全日本っていいよねって話

新田見です。
僕にとって、悔しかったり、ダメダメだったりしてばかりの全日本大会ですが、僕の目線で全日本大会の良いと思うところを3つ紹介します。

1. 懸けてる

全日本で選手権クラスを走る人たちは、大なり小なり、その人たちにとって大事なものを抱えて走っている。何かを得たり、守ったり。それは勝利かもしれないし、自分の価値観かも知れない。少なからず何かを削って彼ら彼女らは選手権クラスに向かっている。上位になればなるほど、それは自然と剥き出しになっていく。そんなレースがおもしろい。

主催者たちも大きな挑戦をして、その時その大会に懸け続けてきている。場合によっては、出場する選手よりも、大きな犠牲を払いながら進んできている。そんなスポーツ、他にないと思う。ビジネスにしようとしてやっている訳でもない。最高の体験ができる場を用意したい。いろんな人が輝くのを支えたい、広めたい。実行委員長の言葉には、主催者を代表して、様々な想いが溢れていた。そんな大会、ほかにないと思う。

2. 認め合う

人と人の距離が近い。選手たちは、普段から自分を支えてくれたり、応援してくれたりする人の存在によく気がつくし、感謝する(と思う)。また、普段競い合うようなライバルと、互いのそれまでの取り組みやその結果を称え合える(僕は2日間とも会場にいる時間が短すぎて全然話せなかったけど)。選手も運営も、言葉にしなくてもお互いの取り組みを理解できるから、歩み寄れる。
一年に一度の節目となる大会だからこそ、応援と走りには熱が入るし、走り終えた後には様々なしがらみを越えた交流が生まれる。最後には、また次に向けた新しい火が点る。

3. vs世界

今年の全日本選手権はチャレンジングだった。これまでの日本の限界を超えようとする仕掛けがあった。

今年度、WOCやWUCOで好走があったり、夏の長期遠征者が何人もいたり、IOF主催トレーニングキャンプに乗り込んだりと、世界に目を向けた動きが多かった。そして、例年通りにただ跳ね返されるのではなく、何か手応えを掴んで持って帰ろうとして、持って帰ってこられた選手たちがいた。
そんな動きは何となく、世界レベルを目指して集団でのぼっていこうとする波長を生みつつあるように感じる。僕たちは生半可なコースを望んではなかった。

そして、ご存じの通り、今回のコースは選手たちに世界レベルに近い要求を出した。しかし、特に、ミドルディスタンスに関して、僕たちは自分で要求していたものに対して、応えることが出来なかった。これはコースが悪いということでも、選手が悪いということでもない。ただ僕たちの実力がまだ、目指すところに追いついていないというだけの話だった。「出来ない」を当たり前にしちゃいけない。出来るようになれば、オリエンテーリングは、もっとおもしろい。

大会前、実行委員長の粂早穂さんにインタビューをしてもらった際に、こんな言葉があった。
「世界選手権を目指す選手たちには、全日本を通過点として使ってほしい」
僕たちは同じ方向を向いていた。

If you want to go fast, go alone. 
If you want to go far, go together.

全日本選手権で、これからもっと上を目指していけそうな気がした。

おわりに  ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
自分なりに全日本大会を盛り上げる一助になればと思い、3本執筆してみました。もっといろんな方の全日本大会を読めたら面白くなるんじゃないでしょうか。
来年度の勝浦大楠。あまり好みのオリエンテーリングテレインではなさそうです。そういう意味でもチャレンジング。目標は、全日本にフォーカスし過ぎずに優勝することです。また頑張りましょう。
一気に寒くなって故障の気配が近づいてきているので、気をつけて練習していきます。またどこかで。


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