うつ病の女子高生が望海風斗さんに人生を変えられた話。
私を突き動かすのはいつも、決まって望海風斗という男役だ。
確かな実力と豊かな表現力を持ち合わせながら、謙虚で努力家で慎重な性格の彼女。私とは正反対みたいな存在だ。
今から4年前、16歳だった私は生きるのを辞めたかった。幼いころから勉強ばかりしてきた私は物心ついたときには既に医学部志望で、地元で一番難関とされる高校の特進科に入学する優等生だった。
試験の点数と順位が人生のすべてで、食事中も睡眠中もどこかで成績のことを考えていた。そしてそれは私だけでなく、特進科のクラスメイ