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『紫紺のサムライ』剣を抜き『蒼き賢者』は策を練る(その2)〜関東大学ラグビー明治対筑波 初心者観戦記〜

1.サムライ、波濤の如く

前半終了まであと10分あまり。

筑波の鮮やかなトライに、どこかほろ酔い加減ではあったが、このまま前半が終わる、とも思えなかった。

明治の選手達は、一様に険しい表情を浮かべていた。彼等が背負うものはいつも重い。だからこそ強いのだが。

リスタート明治のキック、筑波キャッチし損ねノックオン。これはまずいぞ!

早くも筑波陣内で明治ボールのスクラムとなる。

明治は、スクラムからボールを右へ、大きく右へ、明治9番から10番、そして素早く左に切り返し11番、さらに9番、寄せてくる筑波の防御を力で振り切りボールは再び11番へ。彼はそのまま飛び込んだ。

32分明治トライ コンバージョン成功

明治対筑波14-12

あっという間の再逆転劇だった。

トライ後、明治11番に選手達が駆け寄った。安堵の笑みだろうか。その目元涼やかな笑顔の波、彼らも又『NEO MEIJI』の学生だったのだ。

リスタート筑波のキック、これは筑波がキャッチして、右へ右へ、短く左へ切り返したが、明治の防御は力強い。ボールに絡まれ筑波ペナルティー。

明治はボールを出して再び筑波陣内へ迫る。

明治ボールのラインアウトは明治がキャッチ、すぐ左へ左へ、素早く右へ返して又左へ、さらに右へ、速いパスの連続で筑波防御網を翻弄しようとする。

しかし、筑波は速い寄せからの強いタックルで明治の前進を阻む。ボールは左へ、しかし、筑波の圧力に遂に屈し、明治ノックオン。

筑波ボールのスクラム

しかし、明治のスクラムは強い。筑波はアーリーエンゲージのペナルティを受け、明治ポールのスクラムに。

明治はスクラムでジリっと前進後、ボールを右へ、大きく右へ。明治15番は左に切り返して走りこむが筑波防御網にかかり、ボールは再び右へ。筑波はインターセプトを試みるもタイミングを外され、遂にボールは大外右明治14番へ。しかしここも筑波が応戦。

今度は明治のFW陣が束になって当たりながら、徐々に前へ前へ迫ってくる。

そして、ボールは左へ。両校の攻防は緊迫してきた。明治9番からボールを受けた8番を筑波が渾身の力で引き倒す。

しかし、ついに明治9番から左へ、速いつなぎで12番、そして14番にボールは渡る。筑波は二人がかりで止めに入るも、彼はそれを振り切り左隅にボールごと飛び込んだ。

42分

明治トライ コンバージョンは失敗

明治対筑波19-12

紫紺のサムライ達に『諦め』の文字はない。

その攻撃は15フェイズにも及んだ。

2、スカイブルー、盾の如く

言いようのない高揚感が心を包んでいた。

ここぞの場面で見せる明治の力と技にはただ感服するほかない。色合いの異なる両者が、がっぷり組み合うこの試合は、後半さらに波乱の度合いを増すだろう。

試合後半は、筑波のキックで始まった。これを明治がキャッチ、個々の強い体で筑波の防御を押し倒し前進を図る。左へ右へ、そして後方に送りキック。

キャッチした筑波はすぐ、左へ右へ速攻で繋ぐ。小刻みなステップと緩急あるパスのコンビネーション。筑波11番は一気に大外右へ走り左の6番にパス、再び右大外へ。しかし、ここで、筑波ノックオン。

明治ボールのスクラム。

筑波1番は明治FW陣のターゲットになっているのか。筑波コラプシングのペナルティー。

明治は自陣を脱出し、明治ボールのラインアウト。

明治はキャッチ後すぐモールで押し込みつつボールを右へパス。後方におくりキックで前進を図る。

しかし、筑波がボールをキャッチ、左方向へ一気に加速してボールを繋ぐ。そして今度は右へ当たりながら前進。しかし、明治は3人がかりで襲いかかる。たまらず筑波はノットリリースザボールのペナルティー。

明治は再び敵陣へ。

ここまでで明治のペナルティーは3、に対して筑波は10。明治の『圧』はやはり尋常ではない。

明治ボールのラインアウトは明治がキャッチ。素早く左へその後右へ。

ボールを受けた明治10番に筑波は猛烈なタックルを浴びせ押し倒す。明治の前進に筑波は2人がかりのタックルで応戦。

ついに明治ペナルティー

筑波の選手達は、パチっと音が聞こえるほど何度もハイタッチを繰り返した。その表情には仁王のような気迫が漲っていた。

リスタートした筑波は、右へ左へ速いパスで攻撃を仕掛ける。しかし、ここで筑波にペナルティー、明治は力のディフェンスでまたも敵陣に迫る。

明治ボールのラインアウトは明治がキャッチ。すぐに右へ右への速い攻撃、筑波のタックルがタイミングを外される。

ボールは明治13番に一気に繋がるが、今度は筑波が鋭いタックルで前進を阻止。明治ボールのまま左へ右へ、しかしここで、明治ペナルティー。

筑波は渾身の防御でピンチを脱した。

まもなく時計は50分になろうとしていた。

筑波ボールのラインアウト。両校競り合いの後明治が獲得、かと思いきや、明治にペナルティー。獲得後に何かあったらしいがテレビではよくわからない。

筑波はボールをだして明治陣内へ。

ラインアウトのサイン確認なのか、盛んに話し合っている。しかしうまくいかない。

放たれたボールを筑波はキャッチできずノックオン。そのままプレーは続き、明治がポール保持。左へ左へ速いパス、そして、右へ、大きく左へ左へ。明治の選手は個々の体が強い。個の強さで前進しながら明治9番はボールを軽く蹴り上げたが、先に落下点に入った筑波がキャッチした。

ここでアクシデント発生!

明治12番にハイタックルのペナルティー。

故意ではないものの、彼の腕が直接筑波の選手の首に入ってしまったのだ。

イエローカードでシンビン=10分間の退場となった。

時計は53分を回っていた。

にわかに試合は緊迫の度を増した。









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