたのです」

と着信が止まり、真夢は掛けようか迷っていると、直ぐにメールが届きました。
相手は岩崎志保からでその内容は、

…至急通話を求める…

内容を皆に説明するも掛けるのを戸惑っていると、片山実波がもしやと助言します。

「それって『アイドル交流企画』の話しじゃないの？」（トラ）

…そんな馬鹿な…
と言う空気が一瞬流れたのですが、

…でもあり得るかもね…（シロクマ）

…確かに元 I-１だから知名度・話題性は抜群だし…（ワニ）

…何よりもアイドルとして身持ちが堅い事間違いないしね…（オオカミ）

…テレビ局の思惑も絡んでいるよね…（サメ）

…“まゆしぃ”掛けてくださいよ。違ったら私達スルーしますから…（ワシ）

促されて電話を掛けると、ワンコールで繋がった事に驚く真夢。

「あっ！志保、私。何かあったの？」

…真夢ーぅ！あなたは一体何をしたの！…（しほっち・岩崎志保）

息を殺し聞き耳を立てて居た一同は、その漏れ聞こえる絶叫に確信したのでした。

…当たりだね…（トラ）

page37に続く