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ボートレース下関のステージイベントにhitomiが出演!

 9月23日、山口県にあるボートレース下関のステージイベントにhitomiが登場し、自身のヒット曲3曲を披露。会場を沸かせた。
 舞台は1Fのイベント広場。ステージの天井には約20灯のスポットライトがある。ショッピングモールでの屋外イベントよりは見映えの良さそうな感じになるだろうと思った。また、待ち時間にスクリーンで流れたのは、現在公開中の映画・劇場版シティーハンター・天使の涙(エンジェルダスト)のPR映像。主人公の冴羽獠が銃の引き金を引くと、粉々に砕け散ったガラスの破片から、水上を走るボートの映像に移り換わる演出になっていた。入場口からステージへ行く間に、「この街には、ボートレースが必要なのさ。」というキャッチコピーの入った告知も見受けられた。どうやらこの会場と映画がタイアップ関係にあるようだ。

 予定の時刻で客電が落ち、舞台照明がONになる。進行役の女性が、撮影の禁止や使用した敷物類の片づけなど、観客へ諸注意を呼びかけた。ここで不必要に引っ張らずに、驚くほどスムーズに本人登場。筆者が体験したイベントの中でも、本人登場までの早さは一番だったように思う。

 登場の瞬間、衣装を見て「あ!」と声を上げそうになった。フリルつきの真っ赤なドレスに、白いハイヒール。今年5月27日、OCTAGON TOKYOで行われたイベント・TK SONGS RESPECT NIGHTにhitomiが出演したときの衣装だ。こちらには行けなかったものの、SNSで少しだけ様子をうかがうことはできたので知っていた。そのときは「行けた人はいいなあ」と、半分他人事で眺めていただけだったが、こうして実際に見覚えのある衣装を生で見られるのはいいね!さすがはモデル出身なだけあって、長い脚が引き締まってて綺麗だった。こういうのは写真や映像では伝わりきらない。直接目の当たりにして、初めて感じられる良さだろう。
 最初はステージ中央にいたhitomiも、1曲目の2コーラス目からはステージの右端や左端へと、移動を伴う歌唱を披露。中央へ戻ってきたときにはターンやジャンプもしてみせるなど、ハイヒールを履いているにもかかわらず、動きのあるステージングで楽しませてくれる。これは端の方で観ていた観客にとっては、出演者がだんだん近づいてくるにつれてワクワクドキドキなひとときだろう。アッパー・チューンが続くようなときは、ぜひともやって欲しい見せ方だ。
 『CANDY GIRL』のアウトロでは、聴き覚えのないギターソロが入っていた上に、カットアウトで終わっていた。こういうバージョンの存在を、筆者がたまたま思い出せなかっただけなのか、それともイベント出演用に、新たにエディットした音源なのか。どちらだろう。

 2曲歌い終わってから、MCタイムに入った。「hitomiを初めて見る人!!」と、観客に挙手での応答を求める。この日は1日2ステージの出演で、1回目の出演を見て良かったから、もう1回見にきた観客の気配も感じとっていたようだ。
 hitomiは競艇場に来るのは初めてだという。レースのチケットも購入したが、残念ながら賞金獲得とはならなかったもよう。hitomiは実際に現場に訪れてみて、出場者のレースにかける意気込みを感じ取り、心にグッとくるものがあったと話していた。筆者もこれを聞いていて、hitomi自身の歌手活動にかける熱い思いとシンクロする部分もあったように感じられた。
 ラストの曲に入る前に、「一緒に歌って!」と観客に促す。曲に入った後も要所要所でマイクを客席に向け、一緒に歌って欲しい気持ちを何度も表していた。一体感を作り出そうという姿勢が胸を打つ。
 ラストの曲では歌がメロディー・ラインから何度もコース・アウトしていたが、かえって気持ちの高ぶりを直接感じられてテンションが上がった。レコーディング音源には収録されていないシャウトや、「カモン!」という煽りもふんだんに採り入れる。2コーラス目のサビ「少しずつだけどいろんなことが変わって私はここにある」の部分は、末尾を「下関にいるーーーー!」と、歌詞を変更する機転を利かせて、絶叫。熱いステージに仕立て上げた。
 地方のイベントだし、hitomiもどれほどの本気度で臨んでくるのか読めなかった部分もあった。だが見終わってみると、まるでツアーの千秋楽かの如く、すさまじい気合の入れようだった。
 開演前は、遠巻きに眺めるつもりだけだった観客もいたかも知れない。だが、そういう層の中にも、この熱気に連れられて「ここは楽しんでおかないと損だ!」と思い直した方もいるのではないか。

 わずか3曲ではあったものの、入場料の100円だけで熱い気持ちにさせてくれて、本当に来てよかったと思う。筆者はレースのチケットこそ買わなかったが、併設のマリンカフェで飲食をしてきた。くじらロールという珍しいメニューがあったので、来場する機会があれば覗いてみてはいかがだろう。単品300円。コーヒーとセットで350円。

 ボートレース下関に来てみた感想はこうだ。本来の使用目的であるギャンブルを楽しむのはもちろんだが、競艇のことはサッパリわからなくても、レースの現場は非日常を味わえる。何かしらの気分転換になるというものだ。小さな子供の遊び場もあるので、所帯持ちにも嬉しい設計。
 立地としては、車移動なら関門海峡沿いを走るので、ドライブやツーリングには絶好のコースだ。単に走るだけではなく、この日のようにちょっとしたイベントも道中に組み込めば、旅に良いスパイスが加わるだろう。酒が飲めなくなってしまうのには注意しなければならないが。

 筆者は競艇場での音楽ライブは初めての体験だったので、とても新鮮な感覚だった。だが会場としてはイベント慣れしているようだ。今月だけでも、すでに多くの公演が実施されていた。出演交渉が可能なのか、オファーされなければ出演できないのかは分からないが、ショーを見せる立場からも、発表の場として何か気づきを得ることができるかも知れない。

今回のセットリスト

1曲目・hitomi『CANDY GIRL』


2曲目・hitomi『SAMURAI DRIVE』


3曲目・hitomi『LOVE 2000』


併設のマリンカフェのメニュー

鯨ロール@ボートレース下関


X(旧Twitter)公式アカウントより


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