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出でよ!ジャンヌダルク!!#29

フォトスタジオ エヌ プラスの西尾菜美さん

「出でよ!ジャンヌダルク!!~女性経営者が未来を変える~」。
(毎月第一金曜日・午後7時~)https://www.be-happy789.com/
毎回、創業間もない女性経営者にゲストとしてご登場していただき、
何故、起業し、そして、今後、何をして行きたいのかを、お好きな曲とともに根掘り葉掘りお聞きしていきます。
11月のゲストは、フォトスタジオ エヌ プラスの西尾菜美さんです。

写真真ん中が西尾さん

西尾さんは、今年8月に開催された関西では伝統のあるビジスプランコンテスト「第16回ドリームDASH!」で、「ウメダFM Be Happy!789 賞」を受賞されました。その受賞理由は「起業までのドラマ性の高さ」だったんですが、まずは、その事業内容からご紹介しましょう。
もちろんフォトスタジオなので、成人式の振袖姿や七五三の可愛いお子さんのお写真も撮られるんですが・・・

「写真を撮ることによって、がん患者の皆さんが笑顔になり、前向きな気持ちになれるようにとの思いを込め“キャンサーフォトプラン”を柱に写真スタジオを運営しています」

もちろんガンと言っても、様々なステージがある訳で、健康な方とほぼ変わらないような方もおられますが、そうでない方もおられます。例えば、鼻から管を入れて、呼吸を補助してあげねばならない患者さんもおられると言うことで、結局、撮影したその写真が、その方の「遺影」になったと言うケースもあるそうです。それは、撮影者としてどうなんでしょう?

「嬉しかったです。お亡くなりになられたご本人がお亡くなりになる前に『この写真がいい』と、他の写真がある中で、その写真を選んで下さったわけですから、嬉しかったです。写真だけでなく、その時の思い出も含めて選んで下さったと思えるので」

なるほど。しかし、撮影は一般の方々を撮る際とは大きく異なります。事前に症状などのヒアリングを丁寧に行わなければなりませんし、当日も、看護師さんに現場に立ち会ってもらう必要があるからです。ですから、本来であれば、割高になるはずなんですが、西尾さんは5万円を切ると言う低価格でこのサービスを実施しています。その訳は?

「写真を撮りたい人から『10万円円でも撮るよ』とおっしゃって下さったんですが、やっぱり10万円は大きい金額。患者さんは治療費やお薬代もかかる。そこで、ちょっと頑張ったら支払える金額としたんです。金額で、写真を撮ると言うことを諦めて欲しくなかったからです」

この西尾さん、現在48歳。しかし、実際にカメラマンとして働き始めたのは、45歳から。そして、何故、こうしたフォトスタジオを立ち上げるに至ったか?まずは、西尾さんのそれまでのキャリアをご紹介しましょう。
大学は、美大で、グラフィックデザインを学び、卒業後は、お父さんが元・カメラマンだったと言うことから、西尾さんもカメラマンを目指すんですが

「当時は、この業界、まだ男社会で、師弟関係が強く、スタジオに入っても『見て覚えろ!』と言う感じで、どうしよう?と言う感じで、すぐ挫折しました」

その後は、フリーター時代もありましたが、実に様々な仕事に就くことになります。生命保険の外交員や、医療機器メーカーの営業、またバーなどでも働かれたそうです。一時は、メンタルを壊し“引きこもり”状態に陥ることもありましたが、40歳を超えてから、派遣で、大阪国際ガンセンターに勤め、企画広報のお仕事をされます。ここで、医療従事者や患者さんと出会い、患者さんの写真を撮り始め、それをパネルなどにして展示していました。
すると・・・

「患者さんのご遺族の方から『うちの亡くなって主人が写っている。いい笑顔。生前の主人そのものなので、その写真くれませんか』と言われました。そこで、家族にとっても、こうした笑顔の写真って大事なんだと。そこで、私、やっぱりカメラマンをやりたいと思ったんです」

しかし、派遣契約は3年で終了。それを機に、呉服屋さんに併設されたフォトスタジオに転職。それが45歳の時。そして、去年、大阪国際がんセンターの医師からの呼びかけで「AYA世代」いわゆる15歳~30歳代のがん患者の方の無料撮影会を、クラウドファンディングで資金を集めて開催して、これが大成功します。

「普通、若い人たちって振袖の写真を見ると『これ、可愛い』とか『これ、バエてる』『これがいい』と反応するところ、患者の皆さんは『あっ、私、笑ってる』とか『私、すごく幸せそう』とか、感じ方が全く違ったんです。また後日も『前向きになりました』であるとか『それまでは、なんで私ばっかりこんな目にあわなければならないねんと思っていたものが、ここまでやってくれる人もいるんだ。今後は私が恩返ししなければと思うようになりました』と言う声を戴くようになりました。また家族の方たちだけではなく、医師からも『今後も続けて下さい』と言われたんです」

この時点では、まだフォトスタジオの従業員だった西尾さん。撮影会が
大成功であれば、わざわざその状態を変える必要はなかったのではとも
思えますが、何故その後、自らのフォトスタジオを立ち上げるまでに
至ったか?番組では、その瞬間を切り取って、ラジオドラマ風にお伝えしました。

「えぇ~!立て続けに2回目を開催しちゃ、ダメなの??先日大成功した撮影会第2弾を企画して、クラウドファンディングで資金を集めようとしても、全然、寄付集まらないじゃないの!」
菜美は思いました。
ニーズはある、しかし、寄付で資金を集めるのは限界があると。
そこで、以前から「いつかは起業」と思っていた菜美の行動は素早く、
その年の暮れにそれまで勤めていたフォトスタジオを退職し、
起業準備をスタートしますが・・・
 
「私、創業の仕方なんて、な~んにも知らない」
そこで、支援機関の扉を叩き、起業相談にのってもらいます。
そこで初めて学んだのが「お金の借り方」でしたが・・・
「えっ、自己資金も要るのね。でも、私、貯金なんて全然持ってな~い」
しかし、そこに思わぬ事態が起きたのです。
自転車で走行中に自動車にはねられ、保険金が下りたのです。
菜美は思いました。
「自己資金が、交通事故の事故資金で手に入った。やはり、これはやれ!と言う何かのお導きびきよね」
 
しかし、実際に融資を受ける際には
「そんな志の高いビジネスに自己資金など要りません。融資しましょう」と
話はとんとん拍子に進みます。
スタジオも相場よりも随分低い価格で借りることが出来、2度目のAYA世代の
ガン患者の無料撮影会も無事開催出来ました。
確かに様々な経験を経ての起業ですので、
周囲からは「回り道」と思われるかも知れませんがですが、
菜美は言います。
「全ての経験が繋がっている」と。
遅咲きのジャンヌダルクのこれからの活躍から目が離せません。

そうなんです。西尾さんの様々な経験は決して無駄ではありませんでした。
西尾さんは、改めてこう話されました。

「色んなことが結局全部繋がっている。私がやってきた仕事も、出会った人たちも皆繋がっている。カメラマンを目指したのは20代初め。最初は挫折して、その後、様々な仕事をしてきたわけですが、それも今、全部繋がっているんですよね。やってきたことは、全て無駄じゃないなぁと」

では、今後は、どう今のビジネスを展開していきたいのか?とお聞きすると、一つは、「キャンサーフォトセラピスト協会」のようなものを作って、カメラマンの方々に技術指導はもちろん、医療知識を身に着けていって欲しいと考えておられます。それは、スマホで簡単に写真撮影が出来る世の中になった今、プロのカメラマンの価値を今一度復活させたいと言う思いがあるからです。
そしてもう一つは・・・

「病院の中にフォトスタジオを作りたいんです。そうすると入院患者さんも安心して写真を撮ることができる。一方、医師も、治療の話を患者にすると、どうしても暗い話になるけれど、こうしたスタジオが院内に出来ると『こんな綺麗な写真があそこで撮れるよ』『こんな写真が撮れるように頑張って治療しようね』と明るい話題を医師も患者さんに提供できるようになると思うんです」

なるほど。確かに、決して簡単なことではないかと思いますが、西尾さんは

「写真を撮られることで、患者さんの気持ちが明るくなるどのエビデンスを揃えて、いつかは認めてもらえるようにしたい」

そう意気込んでおられます。
西尾さん、素敵なお話を本当にありがとうございました。今後ますます頑張って下さい。

そんな西尾さんからプレゼントがあります。
フォトスタジオ エヌ プラスにて、当選されたお一人の方のために、
西尾さん自らがカメラのファインダーを覗いて、ポートレート写真を
撮って下さるそうです。場所は大阪・谷町四丁目駅すぐそばです。
当選後、西尾さんの方から連絡がありますので、スケジュール等は個別に
ご相談下さい。プレゼントご希望の方は以下のウメダFMのプレゼントフォームからお申し込み下さい。

最後に、西尾さんが「ここぞ!」と言う時に聞かれると言う曲は、
WANIMAの「やってみよう」と言うことでした。

さて、次回の放送は、12月2日(金)です。
どんなゲストが、どんなお話しをお聞かせくれるのか?
皆様!!お楽しみに!(*^_^*)

参考:Nplus's Site (photo-studio-nplus.com)







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