宇都宮隆ライブ感想(2018.11.3広島)

注:2018年にmixiで掲載した日記を、一部内容を変更して転載しています。

宇都宮隆のコンサートツアー「Thanatos -25th Anniversary final-」の感想。すごい良かった。チケット購入の決め手になったのは、やはり浅倉大介の出演が大きい。バンドメンバーはキーボード3人とギター1人。ドラムとベースは不在。編成がまずユニークだ。呼ばれたメンバー自身も「どうやるんだろ」と思ってたくらいだし、宇都宮隆も今回はすごいこと思いついたなあ。
TM NETWORKのときは、一人の所に集中して鍵盤が山積みになってるけど、今回はステージの端から端までびっしりと鍵盤で埋まってて、もう見た目がド派手!セッティングは大変そう。ドラマーはいないけど、ステージにはドラムセットが置いてある。しかも電飾が凄い。どういうことなんだろう。
開演してまず登場したのは、宇都宮隆とギター・西山毅の2人。まずは西山のギターがうなりを上げる。宇都宮隆はスティックを持ってドラムセットに着く。ドラム叩き出した!いきなり「エエ~ッ!?」と驚いたよ。Howlingのフレーズをチョコっと弾いて終了。いやいやいや、待て!これメッチャ大事なキラーチューンじゃん。こんなオモチャみたいな扱いじゃなくて、本編でガチでやらないと!と思ってる間に土橋安騎夫・浅倉大介・nishi-kenのキーボード3人衆が登場。
一発目は「Eternal Date」。バキバキのハイパーチューンにアレンジされてて、最初、何の曲だか分からなかった。この後の曲もほとんどが何らかのアレンジが施されてて、原曲通りにやったのってあったっけ?とにかく全部聴き応えあったけど、変わりっぷりの激しさという点ではこの曲は相当すごかった。
今回は「if you wish...」、「RUNNING to HORIZON」、「IGNITION,SEQUENCE,START」、「OPEN YOUR HEART」と、小室哲哉作曲のナンバーが多めだったのも嬉しい。「if you wish...」は鍵盤もチラッと足した感じのアレンジで、終盤には追加コーラスが差し込まれた。「RUNNING to HORIZON」はドラムパートは「LOVE-iCE」収録版を軸に、ベースとカッティングギターでサウンドを引っ張る形から、シンセサイザーを多用する形へ変身。間奏の女性コーラスはバッサリ落とされていたが、宇都宮隆自身はマイクが声を拾わないところまで離して、オフマイクでそのコーラスパートを歌っていた。従来のTM NETWORKファンからすれば「こっちの方がいい!」という人はたくさんいそうだ。「IGNITION,SEQUENCE,START」、「OPEN YOUR HEART」の2曲はかなり気合の入ったアレンジ。先のEternal Dateと合わせて、浅倉大介の真骨頂発揮といったところ。誰が何のアレンジをしたかなんて、どこにも書いてないけど、これ絶対浅倉大介だよ、間違いない。
「OUTLOW」での長い長いアウトロで、鍵盤3人衆がソロをリレーでつないでいくのもすごいアツかった。鍵盤奏者3人にそれぞれ見せ場があって、オープニングで宇都宮隆が叩いたドラムセットに、他のメンバーも代わる代わる入っていくんだけど、こういうのも遊び心があって楽しいね。
とにかくアレンジがどれもこれも良くて、このツアーだけで終わらせるのはもったいない。ちゃんとスタジオでたくさんテイクを録って、カッチリ編集したのを音源としてリリースすればいいのに!と思うが、よくよく振り返ってみたら、ほとんどの曲はこのまま出しても一発OKじゃないのってくらい、ボーカルは冴えわたっていたなあ。まあ…でもやっぱハンドマイクじゃリリース用の音源にはできないか。
nishi-kenはキーボーディストとしての才能もさることながら、声質がキレイでコーラスとしての存在感がある。彼との活動のときは他のアーティストに浮気していたので、後追いで知ったけど「インディゴの彼方へ」とかカッコ良い曲があるよね。
中盤の箸休めタイムみたいなところでは、スタッフが出てきて鍵盤を並べ直すんだけど、ここでは宇都宮隆がキーボードを弾いた!絵面的にも超貴重!まあ面白い悪ふざけ的な内容だったんだけど、ここから本編へ戻るときにも、「Be Truth」も鍵盤演奏も含めて本気なパフォーマンスを披露。この曲は何回か生で聴いたけど、今回はまた新鮮に映った。こんだけアゲにアゲてて、終盤にもってきた「ROSY NAIL」も最高に盛り上がった。
終止、シンセサイザーがギュワンギュワンいってる、賑やかな内容。宇都宮隆はやっぱこうじゃないと!MCは少なかったけど、音楽をしっかり堪能できたし、これでいい。後で振り返ってみると、「Howling」は確かに良い曲だけど、楽曲の性格上、今回のコンセプトからは逸れてしまうので、あの扱いにも頷ける。さわりだけでもやってくれてありがとう。またドラマーとベーシストが居るときにガチなやつをやって欲しい。この面子、もう一回揃うかなあ…最悪ギタリストは変わっても仕方ないけど、これでまたやればいいのに。T.UTU with The Bandは好評だからもう一回ってなったんだよね。今回はそれ以上に大成功だと思うなあ。

宇都宮隆 / if you wish…

https://youtu.be/71XyGmJAkPg

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