ヤングケアラーを落ち目に感じる子たち

「ヤングケアラー」って聞いたことありますか?

僕はよく議題に出てくるので認知してた。法令上の定義はないが、一般に、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話なとを日常的に行っている18歳未満の子を指す。

最近ある中学生と話す機会があった。
将来について語っているとすぐ家族のお話をする。自分が家を離れたら母親の負担が増してしまう。自分のやりたいことより家族が優先。周りの大人は偉いねと彼女を褒める。
果たして、本当にそれでいいのだろうか?

親の障害(親自身が気が付いていない場合もあり)精神疾患、多子家庭の下の子の世話を当たり前にしてる(させられてる)、病気の家族の世話、発達障害の子のケアを母が行いそれ以外のフォローをする子などなど、様々なパターンのヤングケアラーに該当する子ともがいる。
それってお手伝いじゃん。当たり前でしょ。なんて声もあるだろう。

お手伝いとヤングケアラーで決定的に違うのは、責任の所在。子どもがその行為について「責任」を感じているかとうか。
お手伝いの主体は、あくまでも親。それにまつわる失敗の責任を取るのは、頼んだ親になる。ヤングケアラーの場合は、その失敗に対しての責任は子とも自身に降りかかるということ。

僕が話した中学生の子も母子家庭で母が働いていて頑張ってくれてるから家事をこなし小さい弟の世話をする。部活も続けられず途中で退部。宿題が間に合わないことがある。娯楽に時間を使えず周りの友達と話が合わない。
ただ本人は家族のためだと思い、自分にとって家事や弟の世話は当たり前になっている。

宿題が間に合わないのは家のことと両立できない自分が悪い。こんなことじゃ高校もやっていけないと思う。弟の世話ができない私は駄目なお姉ちゃん?
ヤングケアラーの割合は中学生で約17人に1人(5.7%)、高校生で約24人に1人(4.1%)の割合で存在することがわかった。定時制高校で約12人に1人(8.5%)、通信制高校で約9人に1人(11%)。
厚生労働省と文部科学省、2020年12月~2021年1月ヤングケアラーについての調査(全国の教育現場に向けて初めて)

2020年3月、埼玉県で日本初となる「ケアラー支援条例」が成立された。
少しずつ認知も増え対策が組まれている。
イギリスでは対象にある子に対して教育や就労支援、財政面での援助などが強化されてる。また学校での対策で放課後にヤングケアラーの生徒たちが集まり、情報交換など交流を図るプログラムが実施すること。その場に、NPOなどの支援団体、学校の担当教員、地域ボランティアの方が参加して子ともをサポートをする。同じょうな境遇の仲間を見つけることで、勇気づけられ、自分自身がヤングケアラーであることに誇りを持てるような土壌づくりがなされている。

自身の学業と家庭の両立。やりたいことを押し殺すこともある。それは落ち目に感じることじゃない。むしろ誇ることだ。
そのような考え方ができるのは素晴らしいと感じた。納得もできた。子どもたちが当たり前のように話せる環境作りが必要だ。

心優しいその子が、人生に楽しいを見つけられるように。やりたいことが少しでもできる世の中を。大人たちでサポートしていかないといけない。

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