見出し画像

Watusiがラジオ番組・CHILL 90's EMOTIONにゲスト出演!(後編)

(前編からのつづき)

 ここで、冒頭のDJプレイで流した中島美嘉の話題に。中島美嘉とCOLDFEETはディレクターが同じ人物で、中島美嘉のデビューから現在に至るまでの長いつきあいだ。Watusiの話では、最初は彼女に対して、細くていつも眠そうで、スタジオの隅で膝小僧を抱えて小さくなっているような印象を持っていたという。「大丈夫か、お前?」と声をかけたくなるようなようすが想像できる。今では中島美嘉も作曲を手掛けるまでに成長。COLDFEETが全面的にサポートしたアルバム「i」の話では、あさちるも「あの3人の写真めっちゃエモかったです」と、中島美嘉とCOLDFEETの3ショットの感想を話していた。

 そこから現在の話へシフト。いとうせいこうのバンドでは、ベース奏者としてバンマス的な立ち位置で活動するWatusi。近年はこのバンドでフジロックや中津川ソーラー・朝霧ジャムといったフェスに出演した。なかでも佐藤タイジやBRAHMANのTOSHI-LOW・SOIL & "PIMP" SESSIONSの社長といった豪華メンツとのセッションが刺激的だったと振り返る。
 その活動はbarksの記事でも紹介されている。いとうせいこうは、NHKのドラマ「らんまん」で、役者としての顔も見せた。こちらでご存じの方もいるのではないだろうか。

 今後の予定としては、TOKYO DISCOTHEQUE ORCHESTRAの新曲が出るそうだ。このユニットでは、ディスコミュージックの多幸感・シンプルでポジティブでタフでハッピーな感じを、いま面白がっている僕らの解釈でやれたらいいと言っていたWatusi。
 リリースについては「12月になっちゃうかな」という言い方をしていたので、音源は完成しているが、価格や発売日などの詳細は未定というところだろうと推測される。アナログ盤も出るとのことで、これはDJにとっても朗報。もしかしてアナログ盤のプレスにかかる時間が読めないから、発売日が決められないということか?それとも今は単に公表段階ではないということか?
 どちらにせよ、続報が待たれるところ。公式な知らせはSNSなどでも発信されるだろう。

 90年代はWatusiにとってどういう時期だったのかとの問いかけで、小泉今日子が話題に上った。Watusiは小泉今日子が1991年にリリースしたアルバム『AFRODIA』で、レコーディングに参加した。今回オンエアした『あなたに会えてよかった』も収録されている。この曲のPVではWatusiも出演しているそうだ。それで選曲したのか!ようやく謎が解けた。
 筆者も改めて映像を見てみた。当時の音楽チャート番組や、ミュージックステーションのトークなどで過去のヒット曲を振り返る場面でも見覚えのある映像。だが、どこに映っていたのかは発見できずじまいだった。中島美嘉の『Delusion』のPVにCOLDFEETが出演していたときのような、あんな分かりやすい形ではなかった。見る前はてっきり演奏シーンが映し出されるものとばかり思いこんでいたところ、終始、小泉今日子のソロカットなのは仰天だった。たぶん途中に挿入されている通行人の中にWatusiがいるはずなのだが、これは簡単には見つけられそうもない。
 筆者の脳裏に、つい最近の似たような体験が蘇る。劇場版シティーハンターの作中に、TM NETWORKの3人が本人役で登場するのを知って、必死に探したものだ。それよりもWatusi発見の難易度は確実に高い。面白い提案をしてくるなあと思った。

 あさちるは、小泉今日子はどんな人かと尋ねた。Watusiが小泉今日子から「最近の若いバンドでおもしろいの教えて!」と聞かれたときのエピソードが語られた。Watusiが紹介したバンドを、彼女は小さなライブハウスまでひとりで見に行く。全部自分の目で見て確かめ、吸収する人だとWatusiは言った。これを聞いたあさちるは驚きの声を上げる。明らかに声のトーンが変わり、驚きの大きさがありありと伝わった。あさちるは「自分が思ってた以上に素晴らしい方でした」と言い表していた。

 最後にWatusiが番組リスナーにこのようなメッセージを残す。「この番組は90年代をいろいろと掘ったりしていると聞いたんですけど、90年代はいまにつながるさまざまな音楽の鉱脈みたいなものがあちこちからどんどん沸き上がってきた豊かな時代だと思うので、これをきっかけに90年代のアーティストたちが聴いていたそのさらにルーツとかを掘っていくと、音楽の聴こえ方が変わってきて面白いなあと思ってます。」

 これにはあさちるも「素晴らしい締めをありがとうございます。さすがWatusiさん!」と感謝の意を表した。彼女もゲストの話を受けた後に、これぐらいの締めくくりができるようになるといいね。それはこれから少しずつ経験を積んでいけば得られるだろう。そのためにも面白い番組づくりを心掛けて、頑張って欲しいところだ。

 Watusiの唱える楽しみ方で、ひとつ引き合いに出してみよう。今回あさちるがプレイした曲からだと、『STORM』を歌うLUNA SEAのルーツに迫る方法がある。メンバーのSUGIZOはFM Yokahamaでレギュラー番組を持っていて、毎週自分のルーツ・ミュージックについて語っている。アーティストや楽曲について興味がわき、もう一歩踏み込んで知りたいとなったときは、このような情報に触れてみると音楽鑑賞の楽しみが増えるだろう。奇遇なことに、WatusiとSUGIZOは親交がある。Watusiは自分のレギュラー番組にゲストでSUGIZOを呼んだことがあり、SUGIZOも自らの番組でCOLDFEETの楽曲をオンエアしている。

 Watusiが退場した後、あさちるはリスナーに届けられる音声を切ってからの2人のオフトークも少し紹介。こちらも心温まるひとときだった。

 あさちるは「きょうもありがとDO DANCEでした!」というコメントとともに、最後にこちらの楽曲をオンエアした。

あさちる『EZ DO DANCE』


 番組を聞き逃してしまっても、一定期間はradikoで後追い再生ができる。ぜひチェックしてみていただきたい。

関連記事



番組放送後に、Watusiのレギュラー番組・TOKYO M.A.A.D SPIN公式Xから、TDO新譜の告知!