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globeのKEIKOとマーク・パンサーが、おおいた海博に出演!

 11月4日、大分県別府市で開催されたおおいた海博で、KEIKOとマーク・パンサーがトークショーに出演した。
 司会を務める、テレビ大分アナウンサーの藤村晃輝が観客に拍手を促し、ゲストの2人が登場する。KEIKOは「ご無沙汰しております。十四、五年ぶり…いや、もっとですかね」と口を開き、ファンに向けてブランクがあったことを申し訳なく思う素振りを見せつつ、一礼して感謝の意を表した。客席から向かって左側から、MC・KEIKO・マークの並びで着座。

 会場は非常に多くの人出で賑わっていた。筆者もglobeだけ見て「ハイ、オシマイ」というつもりはなく、何か食べてこようと思ってはいた。ところが実際に来てみると、イートインには空席がなく、どこの出店も並ぶ気が失せるほどの行列ができていた。限定400食の、海鮮つみれ汁ふるまいも完配していた。もっとのどかなイメージだったのが、予想以上に大盛況。結局、食事は諦めたほどだ。

 この賑わいに、藤村晃輝も内心タジタジなのを隠しきれないようすだった。KEIKOも自らのデビューが、想定外の大観衆だったことを思い出し、1995年の野外イベント・TK DANCE CAMPを振り返る。緊張から解放されたいがあまり、大観衆の中から両親を探そうとしたエピソードに、筆者も「見つかりっこないだろう」と思いながら、耳を傾けた。当時歌った『Feel Like dance』が、トークショーのBGMとして使用されていた。

 この催しは、「第43回全国豊かな海づくり大会~おんせん県おおいた大会~」開催を記念する、前祝のようなものらしい。マーク・パンサーは「プレ・イベントなんだ?じゃあ、本番は歌っちゃう?」と、KEIKOに声をかける。KEIKOの歌手魂にさりげなく火をつけようとしているようにも感じられた。
 KEIKOは「よしてよ」と言わんばかりに、マークの方に手を伸ばして静止するようなジェスチャーを見せるが、表情はまんざらでもないという、満面の笑顔だった。
 藤村晃輝が大分や海の話題を振ると、まずはマーク・パンサーからその魅力が語られた。今いる場所から海の方を向いても、眺めの良さを感じられる。それ以上に海上から大分県の陸地を見た景色も格別なのだそうだ。実際に舟に乗って、そういう体験をしてきたと話していた。いつもとは違う視点を変えたときの面白さについて触れた。
 KEIKOは実家が料亭なので、生まれ育った頃から魚には馴染みがあると答えた。大の魚嫌いの小室哲哉でさえも、食したほどの魚料理を出す料亭だ。魚嫌いを克服したい方は、こちらの料亭・山田屋を訪れてみてはいかがだろうか。
 地域起こしには地元出身者の存在は欠かせないが、地元民だけではその魅力にはなかなか気づきにくいものだ。そこで外部の血が力を発揮する。地元出身者のKEIKOと、県外どころかフランスの血を引くマーク。このイベントにはうってつけの組み合わせではないだろうか。
 料亭の話から、KEIKOは父親のことも話題に出した。幼いころ、父親に連れられて参加した地元のカラオケ大会で、松村和子の『帰ってこいよ』を歌ったのが、人前での歌唱の原体験だという。

 司会から、どこから駆けつけてきたのかという質問が観客へ投げかけられる。もちろん地元客は大勢いたが、福岡や大阪・東京など遠方からの来客もあった。ちょうど前日・前々日には、隣県にある福岡サンパレスや熊本市民会館でTM NETWORKのライブが開催されている。もしもこのライブの遠征の道中に、こちらのイベントも旅程に組み込んだファンがいたとしたら、なんと見どころ満載な連休を過ごしていることか。
 KEIKOはこう言う。若い頃は、地元を出たくて仕方がなかったが、今になって帰る故郷があること、その土地が大分で良かったと、故郷のありがたみを噛みしめていた。

 会場にはテレビ大分から中継車が来ており、イベントが始まる前に視聴者から2人への質問も寄せられていた。KEIKOの高音ボーカルに憧れるファンから、歌がうまくなる方法についての質問が紹介される。
 KEIKOはまず、端的に「ないです。」と答えてから、ただ歌うことが好きなだけでここまでやってこれたと答えた。わりとアッサリ終わりそうなところ、藤村晃輝が「好きこそものの上手なれ」ということわざを出して補足した。

 継続的な音楽活動ができていれば、ここはもう少し話が膨らむところだったのだろうが、現状では仕方がないか。この場面で視聴者がKEIKOに寄せている想いは、KEIKOがデビュー当初にTRFのYU-KIに寄せていたリスペクト精神にも相通じるものがあるだろう。具体的なアドバイスができれば一番良いのだが、抽象的な話や精神論になってしまっても、激励になる言葉をかけられれば、視聴者にとってはどれだけ感激なことか。YU-KIにどんな言葉をかけられたらKEIKO自身が嬉しいか。これが想像できれば、視聴者からの憧れの対象として相応しい振る舞いができるようになるだろう。

 YU-KIはTRFのレギュラー番組「TRF RHYTHM FIVE」で、寄せられる相談・質問にも、自分なりの見方でリスナーの背中を押すような返答を心がけている。さらに、小室ファミリーの中でも親しかったのは誰かという質問に「KEIKOとは仲良いです」と答えている。この番組は今年スタートしたばかり。過去そうだったというのではなく、今もそう思ってくれているということだ。KEIKOが復帰に向けて歩みを進めていく過程で、少しずつ自信をつけ、いつかはYU-KIのようになってくれることを願いたい。

 マーク・パンサーには、大分県民になる準備はできているのかという、移住を歓迎する質問が寄せられた。別府で物件を探していたところ、契約寸前までいったが、ペットの数がネックになり、この話は流れたという。今は犬・猫・ハリネズミを各2匹ずつ連れ込める、別な物件に目処が立ったらしい。準備は着々と進んでいるようだ。KEIKOも、マークが近くに住んでくれるのは嬉しいと言っていた。ここ最近は、週一ペースで大分を訪れているというマーク。大分の各所で新たなコネクションも生まれているようだ。別府市も100周年が間近に迫っている。市長から「何か1曲頼むぜ」という声もかかっているそうだ。

 最後にKEIKOは再び歌う意思表明をはっきりと示し、「待っていて下さい!」という言葉を残して、マークとお互い背中に手を添えながら、仲良く並んで退場した。

 KEIKOがくも膜下出血で倒れたときは、筆者も万事休すだと思っていた。globeの復活を待ち望む声はあちこちから聞こえてはいたが、どんなに良く見積もっても、後続アーティストのカバーによる、トリビュート・ライブの最後に1曲だけ登場して、座ったままの歌唱が精いっぱいの姿までしか思い浮かばない。「Is this love」ならどうにかこうにか歌えるのではないか。それ以上のことはとても想像できなかった。
 しかし、今回のトークショーを見た後なら、KEIKOが開演から終演までステージにずっと立ち続けている姿が想像できる。globeは、そのともしびが消えないように、両手で大事に覆って守る段階はもう通過したのである。そのともしびが消えてしまう心配は、もう無用だ。これからは、その火の燃え方をより熱く大きくするフェーズに入っていくだろう。

globe『Feel Like dance』

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テレビ大分公式サイトより


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