道端の葉っぱ
いつもの散歩道を、歩く。
道路に沿って住宅街を抜ける、二子玉川への道。
そんな、僕にとって当たり前の景色を、ちゃんと観察しようと思った。
足の進みをゆるめてみる。
すると、それまでの当たり前が、まるで違って見えた。
家の植え込みにしげる葉っぱたちを、じっくりみつめた。
色んな顔をしていた。
丸くてぷっくりしたものや、細長くて大きいもの。
みんな違っている。
するとそこに、とげのある葉っぱがあらわれた。
同じ土から生えているのに、まるで形が違う。
服が引っかかったらやぶれてしまいそうな、
そんな葉っぱがあらわれた。
少し前の自分なら、避けていたかもしれない。
丸みのある葉っぱを見て、そのつややかさに元気をもらっていただろう。
でも、今日は違った。
とがったこいつが、目に入ってきた。
たしかにとがっちゃいるけれど、日に照らされて、どこかいさましい。
もう一度、となりの丸い葉っぱを見た。
ちっちゃく、とげがついていた。
同じ土で育って、一緒に頑張っている。
僕は、二子玉川に向かって、歩みを進めた。
新しい出会いに、胸おどらせて。
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