🅿︎76。アニメーション「ＷakeＵp,Ｇirls!」2018年回の設定page27

🅿️16。🅿︎17〜34・🅿︎47参照。
裏プロフィールを主軸に、公式プロフィールを補助として創作してます。

早坂相（たすく）の話しを、自分の糧として聴く鈴木萌歌ですが［初代センター］との言葉を耳にすると不審を抱き、
「どうして島田真夢を贔屓にするのですか？」
何も考えずに自然と口から漏れます。

…上手く挑発に乗って来た…
とニヤけた早坂は、
「当然じゃないか…。I-１club在籍当時まだ中学生とはいえ、その場に立って居るだけで色香と愛嬌を醸し出していたんだ。それが歌い出したら美声でダンスも一流と申し分ない。クリエーターは挙（こぞ）って楽曲を提供し、期待通りにmillionを連続して叩き出していた。醜聞に塗れた後の再出発でも、その存在感は変わらず、むしろ輝きは増していたんだ。私の作品を表現するには最適なアイドルじゃないか」

目を見据えられ、澱みなく堂々と語る早坂に溜め息を吐く萌歌は、
「私とは天と地ほどの評価なんですね…。でも私は彼女を認めません。今は私がセン・・・あっ・・・」
素直な気持ちを口にしかけて残念な自分に気付き、悔しくて唇を噛み締めます。

萌歌の心の変化を感じた早坂は、
…やっと正直になれたか…
「鈴木萌歌…、それで君は何がしたいんだ？」

「はい…、頂点に立ちたいです」

胸を張って向き合った萌歌に早坂は、
「それでいいんだ…。君には言うまでもない事だが、アイドルはハードワークにハードスケジュールだから、それに見合った栄冠は必ず掴みなさい」

礼を述べる萌歌に対して思い出したように、

「そうそう鈴木萌歌…君の魅力だが、グループアイドルにしては珍しく『協調性に欠けて』いるところだ。直情径行とか勝手気儘と言っていいほどに自由な表現をするところだな」

【🅿︎48参照。他のメンバーが全てリーダータイプなのに、鈴木萌歌一人だけが［独断専行型］です。明らかに意図した名前ですね】

「それって褒められているんですか？」
欠点を並べ立てられたように感じた萌歌が不満に思うと、

「他のメンバーが優等生過ぎて面白くないじゃないか。一人一人は魅力的なオーラを放っているが、皆が同じようなオーラでは標準と同じだろう？その中での鈴木萌歌は『カリスマ性を備えているように見える』もっとも、聞き分けの良い優秀なメンバーに囲まれているからこそ、君は天真爛漫に振る舞える事を忘れないように」

気を引き締める事も忘れない早坂の言葉に、

「メンバーに助けられていたのですね。私が異質な存在だと、今初めて知りました。通りで…白木さんに嫌われている理由が分かりました」

何か悟ったような表情をした萌歌を、早坂は否定します。

「誰が白木さんに嫌われているって？それが本当なら、君は I-１clubに居られないと思うのだがね」

「でも悉く否定されて来ました…」
徐々に声が小さくなって行きます。

…また振り出しに戻りか、面倒な…
「鈴木萌歌…君は白木さんに何を言われたんだい」

「私がステージから転落して怪我をした時…。でもアレは私の不注意では有りません。なのに『運が悪かった。運すら味方に付けるのが真のセンター』だと言われセンターを降ろされました
　【新章・第８話】
新ユニット結成では私の名前が無く、
『現状では君よりも他のメンバーの方がセンターに近い』と屈辱を味わいました。　【新章・第10話】
なのに…岩崎志保さんが脱退したら、『チャンスはチャンスだ』と、補欠同然で選抜ユニットに・・・【新章・第12話】」
当時を思い出して言葉に詰まり、
「これって、やはり嫌われていますよね！」
勢い余って声を張り上げます。

首を傾（かし）げ疑問を感じた早坂。
「鈴木萌歌…一つ訊くが、君が怪我をしたとき、誰が代わりにセンターを勤めたんだい」

「えっ？岩崎志保さんですが、何か？」

“当然よね”という感覚で答えます。

鼻で笑い言葉を続ける早坂は、

「何処が嫌われているのか、私には理解出来ないけどね」

意外な言葉に目を丸くする萌歌です。

「君は疑問に思わないのかい？いや、興奮状態で洞察出来なかったか…」
身を乗り出し、指を一本ずつ立てながら解説する早坂です。

「まず一つ目だが、怪我をした代役を他のメンバーではなく、なぜ岩崎志保に務めさせたんだい？当時の彼女は博多のリーダーだろう。抜ければ博多シアターの運営に支障を来たすのは明白だ。しかも君の足が回復する迄の一時的な代役なら、実力派揃いのメンバーから選出すれば良いだけだよね」

「でも岩崎志保さんじゃ無ければ、ステージの盛り上がりに欠けたかもしれませんよね」

自信無さそうに意見した萌歌に、
「よく理解しているじゃないか。その通り『岩崎志保か鈴木萌歌以外』のセンターでは盛り上がりに欠けるとの判断なんだよ」

説明されて思考が混乱した萌歌は、両手で頭を抱え、当時のメンバーらの立ち位置を確認しようとします。
しかし見劣りするような彼女達ではないので、更に理解に苦しんで行きました。
…アレ？なぜ私は、そんな上から目線な事を言ったの…

…頭を冷やすのに丁度良い反応だ…
と彼女の混乱振りを観察していた早坂は続けます。
「二つ目だがね、白木さんは君の事を『不適格者』とは断じなかったのだろう？確か…『現状では』と釘を刺されたんだよね…。それって『今の鈴木萌歌では不安定だ』と奮起を促したのだろうと私は解釈したのだが、君はどう思う？」

…えっ？あれ？何ですかそれ？…
更に言葉を失う鈴木萌歌です。

page28に続く。

さて鈴木萌歌は、白木徹の意図を何処で気付けるでしょうか。