🅿︎82。アニメーション「ＷakeＵp,Ｇirls！」2018年回の設定ページ33

🅿️16。🅿︎17〜🅿︎34。🅿︎47参照。
裏プロフィールを主軸に、公式プロフィールを補助として創作してます。

ＷＵＧのダンスに於いて［島田真夢は他のメンバーに合わせてパフォーマンスを行っている］との話しがされたのに乗じ、佐藤麗公はＲＧＲに伝える事が有ったようです。

【佐藤麗公。映像作品では佐藤勝子・サファイア麗子です。姓名判断・新字体派では、浮き沈み激しく独立しては失敗を繰り返す人生（🅿︎26参照）なので、私・筆者が新字体派で、ドン底から這い上がり、陰の実力者の運勢に名付けました（🅿︎54参照）それでも独立したらやはり転落する人生は残しました】

「グループアイドルはね、そのパフォーマンスのレベルにもよるけど、ボーカルやダンスのレベルは統一する必要があるのよ。一人でも突出した歌声やダンスを行えば、悪目立ちして興醒めするでしょう。逆も然りで見苦しくなるの。私はアイドルフェスの会場でＲＧＲを観客として見ていたのだけれど、あなた達のパフォーマンスに少し違和感を感じたのよね。まだデビュー仕立てだから、各々のボーカルが荒削りなのは新人として初々しい魅力の一部でもあるけど、ダンスのアクションに個人差があって、一体感がやや足りなかったのよ」

不安になった速志歩が訊ねます。

「それは私が下手なのでしょうか？」

守島音芽も相槌を打ち、身を乗り出して話しを聞きます。
“阿津木いつか”はと言うと、意味がよく分からないようです。

佐藤麗公は心配するＲＧＲらに穏やかに話しを続けます。

「いいえ皆さん個人的にはお上手よ。特に阿津木さんはずば抜けてセンスがいいわね」

照れる“いつか”です。

「それでね、ダンスと言う言葉を日本古来の“舞”と変えて考えてみて」

ＲＧＲだけでなくＷＵＧも顔を見合わせながら考えます。

誰も声を上げられない空気に、佐藤麗公が答えを語ります。

「舞は祈りでもあるのよ。昔の人は神に祈りを捧げる時に、意思を込めて舞を踊り、祈りや願いを届けていたのよ。目に見えぬ精霊へのアピールね。人々が祈りを捧げる時の姿は統一されて共感するものが有るでしょう。だからダンスユニットなら、互いにメンバーを共鳴させて何倍もの力にしてお客さんにアピールしなくちゃね。それが出来れば初見のお客さんにも共感してもらえるでしょう・・・。あらヤダ、難しい話しだったかしら…」

例え話のハードルが高かったのか、目が点になり感心するアイドル達の姿を見て恥ずかしくなる麗公です。
彼女も元アイドルですので、熱い思いがあったのです。

「意味は分かります。でも私達はどうすれば一体感が生まれますか？」
純粋に心に響いた速志歩が強く訊ねました。

「あなた達は同級生なのよね、それを知って納得したの。三人とも張り合ってないでしょう、気遣っているわよね。先程は阿津木さんにセンスがいいって言ったけど、実は二人に合わせ過ぎているのよ。結果目立っているのだけど分からないでしょう」

驚いた“阿津木いつか”は真逆の指摘に言葉が出ません。彼女以外のアイドル全員が驚く中、話しは続きます。

「島田さんは『メンバーに合わせている』との話しがあったけど、彼女は常に質を上げるべく皆を引っ張っているの、違いがわかる？」

頭を抱えて混乱している“阿津木いつか”ですが、守島音芽が何かに気付いたようで、

「もしかしたらですが、ＷＵＧのレッスンでの“まゅしい”さんは、いつも息を切らしているので、全力で取り組んでいるように見えます。しかしステージでは余裕があって楽しそうです。“あっちゃん”はレッスン中は余裕があっていつも笑みを浮かべてます。ステージではどうなのでしょうか？」

そこで佐藤麗公が不安材料を指摘します。
「そこね…。あなた達のレッスンを観察したけど、阿津木さんはスキルの高い運動量を温存し、お二人のレベルに付き合っているの…。でも多分だけど、ステージに立つと全開のパフォーマンスでしょう？お二人との間に差が生じちゃうわよね…。学校の文化祭や自称アイドルのレベルならそれでも良いけれど、プロフェッショナルとして成長したいのなら、I-１clubのように妥協のないレッスンを考えて揃えないとね」

I-１clubの名を聞いて、はたと納得した“いつか”は真夢に質問をします。

「“まゆしぃ”さんは皆さんと、どんなトレーニングをしているのですか？」

そのような質問をされても答えられない島田真夢です。何故なら、彼女はその時その場でメンバーの状態を判断し、感覚的に自分の動きをセーブしていたからです。

それならと察した岡本未夕が代わりに説明します。

「あのですね、“まゆしぃ”は、私達が何とか付いて行けるギリギリのレベルでダンスを続けるんですよ」

“いつか”は真夢と未夕の顔を交互に見比べながら、

「そんな動きをしたら“まゆしぃ”さん自身のリズムが狂いませんか？」

心配するように質問しましたが、当の真夢は涼しい顔で、

「そうなの？平気だよ。皆すぐ私の動きに合わせてレベルアップするから、カッコよくて楽しいよ」

ＷＵＧのメンバーは苦笑いし、

「いきなりトップスピードのダンスを見せられると怖気付くけど、その後は分かりやすく指導してくれるから、何とか付いて行けるのよね…」（ワニ）

和やかな笑みを浮かべるＷＵＧのメンバーと、そこに尊敬の眼差しを向ける二人の同僚を一通り眺めてから、改めて島田真夢を見詰める“いつか”は、

…“まゆしぃ”さんは何かが違う…

何故か言葉に出来ない対抗心を憶えるのでした。

page34に続く。