お受験@米国  その1

長男の受験の結果が今月15日に判明します。実は受験といっても試験を受ける事がないので、米国の大学への応募プロセスなどを説明します。日本での子供の教育に疑問を頂いている方、将来自分の子供を米国の大学に進学させたい方、また米国の大学への進学に興味がある学生の方々、是非参考にしてください。

何故米国の大学?大学の国際ランキングをみると米国、イギリス、そして最近では中国の大学を上位を占めてます。イギリスの大学も選択肢の一つだと思いますが全く知見がないのでここでは米国の大学にフォーカスしてます。

豊富な選択肢
米国には約6000の大学が存在してます。これは日本の約780校と比較するとざっくり8倍。でも学生の数は日本の290万人に比べたったの200万人。つまり米国では大学の選択肢が豊富で、学校の平均サイズが日本の10分の1という事がわかります。日本に比べると腰を抜かすほど高い授業料ですがそれだけ授業の内容もしっかりしていまし、特定のスキルや知識を習得することが出来ます。またバカ高い授業料も半分や三分の一にすることが比較的容易です。お金の話は極めて重要なので後ほどしっかり説明します。

高校からの流れ
では時系列的に高校選びからスタートします。勿論高校までは日本で大学から米国、という流れもありですが息子は地元サンノゼの高校に通っているので自己の体験に基づき高校入学から話を進めます。高校はお金があれば勿私立がいいです。授業の内容自体というより様々なプログラムが充実しているからです。ただ私立に行かないと良い大学にいけない、という事は全くありません。この辺でも公立高校から公立大学であるUniv. of California (UC) ,その中でも世界でもトップランキングのUCバークレーやUCLAなどの公立にすすむ学生も大量にいます。
なぜ私立がオススメなのか?これは各州やその地域によって状況が大きく異なりますがカリフォルニアの事情を話すと基本公立は予算が常に不足してます。公立の学校ではやはり年功序列らしく若い先生たちは住居や車のコストで生活がいっぱいいっぱいです。特に住宅コストの問題は大きく郊外から相当な時間を掛けて通ってくる先生もいます。また車が所有できずなんとか友人に頼りながら通う人も居ます。兎に角先生の給料も満足に払えない状況なので課外活動などに時間やお金をかけることが難しいのは容易に想像できます。そしてなんと言っても教師のモチベーションです。。公立校の教師は常に自分たちの給料は割に合わない、と感じているので自然とモチベーションが下がります。日本では教師は聖職者なので安月給でも一定のモチベーションを維持することができるみたいですが。。(これも非常に可哀想な状況ですが)

課外活動の重要性
ここで米国の大学応募においてキーとなる活動を紹介します。
学校の成績:日本では私も進学校にいましたが学校の成績ってどうだっったのか覚えてません。成績が5段階評価だったのか?それともAとかBとかで評価されるのかも覚えてません。ご存知のとおり日本での大学受験は基本テストが全てなので学校の成績は記憶にないのです。米国ではA,B,C,D,E/Fの5段階評価されるポイントの平均をGPA(Grade Point Average) と呼び、この数値が非常に重要になります。Aが4、E/FがゼロなのでオールAでGPAが4.0となるわけです。更にコースによってはプラスのポイントが加算されるので差別化のために難しいコース(AP:Advanced Placement)に取得する生徒も多く居ます。日本と違い、この学校での勉強の評価が極めて高いのです。従って塾とかに通う生徒は皆無で日々学校の宿題やテストに追われてます。

テスト:日本の共通テストです。米国にはSATとACTという二種類のテストがあり教科としてはそれぞれ数学と国語がメインであります。ただコロナの影響もありテストは重視しない、というのがここ最近の流れでUCではテスト永久廃止、多くの大学で”テストオプション”というスタンスでその重要性が薄れてきてます。テストはあくまで参考という位置づけです。

課外活動:えっ?テストないの?じゃどうやってフルイにかけるのか?   そもそも”米国の大学は入るのは簡単、出るのが難しい”とされてきましたが残念ながら人気大学は全く様子が変わってきてます。Acceptance Rateが10%を切っている、つまり倍率10倍以上の大学が沢山あります。日本と違い国立1校とか制限もないのでその分倍率も無駄に上がります。なので自分を差別化するには課外活動が極めて重要なのです。ただ簡単に達成できるような課外活動は良い評価を得られません。しっかり時間を掛けて取り組み実績を残すことが求められます。従いできるだけ早くそして多様性のある課外活動に早期に取り組むことが求められます。

次回はこのもっとも重要な差別化活動である課外活動に関して掘り下げていきます。大袈裟にいうとこの課外活動が米国の成長のバックボーンでありイノベーションのベースとなっているのです。



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