8 photos in CHINAの主旨について

「中国」

文化、歴史、地理、政治、経済。あらゆる分野において、この国を抜きに世界を語ることは不可能と言っても過言ではありません。テレビを点けてもネットを見ても、今や「中国」の二文字を目にしない日の方が珍しいのではないでしょうか。日本に限らず、世界各国のニュースで、良くも悪くもトピックに挙げられることが多い国。

私はその中国で生を授かりました。

日本人の方もご存知の通り、中国は多民族国家です。人口の9割以上を漢民族が占め、圧倒的マジョリティの漢民族+その他55の少数民族で構成されています。私は、マイノリティ側の少数民族の一つ、朝鮮族に該当します。

中国の少数民族については、また別のマガジンでご紹介したいと思いますが、朝鮮族とは、その名の通り「朝鮮半島」をルーツとする少数民族であり、国家統計局が実施した第6次人口調査(2010年)によると、その人口は183万人とのことです。近年、韓国や日本を初めとする諸外国への出稼ぎや移住に伴い、朝鮮族の人口は顕著な減少傾向にあります。

そんな私も、約10年前までは海外移住組の一人でした。正確には、「私たち家族」ですね。1986年、中国遼寧省で生まれた私は、父の日本留学に連れ立って、3歳から大学卒業までの約20年間を日本で過ごしました。

物心がつく前に母国を離れ、日本人コミュニティの中で幼少〜青春時代を過ごしてきた結果、ネイティブが日本語になっただけでなく、アイデンティティ、価値観、行動様式、趣味嗜好と、あらゆる要素がジャパンナイズされた「中国生まれ日本育ちの、極めて日本人に近い中国人(※但し朝鮮族)」という、訳の分からない人間が出来上がってしまいました。更にどういう縁か、配偶者は結局同じ朝鮮族の模様。

朝鮮族の妻と母 with 中高の同級生たち @ 上海


日本で大学を卒業した私は、2009年から生活の拠点を上海に移します。当初は1年間の中国語留学(中国人なのに)を経て日本に戻る(中国人なのに)予定でしたが、これまたどういう縁か、気付けば上海での生活も10年目に突入してしまいました。

もともと、日本と中国にバックグラウンドを持つ身として、日中の架け橋になること、相互理解に貢献することを自分の人生のテーマに掲げていたこともあり、上海生活10年目の節目を迎えた今、この「8 photos in CHINA」を通じて情報発信をしていくことを決めました。

日中関係の現状を知る上で、毎年拝読させて頂いている「日中共同世論調査」によると、現在の日中関係について「良い/どちらかと言えば良い」と答えた回答者は、日本人が6.7%、中国人が22.8%、相手国に対する印象について「良い/どちらかと言えば良い」と答えた回答者は、日本人が11.5%、中国人が31.5%、逆に「悪い/どちらかと言えば悪い」と答えた回答者は、日本人が88.3%、中国人が66.8%だそうです。

近年の推移グラフを見ると、若干の関係改善の兆しはあるものの、依然として両国の関係が冷え切った状態にあることが窺えます。特に、相手国に対する印象については、2013年以降、中国→日本の好感度は大きく改善されましたが、日本→中国の好感度は全くと言っていいほど改善が見られず、約9割の日本人が中国=嫌いだと考えているようです。10人に9人が中国を嫌っているって、なかなかシビアな状況ですよね。

では、両国民が日中関係を重要視していないかと言えば、そうとは言い切れないようです。

過半数を大きく超える、約7割の両国民が、日中関係を重要だと認識しています。


そして、私がこちらの世論調査で特に注目しているポイントが、次の2項目です。

そう、私が言いたいことはですね。



そもそもお互いのこと良く知らないでしょ!!!!!!!!!



ってことなんです。

私は、政治家でも無い、ジャーナリストでも無い、ただの日本通の中国人ですから、世論を動かすような大きな力は当然持ち合わせていません。ただ、マスメディア以外に中国情報を発信するプラットフォームが、世の中にもう少しぐらいあっても良いんじゃないでしょうか。中国人の訪日ブームはまだしばらく続くでしょうから、彼らは黙っていても勝手に日本に行くでしょう。私が情報をお届けしたいターゲットは、中国へ行きたくないと思っている7割の日本人の方々です。

誤解を恐れずに申し上げますが、私だって中国が好きかと聞かれたら、「どちらかと言えば嫌い」と答えるでしょう。それぐらい、この国で生活をすることはストレスフルで、エネルギーが必要です。基本的にカオスです。しかし、中国に行かずして中国が嫌いだと断言してしまうのは早計というもの。是非とも、中国を訪れた上で中国を嫌いになって頂きたい。矛盾しているようですが、これは本心です。

「お前の母国マジでありえねーよ!ふざけんなよ!二度と行くかボケ!」と罵られようが、「知る」ということは、「知らない」ことの100倍良いことだと思っています。もしかしたら、「まあ大概ダメだったけど、あそこだけは良かったな」とか「意外と良いところあるんだな」とか、新しい発見があるかもしれません。その発見は、関心に繋がります。日本に帰ってから目にするニュースを、今までとは違う視点で捉えるようになるかもしれません。コンビニでバイトしている中国人留学生に、ちょっとだけ親しみを感じるようになるかもしれません。それでも結局マツキヨで爆買い中の中国人観光客に列を抜かされて「やっぱり嫌い!」と思うかもしれません。

先に「相互理解に貢献する」と書きました。これは少々、大それた表現です。そもそも、日本人同士だって、中国人同士だって、自国民のことすら完全に理解しているとは言い難いでしょう。まして、異国の人間同士、お互いを理解することはとても大変な作業です。ですが、「千里之行,始于足下」 千里の道も一歩から。まずは、中国のことをもう少し知ってもらえるよう、自分自身のアドバンテージを最大限活用して、少しずつ活動をしていこうと思います。

前置きばかり長くなってしまい、結局「8 photos in CHINA」ってなんやねんって話ですが、次回の投稿で「8 photos in CHINA」の概要と基本的なレギュレーションをご紹介します。なにぶん飽きっぽい性格なので、どれぐらいの頻度でブログ更新できるかわかりませんが、まあのんびりやっていきますので、お付き合い頂ける方はどうぞよろしくお願い致します。

再见👋

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?