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出でよ!ジャンヌダルク!!#24

株式会社アッテミーの代表・吉田優子さん

「出でよ!ジャンヌダルク!!~女性経営者が未来を変える~」。
(毎月第一金曜日・午後7時~)https://www.be-happy789.com/
毎回、創業間もない女性経営者にゲストとしてご登場していただき、
何故、起業し、そして、今後、何をして行きたいのかを、お好きな曲とともに根掘り葉掘りお聞きしていきます。
6月のゲストは、株式会社アッテミーの代表・吉田優子さんです。

(※写真真ん中)

さて、このアッテミーの事業を一言で言うと「高校生向けのインターンシップサイトの運営」となるんですが、吉田さんは、こう言葉を足されました。

「高校生で就職を考えている方とか、高校生から将来どんな風に働こうかなという風に考えている方が、インターシップに行く、さらにこのサイトを通じて、求人にもエントリーができるっていうサイトの運営をしています。」
 
実は、高校生の就活は、大学生の就活とは大きく異なります。
吉田さんは、こう説明して下さいました。

「大学生や社会人の就職活動って、自分でサイトにアクセスして、何社か同時にエントリーして就職活動していくっていうのが一般的ですよね。一方、高校生の場合は、学校側が企業からの求人を預かって、先生の指導のもとで原則一人一社応募して、就職活動をしていくっていう仕組みになっているんです」
 
いわば高卒就活は「先生主導型就活」。ただでさえ忙しい先生方に大きな負担が課せられる。ならば、そこに民間の力でお手伝い出来ることがあるのでは、と言うのが吉田さんのこのお仕事を始めたキッカケです。
また、吉田さんが、子ども時代に、先生に憧れていたと言う側面もあったからかもしれません。
 
「保育園の時は保育園の先生に、小学校の時は小学校の先生に、中学校の時は中学校の先生になりたいと思っていました。」
 
しかし、高校に入って大きな衝撃を受けます。
 
「高校1年の時に、すっごい分厚い英語の参考書が渡されて、『来週、1ページから10ページまでをやってきなさい!』って言われるんです。もちろん やっていって、さて、どんな楽しい授業が待っているんだろうかと思うと、ただ答え合わせをするだけ。え!これ、何のためにやるの?となって」

(※高校時代の吉田さん)

それまでは、優等生だった吉田さんは、急に勉強への意欲を無くし、勉強を一切しなくなります。本人曰く「誰にも迷惑をかけない反抗期」とのことでしたが、流石に高校三年生になって、自らの針路を考えたときに、「やっぱり先生かな」となって、一浪後、上智大学の教育学部に進学。教員免許も取得しました。しかし、一般企業のことを知らずして、子どもたちに「働く」と言うことや「進路」について教えることなど出来ないと、卒業後は、ECサイトを運営している誰もが知っている大手企業に就職。けれど、当時のこうした業界は、早朝から深夜まで働きづめと言う状況で実にハード。また、思っていた部署にも就けそうになかったことから、その会社を3年で退職します。でも、それは、吉田さんだけでなく周囲の同僚たち、大学を卒業して入社してきた仲間たちにも同じようなことが起こっていました。一方で、吉田さんの顧客であった店舗側の経営者の中には、大学など出ていなくても、大学中退、高卒、中卒と言う方でもシッカリ稼いでいる。そこで、吉田さんは感じるものがあったと言います。

(※OL時代の吉田さん)

「今から10年ちょっと前ですけど、有名な大学に行って、大きい会社でフルタイムで働くっていうのが“いい生き方”で、しかも女性は、男性に負けずにガシガシやってくっていうのが“いい働き方”というのを、何となく、学校とか、世間とか、親から感じていたんですけど、そのECサイトで働いていた時に、色々な経営者の方を見て感じたんです。例えば、結婚・出産で専業主婦になったけど、『退屈だ!』と言って、ノートパソコンを買ってきて、自宅からすごく売り上げをあげておられる女性もいました。パソコン1台あれば本当に色々な働き方とか稼ぎ方とかができるんだと、そういう時代になっているのに、学校現場、高校生たちは、いまだに、とにかく大学で就活、その時まで、働き方とか稼ぎ方、世の中が変わってきていることを知らないまま勉強をしているのは、ちょっと違うかな、ちょっと窮屈かなと思ったんです」
 
そこで、吉田さんは、その会社を退職後、一旦、実家で充電期間を過ごすものの、大阪で、高校と言う組織に入って、高校生に就職指導、進路指導ができると言う職を見つけ、その仕事に就きます。まさに、吉田さんが希望していた職種でした。しかし、何故そこから起業にまで至ったのか?
番組では、その瞬間を切り取って、ラジオドラマ風にお伝えしました。

「えっ?高校生就活って、一人一社制なの?選択肢の幅、狭すぎない!?」
大阪に来て、この仕事に就いて、初めて優子は高校生就活の現状を知りました。
「これって、おかしいんじゃないの?」

持ち前の正義感・・・と言うか、不条理なことは許せないと言う気持ちが日ごとに大きくなっていきましたが、仕事は楽しく充実している。
しかし、それも、長くは続きませんでした。

 
と言うのも、そもそも、この仕事は一年限定だったからです。
この仕事を続けたかった優子は、もちろん悩みました。
「さて、どうする?自分で事業として立ち上げるか?それとも、もう一度、企業に就職するか?しかし、企業の中でやりたい仕事が出来るのか?
出来るとしても、やはり、そこには相当な時間がかかるんじゃないか?
さて、優子よ!どうする?」
そう思い悩んでいた優子の背中を押したのは、当時付き合っていた彼、
今の夫でした。彼は、こう言ったのです。
「やらない理由なんて、あるの?」
その言葉に優子も思いました。
「そっか、やってやれないことはないか」
とりあえずやってみる。やらない後悔より、やった後悔がいい。
それが優子のポリシーだったのです。
 
もちろん、起業当初から大きな仕事が入ってくる訳ではありません。
合同企業説明会の会場でキャリアコンサルタントとして就活生への面談をするであるとか、大学生の採用時に一次面接の面接官の代行業務など、就職には確かに関係するけれど、高校生に特化してない仕事も引き受けました。
しかし、認知されるようになるにつれ、次第次第に、仕事も入り始め、
高校生就活のルールが変更される今、その注目度は大いにアップしています。高校生就活に新たな道を切り開くと言う御旗を掲げ、今後ますます大いに走り回ろうと言うジャンヌダルクなのです。

ここに「もちろん、起業当初から大きな仕事が入ってくる訳ではありません。」と紹介しましたが、じゃぁ、どこから、それなりのお仕事が入るようになったのか?吉田さんは、こう答えられました。

「変化し始めたのは、高校生の採用活動について、企業さん向けにブログを書き始めたところから変わってきましたね」
 
最初は誰が見てくれているかも分からなかったそうですが「とりあえず、書いてみる」と言うのが大事で、ある時から反応が出始めたそうです。これから「起業を」と考えておられる方々には大いに参考になるかと思います。
さて、最後に、この「高卒就活」がどう変わっていけば良いのか、また、そのためにはアッテミーは何を仕掛けていくのかをお聞きしました。

「高校生が一人一社だけ応募して就職活動していくっていう仕組みは、確実に進路を保証すると言うことですから、社会のセーフティネットとしては、ものすごく有効な機能だなとは思います。しかし、例えば、同じ学校の中で『鉄道会社を受けたい』と言う希望者が3人いたら、学校の中で1人に絞ることがよくあるんですよね。そうすると、希望の業界にすら応募できずに、諦めてしまう高校生たちが出てきてしまう。そういう子たちには、出来れば最初から何社も自由に応募できるそうした就職活動のルート、これを学校現場では、“自己開拓”・“自由就職”っていう風に言うんですけど、こっちの社会の仕組みを作るべきだなと思っています。高校生が一人一社で就活するか、自由に何社も応募できる就活を選ぶのかっていうのが、高校生側も選べるし、企業側もどっちで求人を出すか選べるようにするのが一番理想だなと思っています。しかし、いきなり制度が変わっても、やっぱりそれを使おうと言う自信を持った高校生が増えないと、使われない。また、ミスマッチを防ぐという意味でも、高校1~2年生のうちから、インターシップに行って、こんな大人が親や先生以外にいるんだとか、例えば、建築業界に行きたいと思っていたけれど、内装もあれば、外装もある、設計もあるんだ。であるなら、設計の方に行きたい。設計なら、大学や専門学校に行ってやっぱり勉強しなきゃな、学校の勉強を頑張ろうかな、と言うように高校生たちが将来こうありたいから、今、何をすべきかっていうことに気づけるように、インターシップの仕組みの充実と言うのを、まずは大阪から、そして全国へと、その仕組みを届けていきたいなと思っています。」

大阪では、今年度から「一人一社制」から「二社制」に変わりました。確かに、一歩ずつではありますが、高卒就活は変わっていきそうです。今後の吉田さんのご活躍を大いに注目したいと思います。

ちなみに、吉田さんが「ここぞ!」と言う時に聞かれる曲は、leccaの「my measure」♪その理由は・・・
 
「世間の言う成功や幸せなんて、全員に当てはまる訳じゃない。自分のものさし・価値観を信じて生きていこう。これまで諦めたことも、失敗も全部引っくるめて、私でいいと力をもらえる曲です」

まさにその通り!
いやぁ~本当に興味深いトーク、吉田さん、ありがとうございました。
 
さて、次回の放送は、7月1日(金)です。
どんなゲストが、どんなお話しをお聞かせくれるのか?
皆様!!お楽しみに!(*^_^*)

【参考】
株式会社アッテミー:https://atteme.com/

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