好きな文章について

好きな文章、というものが誰しもにあると思う。
読みやすい文章、うまい文章という類のものではなく、文体や行間を含んだ、存在感を放つ言葉のまとまりのことだ。

私は読後なにか書きたくなる文章が好きである。考えさられる文章とは少し違う。
それは心に直接作用し、新鮮なのに圧倒的に懐かしい説明しがたい感覚、を呼び起こしてくれる文章であり、胸元にじんわりと拡がる不確かななにかを、確かめずにはいられなくなるような感覚にしてくれる文章である。
それがなんなのか、自分になにが起きているのか確かめたくなるのだ。そしてそれを捉えたいという想いから、なにか書きたくなるのだと思う。
などと言いながらも、なにより呼び起された感覚に身を浸すことがただただ心地いいので、単純に好きになるのであろう。

文章の長さや重さは関係ない。
不思議なもので、これは同じ言葉の集まりでも人の声に乗るとその効果を発揮しにくい。
文字で表されているのが適している、と思っている。

フォローさせてもらっている方の文章を読んでいて、ふとこんなことを思いついたので残しておこうと思う。


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