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12夜の話

タイトル througf your reality 

 駅前通りにある飲食店ども。Mハンバーガー、Y牛丼、Jラーメン、T油そば、どいつもこいつもおぞましいほど安価で、満足度高め、割にうまい。飯テロリスト。テロ。テロ。テロリスト。あんなもの食って平気な顔で喜ぶ奴らは、知らず知らずのうちに誰かに踊らされているのではないか。貧困層はファストフードを好む。バカな奴ら。批判精神。そうやって彼らを見下して、自分も誰かに踊らされているとは知らずに、俺は喫煙者に割り当てられた非常に狭いスペースでタバコを吸った。缶コーヒーのプルタブを引く。駅前のパチンコ屋で玉を弾き、やがて疲れきって家に帰りTVのバラエティを見ようとする。アメリカのニュースが邪魔をする。俺は、あの国で銃殺された青年の存在を知る。画面に釘付けになるようなことはない。自分に向き合っていない人間にそんな資格はない。自分が日々、労働に精一杯であることにすら気づかない奴らが多すぎるから、似非パンクが増加し続ける。俺はかまってられない。アメリカの青年には今はなにも思わない。自分に向き合っていない俺にはそんな資格はない。逃げるなーーーー! 人生のリアリティってなんだっけと思考する俺には世界のすべての個人がすべての貧困を生み出しているのだと思う夕暮れ時に感傷はない。

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