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宇都宮隆がTOKYO FM・Blue Oceanに今年2度目の出演!

 10月18日、TOKYO FMの番組・Blue Oceanに宇都宮隆が出演した。6月にEX THEATER ROPPONGIで行われた、TM NETWORKのファン・イベントのようすを紹介して以来、今年2度目の出演となる。

 筆者が嬉しかったのは、TM NETWORKがツアー中にもかかわらず、番組に顔を出してくれたこと。チケットは売れに売れまくっていて、宣伝の必要もほとんどないように思える。どうして出てくれたんだろう?と思っていたら、ソロ活動30周年記念アルバム「U30 Contract TAKASHI UTSUNOMIYA ANTHOLOGY 1992-2023」のリリースが、来月15日に控えていた。こちらのPRか。ライブのチケットは、売り切れたからといって座席を簡単に増やせるわけではないが、CDなら売り切れても再プレスできるから、いくらでも宣伝していい。

 ツアー中の大変な時期に、スタジオに足を運んで近況を語ってくれるだけでも万々歳なのに、新作アルバムの収録曲をリリース前にイチ早くオンエアするという。なんと嬉しいお土産を持って出演してくれるんだ!と、期待に胸が膨らんだ。実際に楽曲が電波に乗ると、リリースまでの待ち遠しさがますますアップする。ワクワクソワソワが止まらない。こういう試みは良い。

 番組ナビゲーターの住吉美紀は、かねてからTM NETWORKのファンを公言している。新作アルバムの楽曲が、自分のレギュラー番組で初公開となれば、感慨もひとしおだろう。劇場版シティーハンター・天使の涙(エンジェルダスト)主題歌・『Whatever Comes』の初公開のときも、TM NETWORKのファンが興じて音楽業界入りしたShinnosukeが大役を務めたのだが、こういう例は見ていても特別な気持ちで感情移入してしまう。業界にファンの多い彼らならではだ。曲をかける側も緊張で落ち着かない。そんな様子を、リスナーも自分事のように追体験する感覚でお披露目ができる。次に彼らの新作がリリースされるなら、その初公開をする後続のミュージシャン・もしくは業界人は誰なんだろう?

 出演者のお悩みをリスナーに問う、番組の人気企画がある。これに宇都宮隆も乗るかたちで、クローゼットに眠る、未開封の衣類の処理をどうするかというテーマで進行。そこからファッションの話になる。住吉美紀の「ファッション、お好きですよね?いつもオシャレだし」という問いかけには、ことさら強い関心があるというよりは、他にお金をかけるものがないので、結果的にこうなっているというニュアンスを汲んだ受け答えをしていた。
 宇都宮隆の「僕、楽器が自分なので」という発言には、住吉美紀も「あー、なるほど!」と、大きくリアクションし、合点がいったようだった。
 TM NETWORKのメンバー・小室哲哉なら、新しい楽器や機材が発売される度にチェックはするだろう。買い換えも頻繁に行うから、そこにお金がかかる。ボーカリストの宇都宮隆にはそれがないから、お金の使い道が自然とそこに落ち着くということだろうか。
 そういえば宇都宮隆の休日の過ごし方で、たっぷりと風呂に浸かるという話を思い出した。今までは、単に長風呂が好きなんだろうという程度にしか受け止めていなかったが、これは自分自身のリペアなのかも知れない。もしかしたら、ボーカリストとして長年活動できている秘訣が、ここにあるのだろうか。「僕、楽器が自分なので」という発言から、筆者はこんな思いを巡らせた。今回の出演で、一番響いた言葉だった。

 新作アルバムの目玉でもある、『JINGI・愛してもらいます』の収録に至る経緯も語られた。ここ数年に渡って、自身のツアー・それゆけ歌酔曲!!で展開してるマッシュアップを収めようとするも、権利関係がクリアにならないので「どうも無理らしい」となりかけたようだ。それでもどうにかならないかと画策して出た答えが、邦楽同士のマッシュアップならいけるというもの。ライブのアンコールでやっていた形でもあるし、この曲のメロディーにTRFのエッセンスを詰め込んだアレンジを施すことになった。

 筆者も聴いていて楽しめた。単品で楽しむのもいいが、音源として入手すると、ライブとは違って自分好みの曲順で再生できるのがいいところ。DJを嗜んでいる方なら、ターンテーブルの片方に中山美穂や小室哲哉のセルフカバーの『50/50』を仕込んでおき、もう片方にセットした、宇都宮隆の『JINGI・愛してもらいます』へ良い塩梅でスイッチするという遊び方を、発売が知らされたときから思い描いていただろう。
 こうして番組で実際に楽曲を聴いてみると、こういうつなぎ方の他にも、いかにTRFの楽曲と絡ませるか?という楽しみ方も追加される。今回の初オンエアで、いろいろと想像が膨らんだ。
 発売前の新しい音源をこの番組で初公開できる貴重な機会。住吉美紀の「嬉しいです」という言葉からは、感情の高ぶりを抑えきれず、ついつい声のボリュームが大きくなる様子がうかがい知れる。
 ここまでの経緯を知らずに「それでは聴いて下さい。宇都宮隆で、JINGI・愛してもらいます」という、タイトル・コールから流れてきた音を聴いた方なら、曲をかけ間違えたと錯覚するかも知れない。TRFのmasqueradeのイントロから、急旋回で『JINGI・愛してもらいます』のメロディーに戻っていく表現。実に面白い。
 この曲には指笛も登場するのだが、『survival dAnce』の音源を直接使うわけにはいかないので、自演することにしたらしい。だが、宇都宮隆の周りには指笛を吹けるのが一人もいなくて、知り合いの知り合い…というようにツテを辿って、なんとか指笛の収録にこぎつけたそうだ。野村義男とかは上手そうなイメージがあるが。こういう、制作中の意外なエピソードも楽しい。歌詞カードのクレジットには、「Finger whistle by …」なんて書かれているのだろうか。そこまではさすがに細か過ぎるか。

 年末にはTM NETWORKのツアーとは別途、六本木で『EX THEATER ROPPONGI 10th ANNIVERSARY 年忘れ!! 2023 歌酔曲&Kフォーク 師走だョ!全員集合』が開催される。こちらの告知も行われた。
 住吉美紀は、「すごく誠実に、思うことを具現化しているウツさんって素敵だなあと感じました。TMのツアーも続きますが、今できること、やりたいことを今、する。それをアーティストとして楽しむということを、私たちに見せてくれてるな」と、宇都宮隆の活動を追った感想を述べていた。
「やっぱり自分が楽しめないと。それを楽しんでもらうのが一番いいかな」と、宇都宮隆は答えた。
 最後は新曲『Promise in  your hand』を、本人直々のタイトル・コールによるオンエアで締めくくった。

 番組はradikoで一定期間アーカイブ再生ができる。ぜひお聴きいただきたい。

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この回をレポートする、radiko news。


Blue Ocean公式サイトより、番組内容の記事。