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SUGIZOがJ-WAVEの番組にゲスト出演

 THE LAST ROCKSTARSのメンバーとして、年末のNHK紅白歌合戦をおおいにヒートアップさせたSUGIZO。YouTubeをはじめ、TV・ラジオ・雑誌など、各メディア出演に引っ張りだこだ。
 そんな多忙な中、J-WAVEのラジオ番組・TOKYO M.A.A.D SPINに年を跨いで2週連続で出演した。
 まず登場する前にオンエアされた楽曲は、SUGIZO feat. COLDFEET『SUPER LOVE 2012』。全編英詞に書き換え、新たに生まれ変わった極上のダンス・ナンバー。SUGIZOの作曲であるはずなのだが、歌い回しだけでLori Fineのセンスも感じられる。1曲でコンポーザー2人分のテイストを堪能できる、贅沢な作品だ。元のメロディーラインの形はしっかり留めてあるのに、Lori Fine節が炸裂している。これぞ真の共演!
 バンドの楽器パートのメンバーのソロ活動を鑑賞する際に、曲自体はめちゃくちゃ良いのに、歌が本職ではないせいで、良さがイマイチ伝わりきれてないなと感じたことはないだろうか。今作はそんなリスナーのモヤモヤも、本職のボーカリスト・Lori Fineが一掃してくれている。
 この曲は現在、Spotifyでは曲名表示が暗転していて、再生もプレイリストへの組み込みもできない。だが、2022年11月発売のSUGIZOのベストアルバム『THE COMPLETE SINGLE COLLECTION』へ再録された。楽曲をご存知なかった方や、一度手放してしまったがまた聴きたくなった方は、こちらをチェックしていただきたい。
 楽曲が終わると、SUGIZOが登場。先の『SUPER LOVE 2012』で共作したCOLDFEETのメンバー・Watusiが、Naz Chrisと共にSUGIZOを迎え入れた。
 ソロデビュー25周年を記念して開催されたライブ・SUGIZO 四半世紀祭 25th ANNIVERSARY GIGには、WatusiとNaz Chrisも観覧に訪れていた。SUGIZOは、トラブル続きで悔いが残ると言った発言もしていたが、WatusiはSUGIZOのチャレンジ精神を評価していた。
 お互い共通の知人であるDub Master Xも話題に登る。SUGIZOにとって、Dub Master Xだけは、いち音響スタッフにはとどまらず、ステージ上で実際に音を出して楽器を弾くメンバーと同等なぐらいの存在だと言っていた。彼のいる現場では、全幅の信頼を置いて何もかも任せているそうだ。つまり、Dub Master Xとは、SUGIZOが他の余計なことを考えずに、ステージ上で好きに暴れられる体勢を作り出すことができる人物ということ。
 SUGIZOのライブを成功させたければ、Dub Master Xのスケジュールを押さえられるかどうかも、キーポイントになってくるだろう。

 連続出演の2回目は、さらに濃い会話が交わされた。自らの生い立ちを理路整然とした語り口で明かすSUGIZO。クラシック音楽の団員は、一般のイメージとは裏腹に貧乏なことが多いという話には驚いた。自らも他人からおぼっちゃま風に見られることが嫌で、若かりし頃はさんざんヤンチャをはたらいたようだ。
 SUGIZOは音楽以外の活動も活発に行う。シリアへ難民支援に行ったときのエピソードも印象に残った。当初は支援活動をするために行ったはずだが、ミュージシャンのSUGIZOが来るということが先方にも分かり、「ぜひ演奏を!」と依頼された。そのときSUGIZOは、非常事態で命からがら逃げてきた人たちを前に、「音楽なんてやってる場合か?不謹慎だ」という考えだったらしいが、いざやってみると、現地の人々から大変感謝されて驚いたという。不謹慎かと思いきや、実際はまったく逆で、音楽をはじめとするエンターテイメントは、人々の心の充足のために必要なものだと身を持って実感したと言っていた。
 音楽は好きでやっているけれど、これが何の役に立つのだろう?誰のためになるのだろう?そんな疑問に苛まれているとしたら、一度SUGIZOの過去の発言を辿ってみてはいかがだろう。音楽活動は自らのエゴを満たすためではなく、人の心の渇きを潤すために役立つことがわかる。勇気や希望がわいてくるかも知れない。
 今回のNAZWA!とSUGIZOの対談は、まさにそう思わせる内容だった。ラジオに限らず、さまざな場面でSUGIZOは自身の考えを発信していることだろう。それに触れられる場所がどこかにあるといいのだが。

 SUGIZOはCOLDFEETの初ライブにも観覧に訪れている。Watusiによると、現在のLori Fineは自分のためには活動しないが、人のためになら動く。彼女を再び表舞台に引き戻せるのは、中島美嘉とSUGIZOの2人だけだと言う。SUGIZOは年末年始の多忙なスケジュールの中で、ジェジュンを介して中島美嘉と意気投合する機会があったそうだ。ということは、フジテレビの番組・ミュージックフェア出演のときだろうか。
 SUGIZOも、Lori Fineのあれだけの才能を埋もれさせるのは罪だ、今年はCOLDFEETの新作を作って、自分もフィーチャリングで参加したいと、夢が広がるコメントをしていた。なんと言ってもCOLDFEETも25周年。何かが起きて欲しい!

 音楽制作の現場を熟知するMCが、あるときはゲストを招いてその活動を深掘りし、またあるときは聞き役だけでは飽き足らず、NAZWA! 2人会と称して自らの考えも発信していく、TOKYO M.A.A.D SPIN月曜日。大変興味深い番組だ。ぜひ一度チェックしてみてはいかがだろう。


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